スニーカー選びで「デザイン」と「履き心地」、どちらを重視するかは人それぞれ。でも、どちらも妥協したくないという人に注目されているのが「ニューバランス850」。1990年代のハイテクスニーカーブームを象徴する1足として知られ、復刻後も多くのファンを獲得しています。
今回は、その「ニューバランス850（ML850）」の履き心地やクッション性、安定性、そして見た目のバランスまでを徹底的に解説していきます。
90年代生まれの「ニューバランス850」とは？
「ニューバランス850」は1996年に登場したランニングシューズを原型としています。当時のニューバランスといえば「Nロゴ」が定番。しかし850は、その象徴的なロゴをあえて排除し、ウェビングテープを採用した革新的なデザインで話題になりました。
この大胆なデザイン変更こそが「ハイテクスニーカー」としての存在感を確立した理由です。
現行の「ML850」は、当時の構造を再現しながらライフスタイル向けにリファイン。厚みのあるミッドソール、独自の安定構造、そしてクラシックかつモダンなシルエットを備えています。つまり、ただの復刻ではなく「歩きやすさとデザイン性の両立」を追求した現代版ハイテクモデルです。
履き心地の秘密は3つのテクノロジー
1. ABZORB（アブゾーブ）
衝撃吸収と反発を両立するクッション素材。着地時のエネルギーを分散させ、足裏に感じる衝撃を和らげてくれます。柔らかすぎず、安定感を保ちながらしっかりと地面を掴むような感覚が特徴です。
2. C-CAP（シーキャップ）
EVA素材を圧縮成型して作られたミッドソール。軽量でありながら耐久性が高く、長時間の使用でもヘタりにくいのがポイント。歩行中に感じる反発が自然で、足取りが軽く感じられます。
3. ROLLBAR（ロールバー）
かかとの内側倒れ（オーバープロネーション）を抑える安定機構。足首を支えるような構造になっており、長時間歩いてもブレにくいのが魅力です。特に立ち仕事や旅行など、長時間の使用で効果を実感する人が多い機能です。
この3つの機能が組み合わさることで、850は「しっかり支える安定感」と「自然なクッション性」を両立しています。
実際の履き心地レビュー：柔らかすぎない安定感
ネット上のレビューやユーザーの声をまとめると、ニューバランス850の履き心地は「程よく硬めで安定感がある」という意見が多く見られます。
あるユーザーは「最初は少し硬いが、履き慣れると足にしっくり馴染む」とコメント。また別の人は「クッションが標準的で、長く履いても疲れにくい」と評価しています。
この“やや硬め”という感触は、柔らかいクッションを好む人には意外かもしれませんが、歩行時の安定性を求める人にとっては非常に安心できる履き心地です。
反対に、フワフワした感触を求める人からは「少し硬い」「反発が控えめ」という声もあります。つまり、850は「柔らかさよりも安定感重視の設計」と言えるでしょう。
幅広・扁平足にもフィットしやすい構造
ニューバランスのシューズはもともと足幅のバリエーションが豊富ですが、850も例外ではありません。ワイドフィットモデルの展開があり、足幅が広めの人や扁平足の人にも快適に履けると評判です。
レビューでは「足幅が広くても窮屈さを感じない」「フィット感が良く、ストレスが少ない」という声も多く、特に長時間の着用でも快適さを保ちやすい点が支持されています。
ZOZOMATなどで足形を測定したユーザーからも「フィット率93％で快適」といった報告があり、フィッティングの良さは多くの人が実感しているようです。
ファッション性と履き心地のバランス
ニューバランス850の魅力は、機能性だけではありません。デザイン面でも高く評価されています。
厚みのあるソール、ウェビングテープのディテール、90年代らしいボリューム感のあるシルエット——それらが現代のファッションにもマッチし、ストリートからカジュアルまで幅広く活躍します。
カラー展開も豊富で、定番のグレーからホワイト、ネイビー、さらにはトーナルカラーシリーズまで揃っており、どんなスタイルにも合わせやすいのが特徴です。
デザイン性を重視する層からは「見た目はハイテクだけど、履き心地が思ったより自然で良い」という意見も多く、ファッションと機能のバランスが絶妙です。
850と他モデルの履き心地を比較
ニューバランスの他モデルとの違い
「850」と同じ時代のモデルである「ニューバランス990」や「ニューバランス530」と比べると、850はより安定性に振った設計。
「ニューバランス990」シリーズが柔らかく高級感のあるクッション、「ニューバランス530」が軽さを重視しているのに対し、850は“支えながら快適に歩ける”という印象が強いです。
他ブランドとの比較
柔らかい履き心地を好む人が選びがちなナイキの「ナイキ リアクト」シリーズや、リーボックの「リーボック フロートライド」と比べると、850は反発よりも安定を重視した感覚。
地面との距離を感じにくく、どっしりと安定した歩行をサポートしてくれるため、「長時間歩いても疲れにくい」という点では非常に優れています。
どんな人に向いているか？
- 長時間歩くことが多い人
- 足幅が広い、または扁平足気味の人
- 柔らかすぎる靴より、しっかりと支えられる履き心地が好きな人
- クラシックとハイテクのバランスが取れたデザインを好む人
反対に、軽量で柔らかい履き心地を最優先にする人や、反発力を重視したランニング用途の靴を探している人には、他シリーズ（例：Fresh Foam、FuelCellなど）の方が合うかもしれません。
実際の使用シーンと感想
日常使いでは「歩きやすい」「疲れにくい」という意見が多く、特に旅行や通勤など長時間履く場面でその良さを実感する声が目立ちます。
「旅行中、一日中歩いても足が痛くならなかった」「ソールの安定感があって立ち仕事に最適」というコメントも多く、安定構造が実際の生活の中で効果を発揮していることがわかります。
新品時は少し硬めに感じるものの、数回履くうちに馴染んでいくという意見が多く、「履き慣らし」がポイントになりそうです。
ニューバランス850の履き心地まとめ
ニューバランス850は、クッション性や反発力よりも“安定性”と“ホールド感”を重視したスニーカー。
ABZORBやC-CAP、ROLLBARといった機能により、足をしっかり支えながらも快適に歩けるバランス型の履き心地が特徴です。
その一方で、90年代らしいハイテクデザインが今のファッションにも自然に溶け込み、街歩きでも存在感を放ちます。
「柔らかくて軽い靴」を求める人には物足りないかもしれませんが、「長時間履いても疲れにくい靴」「安定感のあるスニーカー」を探している人にとっては、まさに理想的な一足。
履けば履くほど足に馴染む——そんな“育てるスニーカー”として、ニューバランス850の魅力を実感できるはずです。
ニューバランス850の履き心地を体感してみよう
ニューバランス850は、90年代のハイテク感と現代の快適性を融合させた希少なモデルです。
履き始めは少し硬くても、しっかりと足を支えてくれる安定性と安心感は一度慣れると手放せなくなる心地よさ。
街歩きや通勤、旅行のパートナーとして、ぜひ一度その履き心地を体感してみてください。
