ニューバランスM576の中でも長く愛され続けている「M576」。
1988年の登場以来、クラシックラインの代表格として根強い人気を誇っています。
今回は、そのM576の“履き心地”に焦点を当て、実際に感じられる快適性や英国製ならではの魅力をじっくり掘り下げていきます。
M576とは?英国製クラシックモデルの背景
M576は、ニューバランス574の「500番台」シリーズに属する定番モデル。
オフロードランニングシューズとして誕生したこのシリーズは、安定性と耐久性を重視して設計されました。
その中でもM576は、イギリスのフリンビー工場で生産される“Made in UK”モデルとして知られています。
英国製のニューバランスM576は、素材選びから縫製、仕上げまで一貫した品質管理が行われており、特に「履き心地の上質さ」や「足を包み込むような感触」で高い評価を受けています。
同じ500番台の「574」と並び称されることも多いですが、M576はよりプレミアムな位置づけにあります。
英国製ならではの素材と仕上げが生む履き心地
まず、M576の履き心地を語る上で欠かせないのが「素材の質感」です。
アッパーにはオイルドレザーやヌバックレザーなど、柔らかく高級感のある素材が使用されています。手に取った瞬間にわかるしなやかさと厚みは、一般的な量産モデルとは一線を画します。
実際に履いてみると、レザー特有の“包み込まれるようなフィット感”を感じます。新品時はやや硬めですが、履き込むほどに足の形に馴染み、自分だけの一足に育っていくのが魅力です。
英国製のM576は素材そのものの品質が高く、経年変化を楽しみながら長く愛用できる点もファンを惹きつけています。
ミッドソールの反発感と安定性
M576の履き心地を支えるもうひとつの要素が、ミッドソールの構造です。
クッション性の高いEVA素材を採用しており、適度な反発感と安定感を両立。舗装路やコンクリートの上を歩いても、地面の硬さを感じにくいのが特徴です。
ニューバランス574と比べるとやや硬めの印象を受けますが、それが逆に安定感や地面との一体感を生み、歩行時のブレを抑えてくれます。
長時間の通勤や街歩きでも疲れにくいという声が多く、見た目以上に実用性の高いモデルです。
ただし、長時間立ち続ける仕事や、一日中歩き回るようなシーンでは、よりクッション性を重視したモデル(例:ニューバランス990やニューバランス2002Rなど)の方が向いているという意見もあります。
M576はあくまで“タウンユース向けに高い快適性を備えたクラシックモデル”と考えると、ちょうど良い位置づけでしょう。
足を包み込むフィット感とサイズ感の特徴
M576の履き心地を左右する重要なポイントが「フィット感」です。
全体的に丸みを帯びたフォルムですが、トゥボックス(つま先部分)はややタイトめ。
甲が高い人や足幅が広い人は、ハーフサイズアップして選ぶと快適に履けるという意見が多く見られます。
一方で、標準的な足型の人がジャストサイズで履いた場合には、レザーの柔らかさも相まって“吸い付くようなフィット感”を味わえます。
履き始めは少し硬さを感じても、数日履けば素材が柔らかくなり、自然に足に馴染むのがこのモデルの魅力です。
靴内部のライニング(裏地)も滑らかで、靴下との摩擦を抑えながら足全体をしっかり支えてくれます。履き心地に直結する“足あたりの優しさ”という点では、M576は非常に優秀です。
実際の使用感レビュー:快適性と注意点
実際に愛用しているユーザーからは、「高級感がある」「軽くて歩きやすい」「素材の柔らかさが心地良い」といったポジティブな意見が多数。
特に英国製ならではのレザーの質感に惚れ込む人は多く、「履くたびに足に馴染んでいく感覚が楽しい」という声もあります。
一方で、少数ながら「長時間歩くと足が疲れた」「トゥ部分が少しきつい」といった意見も存在します。
これは個々の足型との相性によるもので、サイズ選びやインソールの調整で解決できる場合がほとんどです。
全体的に見ると、M576は“革靴のような高級感とスニーカーの軽快さを併せ持つ”稀有なモデル。
「履き心地=柔らかさ・軽さ」だけでなく、“上質な素材に包まれる快適さ”を感じたい人にとっては理想的な一足です。
他モデルとの比較:M574との違い
ニューバランスの中でM576とよく比較されるのが「M574」。
574はより軽量でクッション性に優れ、普段履きや長時間歩行に向いたバランス型のモデルです。
それに対し、M576はより上質な素材を使い、製造も英国工場で行われるため、全体のつくりがしっかりしています。
履き心地の方向性としては、「柔らかい574」「密着感のある576」と言えるでしょう。
どちらも歩きやすいモデルですが、M576は“履く喜び”や“所有感”を重視する人にぴったりです。
長年愛される理由は、単なるスニーカーではなく「英国製のクラフトスニーカー」としての完成度にあります。
コーディネートで映えるM576の魅力
M576はデザイン面でも非常に万能です。
クラシックなフォルムに上質なレザーが組み合わされているため、カジュアルにもきれいめにも合わせやすい。
グレーやネイビーなどの定番カラーは、デニムやチノパンとの相性が抜群。
また、レザー素材ならではの落ち着いた光沢感があり、スラックスやジャケットスタイルにも違和感なく馴染みます。
街歩きや休日のカフェシーンなど、“上質カジュアル”を目指す人にぴったり。
見た目の良さと履き心地の良さが両立している点が、M576の隠れた強みです。
ニューバランスM576の履き心地まとめ
ニューバランスM576は、「クラシックな見た目」「上質な素材」「英国製の丁寧な仕上げ」が融合したモデルです。
履き心地は、ふんわりとしたクッション性よりも、足全体を支える安定感やレザーの包み込み感が特徴。
日常使いに十分な快適さを備えながらも、長く履くほど味が出る一足です。
ただし、長距離を歩く用途や足幅が広めの人には、サイズ調整やインソールの工夫が必要かもしれません。
それでも、M576の履き心地は“クラシックなスニーカーの原点”を体現しており、手に取るだけで特別感を味わえるはず。
英国製ならではの高品質なスニーカーとして、今後も長く支持され続けることでしょう。
ニューバランスM576の履き心地――それは「上質さと快適さを兼ね備えた、王道クラシックの完成形」です。


