ニューバランス992のスニーカーの中でも、特に「履き心地が良い」と語られるモデルがいくつかあります。その中で長年愛され続けているのが「ニューバランス992」です。クラシックなデザインながら、現代のスニーカーファンからも圧倒的な支持を集めています。この記事では、ニューバランス992の履き心地を中心に、素材や構造、他モデルとの違い、そして人気の理由まで徹底的に解説します。
ニューバランス992とは？100周年を記念して誕生した名作モデル
ニューバランス992は、2006年にブランド創立100周年を記念して登場したモデルです。ニューバランス990シリーズの進化形として位置づけられ、当時の最新テクノロジーを詰め込んだフラッグシップモデルでした。現在でもアメリカ製（Made in USA）で生産される高級ラインとして人気を保ち続けています。
ニューバランス992のアッパーは、上質なピッグスキンスエードとメッシュを組み合わせた構造。手に取るとすぐに分かるほど肉厚で柔らかい素材感は、他のスニーカーとは一線を画します。全体的にどっしりとした印象を持ちながらも、洗練されたフォルムが魅力。クラシックかつ現代的なデザインで、多くのファッション愛好家にも支持されています。
履き心地の秘密：ABZORB SBSとENCAPの組み合わせ
ニューバランス992の履き心地を支える最大のポイントは、ソールに採用された独自のクッションテクノロジーにあります。
ニューバランスが誇る「ABZORB SBS（アブゾーブ・エスビーエス）」という高反発素材が、ミッドソールのヒール部分に搭載されています。これは衝撃吸収性と反発弾性を両立させた特殊素材で、着地時の衝撃を和らげながらも、次の一歩をしっかり押し出すような弾力を感じられます。
さらに、ミッドソール全体には「ENCAP」構造を採用。柔らかいEVA素材をポリウレタンで包み込むことで、クッション性と安定性を両立しています。長時間歩いても足が疲れにくく、特にヒール着地の際の安定感が際立ちます。
この二重構造により、ニューバランス992は「ふかふかしすぎず、かといって硬すぎない」絶妙な履き心地を実現しています。履き始めから安心感のあるクッションを感じられ、長時間の歩行でも足への負担を最小限に抑えてくれるのです。
フィット感とサイズ選び：やや大きめの設計に注意
多くのユーザーが口を揃えるのが、「ニューバランス992は少し大きめに感じる」という点です。普段よりハーフサイズ下げてちょうど良いという声も多く見られます。特に横幅が広めの作りになっているため、普段からタイトフィットのスニーカーを履いている人は少しゆとりを感じるかもしれません。
履き心地自体はしっかりとしたホールド感があり、足を包み込むような安定感があります。アッパー素材のピッグスキンスエードが柔らかく、履き始めて数日で足に馴染んでくる感覚も魅力です。
ただし、その分やや重さを感じるという意見もあります。軽さよりも安定感を重視した作りになっているため、ランニング用途よりは「街歩き」や「長時間の立ち仕事」に向いているといえるでしょう。
実際の履き心地：長時間でも疲れにくい安心感
ニューバランス992を履いた瞬間に感じるのは、足全体をしっかり支えてくれるような安定した感触です。柔らかいだけのスニーカーとは違い、足裏全体に均一なサポートが行き渡るような設計になっています。特に土踏まずからかかとにかけてのアーチサポートがしっかりしており、歩行時の体重移動をスムーズにサポートしてくれます。
長時間の使用でも疲れにくい理由は、クッション性だけでなくソールの形状にもあります。ニューバランス992は前足部が広めに設計されており、体重をしっかり分散できるため、立ち仕事でも足裏が痛くなりにくいのです。実際に一日中履いたユーザーからも「夕方になっても足の疲れが少ない」「履けば履くほど馴染む」といったレビューが多く見られます。
また、アウトソールのラバーには高耐久素材「NDurance（エヌデュランス）」が採用されており、摩耗しにくく長く使える点も魅力。履き心地だけでなく、耐久性の高さもニューバランス992がロングセラーとなっている理由のひとつです。
他モデルとの違い：ニューバランス990やニューバランス993との比較
ニューバランスの定番である「ニューバランス990シリーズ」や後継モデルの「ニューバランス993」との違いを理解すると、ニューバランス992の魅力がより明確になります。
まずニューバランス990シリーズ（特にニューバランス990v4・ニューバランス990v5）は、軽量性と現代的なクッション性を重視したモデルです。柔らかく軽快な履き心地が特徴で、スニーカーというよりも「スポーツ寄り」の感覚に近いといえます。
一方、ニューバランス992はやや重めでクラシックな構造を持ち、安定感と存在感を重視しています。歩行時の地面との接地感がしっかりあり、「履いている感覚」を感じやすいタイプです。そのため、「最新の軽さ・柔らかさよりも、しっかりとした作りの安心感」を求める人に向いています。
後継のニューバランス993は、ニューバランス992の構造をベースに軽量化とクッション改良を進めたモデルです。履き心地を比較すると、ニューバランス993の方がやや柔らかく、ニューバランス992はより硬派で安定感が強い印象。ファッション用途ならニューバランス992、快適性重視ならニューバランス993という選び方をする人も多いようです。
素材の高級感とファッション性
ニューバランス992の履き心地を語る上で忘れてはいけないのが、素材の上質さです。アッパーには天然ピッグスキンスエードを使用し、メッシュとの組み合わせが絶妙。触れるだけでしっとりとした高級感を感じられます。
また、シルエットも特徴的です。ボリュームのあるミッドソールと細身のトゥ形状のバランスが絶妙で、スニーカー全体が洗練された印象に仕上がっています。デニムやチノパンだけでなく、スラックスなど大人のスタイルにも自然に馴染むデザインです。
この「上質な素材＋クラシックデザイン＋確かな履き心地」の三拍子が、ニューバランス992が世代を超えて愛される理由です。
人気の理由：スティーブ・ジョブズも愛用した伝説のモデル
ニューバランス992の人気には、歴史的な背景も関係しています。アップル創業者のスティーブ・ジョブズが愛用していたことでも知られ、彼のトレードマークである黒のタートルネックとデニムに合わせて履かれていた姿は、世界中で象徴的なイメージとなりました。
このエピソードが再び注目されたのは、2020年に復刻版が発売されたとき。復刻を機にファッション業界やスニーカーファンの間で再評価され、再び大ヒットを記録しました。特に「Made in USA」の品質への信頼と、クラシックな見た目の中にある機能性が、多くの人の心を掴んでいます。
ニューバランス992の履き心地まとめ
ニューバランス992は、クラシックなデザインの中に確かな技術と履き心地を融合させた一足です。
他のモデルよりも重みがありますが、その分だけ足への安定感が高く、長時間履いても疲れにくいという大きな利点があります。上質なスエード素材が足に馴染み、時間とともに自分だけのフィット感を得られるのも大きな魅力です。
軽さや最新クッションを求めるならニューバランス990v6やニューバランス993も選択肢になりますが、クラシックで味のあるスニーカーを求めるなら、ニューバランス992は間違いなくベストの一つ。
履き心地・デザイン・品質、どれを取っても満足度の高いモデルです。
ニューバランス992の履き心地を一言で表すなら、「重厚で安心感のある快適さ」。
スニーカーの原点を感じられる名作として、これからも長く愛され続けるでしょう。
