スニーカー好きなら一度は耳にしたことがある「ニューバランス990シリーズ」。その中でも名作として根強い人気を誇るのが「ニューバランスM990v3」です。
履き心地、安定感、デザイン性。そのすべてが高い水準でまとまっており、「結局これに戻ってくる」と言うファンも多いモデル。
この記事では、そんなニューバランスM990v3の履き心地を中心に、使用感や他モデルとの違いを徹底的に掘り下げます。
ニューバランスM990v3とは?シリーズの中での立ち位置
ニューバランス990シリーズは、1982年に「100ドルのスニーカー」として登場した初代990から始まります。
ニューバランスM990v3はその第3世代にあたるモデルで、2012年に登場しました。シリーズ30周年を記念した節目の一足であり、クラシックとモダンが見事に融合したデザインが特徴です。
アッパーには上質なピッグスキンスエードと通気性の高いメッシュを使用。
ミッドソールにはニューバランスの代表的なクッション素材「ENCAP」が採用されており、安定性と履き心地を両立する設計です。
見た目の重厚感とは裏腹に、履いてみると軽すぎず重すぎないバランス感が絶妙。カジュアルにもきれいめにも合わせやすい万能スニーカーとして、現在も高い人気を誇ります。
ニューバランスM990v3の履き心地を徹底解説
クッション性:硬めの安定感と程よい沈み込み
ニューバランスM990v3を履いてまず感じるのは「しっかり地面を捉える安定感」です。
ふかふかと沈み込む柔らかいスニーカーとは違い、ミッドソールがやや硬めに作られており、足全体をしっかり支える構造になっています。
この感覚はランニングシューズというよりも、ウォーキングシューズやタウンユース寄りの履き心地に近い印象です。
ヒールの高さは約32mm、前足部は約22mmで、踵からつま先への傾斜(ドロップ)は約10mm。
歩行時の重心移動が自然で、立ち姿勢の安定性にも優れています。
沈み込みが少ないため、長時間履いても疲れにくく、特に立ち仕事や通勤・通学など「日常で履き続ける用途」に向いています。
フィット感:包み込まれるようなホールド力
ニューバランスM990v3はニューバランスの中でも「包み込まれるようなフィット感」に定評があります。
アッパー素材のスエードとメッシュが足全体に馴染み、履き込むほどに柔らかくなっていくのが特徴。最初はややタイトに感じても、数日履くと自然に足型に沿って変化していきます。
かかと部分には堅めのヒールカウンターが搭載されており、着地のブレをしっかり抑制。
また、トゥボックス(つま先部分)はやや広めに設計されているため、指先に余裕があり、締めつけ感が少ない点も快適さのポイントです。
幅広の足型の方にもフィットしやすく、「長時間履いても足が痛くなりにくい」と感じる人が多いモデルです。
通気性と耐久性:メッシュアッパーの恩恵
アッパーのメッシュ素材は通気性が非常に高く、長時間の使用でも蒸れにくい仕様です。
夏場でも快適に履けるという声が多く、靴内環境の快適さもニューバランスM990v3の魅力のひとつ。
一方で、つま先部分のメッシュは摩耗にやや弱い傾向があるため、ラフに使うと穴が開きやすいというレビューもあります。
そのため、スエード保護スプレーや防水スプレーなどでケアしておくと長持ちします。
素材の質感は非常に上品で、履き込むほどにスエードが柔らかく風合いが増すため、経年変化を楽しめるのもこのモデルならではです。
サイズ感と選び方
ニューバランスM990v3のサイズ感は「基本的にいつものサイズでOK」と言われていますが、若干大きめに感じる人もいます。
幅広設計でつま先に余裕があるため、細身の足の方はハーフサイズ下げても快適に履けることが多いです。
・足幅が広め → いつものサイズを選ぶ
・細めの足型 → ハーフサイズダウンも検討
・甲高の人 → 通常サイズで問題なし
ワイズ展開も豊富で、D・2E・4Eなどから選べるため、自分の足型に合わせて選べるのも魅力です。
フィット感を重視するなら、試着時に厚手ソックスを履いて確認するのがベストです。
実際に履いた人の口コミ・感想
長期間使用しているユーザーの感想をまとめると、以下のような傾向があります。
・「安定感が抜群で、立ち仕事でも疲れにくい」
・「柔らかすぎず、地面をしっかり感じられるのが良い」
・「デザインも上品で、どんな服装にも合わせやすい」
・「他のモデルより重量感があるが、その分しっかりした作り」
・「2年履いてもスエードがへたらず、高級感が続く」
一方で、「軽快さ」や「柔らかさ」を求める人にはやや硬く感じる場合もあります。
ふかふか系のスニーカーに慣れている人にとっては、最初はしっかり目のフィーリングに驚くかもしれません。
ただ、この“硬めの支え”こそがニューバランスM990v3らしさであり、長く履いても疲れにくい理由でもあります。
他モデルとの比較:v2・v4・v5・v6の違い
ニューバランスM990v3をより深く理解するために、同シリーズの他モデルとの違いも見ておきましょう。
ニューバランスM990v2との違い
v2はクラシックでややずっしりとした履き心地。
v3ではクッション性と軽さが向上し、日常使いでより快適になりました。デザインもシャープで現代的です。
ニューバランスM990v4との違い
v4は全体的にホールド感が強く、フィットがタイトめ。
一方でv3はトゥボックスが広めで、快適性を優先した履き心地。ゆったり履きたい人はv3、ピタッとフィットさせたい人はv4がおすすめです。
ニューバランスM990v5との違い
v5はヒールの安定性がさらに高く、やや柔らかめのクッションが特徴。
ランニング用途や長時間歩行にはv5が快適ですが、素材感の高級さやクラシックなデザインはv3が勝ります。
ニューバランスM990v6との違い
最新のv6は厚底化され、反発力のあるFuelCellミッドソールを採用。
ふわっとした柔らかさを求めるならv6、適度な硬さと安定感を重視するならv3という選び方ができます。
ニューバランスM990v3が向いている人・向いていない人
向いている人
- 安定した履き心地を求める人
- 幅広や甲高でゆったりしたフィット感が好きな人
- 立ち仕事・通勤・街歩きが多い人
- クラシックなデザインを長く愛用したい人
向いていない人
- とにかく軽いスニーカーを探している人
- ふかふか系の柔らかいクッションを好む人
- スポーツ用途や長距離ランニング目的の人
履き心地をさらに良くするコツ
ニューバランスM990v3はそのままでも快適ですが、さらに履き心地を高める工夫も可能です。
・厚手ソックスを合わせてフィット感を調整
・自分の足型に合ったインソールに交換
・防水・防汚スプレーでスエードを保護
・履き始めは短時間から慣らしていく
こうした小さなケアを続けることで、ニューバランスM990v3は長く快適に使えます。
素材の質が高い分、手入れを怠らなければ年単位で履き続けられるのもこのモデルの魅力です。
ニューバランスM990v3の履き心地まとめ
ニューバランスM990v3の履き心地を一言で表すなら、「安定感のある上質な快適さ」。
ふかふかというより、しっかりと足を支えてくれる安心感が特徴です。
スエードとメッシュの上品な素材感、ゆとりのあるトゥボックス、通気性の高さ、どれを取っても完成度が高い一足です。
最新モデルと比べても、ニューバランスM990v3には「クラシックな安心感」という他にはない魅力があります。
履くたびに馴染み、長く付き合えるスニーカー。
履き心地を重視する人にこそ、このニューバランスM990v3を一度試してみてほしいと思います。


