ニューバランスの中でも、“大人のスニーカー”と呼ばれるモデルがいくつかあります。その中でも特に評価が高いのが「M991」。イギリス製の上質なスエード、独特の重厚感、そして長時間履いても疲れにくいと評判の履き心地。このモデルは、ただのスニーカーではなく「上質な履き心地を味わう道具」として、多くのファンを惹きつけています。
ここでは、M991の履き心地を中心に、その快適性の理由、スエード素材の質感、サイズ感や使い方のコツまで、実際のユーザーの声や構造面から詳しく解説します。
M991とは?イギリス製ニューバランスの代表格
M991は、ニューバランスの中でも特別な位置づけにある「Made in U.K.」シリーズのひとつ。製造はイギリス・フリンビー工場で行われており、細部まで手の込んだつくりが特徴です。2001年に初登場し、以降アップデートを重ねながら今も愛され続けています。
最大の特徴は、「ENCAP(エンキャップ)」と「ABZORB(アブゾーブ)」という2種類のソール構造を組み合わせたクッションシステム。外観はクラシックながら、履き心地は現代的。安定感と反発力を両立させることで、長時間の歩行や立ち仕事でも快適に過ごせるよう設計されています。
さらに、アッパー素材には上質なピッグスキンスエードを採用。見た目に高級感があるだけでなく、履くほどに足になじむ柔らかさが魅力です。
履き心地の第一印象:やや硬め、でも安定感抜群
実際にM991を履いた人の多くが口をそろえるのが、「最初は少し硬く感じる」という感想。しかし、それは裏を返せば「しっかりとした作り」という証拠でもあります。
スニーカーというよりも「革靴に近い感覚」と評されることもあり、初めはややタイトで反発が強い印象を受けるかもしれません。けれども、数日履くうちにスエードが足になじみ、まるでオーダーシューズのようなフィット感へと変わっていきます。
この“硬めの安定感”こそがM991の魅力。足裏全体を支えるような着地感、かかとからつま先へ自然に体重が移動するスムーズな歩行。そうした構造的なバランスの良さが、「長時間歩いても疲れにくい」という評価につながっています。
クッション性と安定性を生むソール構造
M991の履き心地を支えるのが、ニューバランスが誇るテクノロジー「ENCAP」と「ABZORB」です。
ENCAPは、柔らかいEVA素材のミッドソールを、硬いポリウレタンリムで包み込んだ構造。足をしっかり安定させながら、必要なクッション性を確保します。一方、ABZORBは衝撃吸収と反発を両立する素材で、地面からの衝撃を緩和し、次の一歩を自然に促してくれます。
この2つのテクノロジーが組み合わさることで、「安定感がありながらも沈み込みすぎない」という絶妙な履き心地を実現。フワフワした柔らかさではなく、“どっしり支えてくれる”タイプのクッション性です。
特にかかと部分は包み込むようにフィットし、体重が偏らないため、立ち仕事や長時間歩くシーンでも快適。軽快さよりも、安定感・信頼感を求める人にぴったりの設計です。
上質スエードがもたらす包まれるような感覚
M991の履き心地を語るうえで欠かせないのが、「上質スエード」の存在。ニューバランスのUKモデルは、世界的にも評価の高いピッグスキンスエードを採用しており、その質感はまさに一級品です。
スエードは見た目の高級感だけでなく、履き心地にも大きく影響します。起毛した表面がやわらかく、足を包み込むような優しいフィット感を生み出します。履きはじめはやや硬さを感じても、体温や湿度により徐々に柔らかく変化し、時間とともに自分の足型に馴染んでいくのです。
また、スエードは通気性も適度にあり、蒸れにくいのもポイント。ただし水分には弱い素材なので、防水スプレーでのケアは欠かせません。定期的なブラッシングを行えば、見た目の美しさと履き心地を長く維持できます。
サイズ感とフィット感:やや細めの設計に注意
M991は、全体的に「やや細めのつくり」です。足幅が広い人や甲高の人は、普段より0.5〜1.0cm大きめを選ぶと快適に履ける場合が多いです。日本人の足型には少しタイトに感じることもあるため、ワイズ(幅)選びは慎重に。
また、履き口のホールド感が強く、かかとをしっかり固定してくれるため、歩行時のブレが少ないのも特徴。靴紐の締め具合を調整することで、フィット感を自分好みに微調整できるのも魅力です。
初めは少し硬く感じても、数日で足に馴染むケースが多く、履き慣れるほどに“自分専用の一足”に育っていく過程を楽しめます。
実際の使用感レビューから見る履き心地のリアル
実際にM991を履いた人の声をまとめると、以下のような傾向が見えてきます。
- 「立ち仕事で7時間履いても疲れなかった」
- 「足を包み込むような安定感で、かかとがしっかりフィットする」
- 「最初は硬いけど、数回履くと驚くほど馴染む」
- 「スニーカーというより革靴に近い感覚で、重厚感がある」
一方で、「幅が狭い」「軽快さを求めるなら別モデルの方が良い」という意見もあります。つまりM991は、柔らかく軽いスニーカーではなく、「安定感とフィット感を重視した履き心地」を求める人に向いているモデルです。
長時間履いても疲れにくい理由
M991が「疲れにくい」と言われるのは、クッション構造だけでなく、ソールの形状にも秘密があります。アウトソールはヒール部分がしっかり厚く、自然なロッカーカーブを描く形状。この構造により、着地から蹴り出しまでの体重移動がスムーズで、足全体の動きをサポートしてくれます。
さらに、ヒール部分の安定感が抜群で、足が靴の中で無駄に動かないため、筋肉の負担が減少。結果として、長時間歩いても疲れにくく感じるのです。
ただし、反発性を求めるランニング用スニーカーとは方向性が異なります。M991は、衝撃を吸収して支える「守りの履き心地」。ゆったり歩く・立つ・街を散策するようなシーンでこそ、真価を発揮します。
M991v1とM991v2の違いにも注目
現在はオリジナルのM991v1に加え、改良版のM991v2も登場しています。両者は外観は似ていますが、履き心地には明確な違いがあります。
M991v1はクラシックな構造で、やや硬めのソールが特徴。しっかり地面を捉える安定感があり、足を支える力が強いモデルです。
一方、M991v2では新たに「FuelCell」ミッドソールを採用。従来よりも柔らかく、クッション性が高まっています。より現代的な履き心地を求める人にはM991v2、クラシックな安定感を重視するならM991v1がおすすめです。
デメリットと注意点
完璧に見えるM991にも、いくつか注意すべき点があります。
- 足幅が狭い:日本人の足にはタイトに感じることがあり、サイズアップが必要な場合も。
- 履き始めは硬い:最初の数回は長時間の使用を避け、慣らし履きをするのがおすすめ。
- スエード素材のケアが必要:防水スプレー・ブラッシングは必須。雨の日の使用は避けるのがベター。
- やや重ため:軽量スニーカーと比べると重量感があり、軽快な走りには不向き。
これらを理解した上で選べば、M991は長く快適に愛用できる一足になります。
まとめ:M991の履き心地は“上質さ”そのもの
ニューバランスM991の履き心地は、一言で言えば「上質な安定感」。柔らかさよりも、支えられている安心感を感じるタイプのスニーカーです。
上質なスエードが足を包み込み、ENCAPとABZORBがしっかりと衝撃を吸収。履き込むほどに足に馴染み、自分だけの一足に育っていく感覚は、他のスニーカーでは味わえません。
軽さや柔軟性よりも、“確かなつくりと安定した履き心地”を求める人にこそ、M991はおすすめです。スニーカーというよりも、クラシックな靴としての完成度を感じるはず。履くほどに愛着が増す——まさに「大人のためのニューバランス」と言える一足です。
ニューバランスM991の履き心地を体感してみよう
上質スエードの包み込むような感覚と、ソールの安定感を両立したM991。
「長時間履いても疲れにくい」「見た目にも高級感がある」という両立を求めるなら、ぜひ一度試してみてください。
その履き心地の“実力”を体感した瞬間、あなたの定番スニーカー観が変わるかもしれません。


