ニューバランスの名作シリーズの中でも「CM1700」は特別な存在です。見た目のクラシックさとは裏腹に、履いた瞬間に感じるクッションの深みと安定感。この記事では、CM1700の履き心地を実際の使用感や構造的な特徴から徹底的に掘り下げていきます。
CM1700とは？上位モデルM1700を受け継ぐ完成度
CM1700は、かつてのフラッグシップモデル「M1700」をベースにアジア生産としてリリースされたモデル。1990年代後半に登場したM1700は、ニューバランスの技術の集大成と呼ばれたほどの完成度を誇ります。
CM1700では、その高機能を受け継ぎつつも、より手に取りやすい価格帯で再構築されています。外観は重厚なランニングシューズスタイルでありながら、実際に履くと軽快で推進力を感じられるのが特徴。スエードとメッシュを組み合わせたアッパーが柔らかく足を包み込み、クラシックな見た目と現代的な快適性を両立しています。
衝撃吸収性を支える「ABZORB」クッションの存在
CM1700の履き心地を語るうえで欠かせないのが、ミッドソールに搭載された「ABZORB（アブゾーブ）」です。これはニューバランスが誇る衝撃吸収素材で、ミッドソール全体にフルレングスで組み込まれています。
実際に履くと、かかとから着地した瞬間に“ズシン”という衝撃を吸い込み、そこから足が自然に前へ押し出されるような感覚を覚えます。柔らかいだけではなく、反発も同時に感じる独特のバランス。これは長時間歩いても疲れにくく、足裏への負担を軽減する構造になっています。
「フワフワ」よりも「沈んで戻る」タイプのクッションなので、歩くたびにリズムよく足が進むような心地よさ。立ち仕事や通勤など、長時間履くシーンでも疲れにくいと感じる人が多い理由です。
安定感を生み出すソール構造とホールド性
CM1700は単に柔らかいだけのスニーカーではありません。むしろ、「安定感」と「ブレにくさ」を両立しているのが最大の特徴です。
ソールの内部には、ABZORBに加えて「ENCAP」や「N-durance」などの構造技術が組み合わされています。これにより、着地時の衝撃を吸収しながらも、ミッドソール全体がねじれにくく、足の軸がブレません。
さらに、アッパーはスエードとメッシュの複合構造。サイド部分がしっかりと足を包み、シューレースを締めても圧迫感が少ないのが印象的です。足の甲からかかとまで全体的に“ピタッと支えられている”安心感があり、歩行中もバランスが崩れにくい作りになっています。
日常使いだけでなく、長距離のウォーキングにも耐えうる構造的安定感。これは他のニューバランスモデルと比較しても、CM1700が特に優れている点です。
サイズ感とフィット感の実際
ニューバランスはモデルによってサイズ感に差がありますが、CM1700は“いつものサイズでちょうどいい”という声が多いモデルです。
ただし、アジア製ということもあり、トゥボックス（つま先部分）がややコンパクトに感じる人もいます。幅広・甲高の足型の方は、ハーフサイズアップを検討するのが安心でしょう。
履き始めは少し硬さを感じるかもしれませんが、スエード素材が足に馴染むにつれて柔らかくフィットしていきます。長時間履くときは、紐の締め具合で微調整すると快適です。
全体的には、足を包み込むようなホールド感があり、足首の安定性も高い。靴の中で足が遊ばず、安定した歩行をサポートしてくれる設計です。
素材と構造がもたらす快適性
CM1700のアッパーは、高級感のあるスエードと通気性の良いメッシュで構成されています。見た目はクラシックですが、履き心地は非常にモダン。軽量で柔らかく、長時間履いても蒸れにくいのが特徴です。
また、アウトソールには「N-durance」という高耐久ラバーが使われており、グリップ力が高く、滑りにくい構造になっています。日常使いでの安定感にも大きく貢献している部分です。
この素材と構造の組み合わせが、「足入れした瞬間から心地よい」と感じる理由。通気性・耐久性・クッション性のすべてが、履き心地を底上げしています。
他モデルとの比較でわかるCM1700の特徴
ニューバランスの人気モデル「M992」や「M2002R」と比較しても、CM1700は一味違った履き心地を持っています。
M992やM2002Rはふんわりとしたクッション感が特徴ですが、CM1700はもう少し硬質で反発のあるタイプ。しっかり地面を感じながらも、足に衝撃を残さない絶妙なバランスです。
また、M1700（USA製）と比較すると、アジア製のCM1700はやや軽量化されており、デイリーユースにはちょうど良い設計。ソール構造自体は同じため、機能面の差はほとんどありません。
つまり、「ふわっとした柔らかさ」よりも「反発と安定性」を重視する人にとって、CM1700は理想的な履き心地の一足といえます。
実際の使用感レビューから見るリアルな印象
実際に履いた人のレビューを見ても、「長時間履いても疲れにくい」「朝の散歩でも足取りが軽い」「かかとのクッションが心地いい」といった声が多く見られます。
なかには「足が自然に前に出る」「重心移動がスムーズ」といった表現も。これはABZORBによる反発力と、ソールのロッカー形状がうまく噛み合っている証拠です。
また、「紐をしっかり締めても窮屈にならない」「ホールドがしっかりしているのに圧迫感がない」といった意見も目立ちます。履き心地は個人差がありますが、全体的に高評価が多く、満足度の高いモデルであることが分かります。
CM1700が活きるシーンと向いている人
CM1700は、日常生活のあらゆるシーンに対応できる万能スニーカーです。
・通勤・通学などの毎日の歩行
・休日の街歩きや旅行
・立ち仕事・移動の多いビジネスシーン
これらの場面で「履き心地の良さ」「安定感」「疲れにくさ」が実感できるはずです。
反対に、ランニングなどスピードを求める運動用途では少し重さを感じることもあります。そのため、ウォーキングや街履きに特化した“快適シューズ”として使うのがおすすめです。
履き心地を長く保つためのケアと注意点
スエード素材は見た目に上品ですが、水や汚れに弱い性質があります。購入後は防水スプレーを使っておくと、雨の日も安心。汚れがついた場合は、専用ブラシで軽くブラッシングする程度で十分です。
また、履き終わったあとは風通しの良い場所で乾かし、形を保つためにシューキーパーを入れておくと長持ちします。ソールのクッション性も湿気に弱いので、保管環境にも気を配りましょう。
ニューバランスCM1700の履き心地まとめ
CM1700は、「衝撃吸収性」と「安定感」を見事に両立したモデルです。
・フルレングスABZORBによるしっかりしたクッション性
・反発力のある推進感
・足を包み込むような安定したホールド感
・スエード＋メッシュ素材による軽快で通気性の高い構造
これらが組み合わさり、日常の歩行を心地よく支えてくれます。
ふわふわ過ぎない“芯のある柔らかさ”を求める人にとって、CM1700は理想的な一足。長時間履いても疲れにくく、足元からしっかりと支えてくれる信頼感があります。
履き心地にこだわるなら、一度CM1700を試してみる価値は十分にあります。衝撃吸収性と安定感、その両方を実感できる一足として、きっと手放せなくなるでしょう。
