ニューバランスの人気モデルの中でも、「313」と「996」は特に子ども靴として選ばれることが多い定番シリーズです。見た目は少し似ていますが、実際に履かせてみるとフィット感や用途が大きく異なります。「うちの子にはどっちが合うの?」と迷う保護者の方も多いのではないでしょうか。ここでは、デザイン・サイズ感・履き心地の3つの観点から、ニューバランス313と996の違いをわかりやすく整理していきます。
ニューバランス313と996の基本的な違い
まず前提として、313と996はどちらも「キッズ向けライン」に存在しますが、設計思想が異なります。
313は、幼児から小学生低学年にかけての「足の成長をサポートする靴」として作られています。靴の開口部が広く、面ファスナー(マジックテープ)仕様が多く採用されており、子どもが自分で履きやすい構造。さらに、足の安定性を高めるヒールカウンターや、足裏をしっかり支えるC-CAP ミッドソールなど、いわゆる“足育”を意識した機能が詰まっています。
一方で996は、もともと大人のランニングシューズから派生したモデルです。そのため、見た目はややスタイリッシュで、細身のシルエットが特徴。キッズラインでも同じ設計思想を踏襲しており、「ファッション性」と「歩きやすさ」を両立したタウンユース寄りの仕上がりです。親子でおそろいコーデを楽しみたい人からの支持も厚く、見た目の完成度は313よりも“少し大人びた印象”があります。
デザインの違い:ポップかシックかで印象が変わる
デザイン面の違いは、両モデルのターゲット層をそのまま反映しています。
313は、明るく元気なカラーリングが多く、ブルーやピンク、グリーンなど、子どもらしいポップな配色が目立ちます。丸みを帯びたフォルムで、見た目にもやさしい印象を与えるのが特徴です。マジックテープ式なので紐を結ぶ必要がなく、朝の忙しい時間でもサッと履ける利点があります。さらに、インソールには波状の「なみなみ形状」を採用したモデルもあり、足裏への刺激を意識した設計になっています。
対して996は、定番カラーのネイビー・グレー・ブラックが中心。落ち着いたトーンで、大人モデルのミニチュアのような仕上がりです。素材にはスエードやメッシュを組み合わせたものが多く、高級感のある質感。キッズ用ながらもファッション性が高く、通学やお出かけ時に“おしゃれに見える靴”として人気があります。見た目のスッキリ感を重視するなら、996の方が好みという人も多いでしょう。
つまり、デザインで選ぶなら「ポップでかわいい印象の313」か「シックで大人っぽい印象の996」かがポイントです。
サイズ感とフィット感の違い:幅広なら313、細身なら996
最も大きな違いといえるのが、サイズ感とフィット感です。これは実際に履かせてみるとすぐにわかる部分です。
313は「幅広設計」。足の甲が高い子や、足幅が広めの子にフィットするよう作られています。甲部分に余裕があり、ベルトで微調整ができるので、成長期の子どもにも安心です。レビューでも「甲高・幅広のうちの子でも痛くならない」「動いても脱げにくい」という声が多く見られます。
一方で996は「やや細身」。足幅が細め、または標準サイズの子に向いています。スリムなラスト(靴型)を採用しており、見た目にもスマートな印象。逆に言えば、幅広の子が履くと少し窮屈に感じることもあるため、足幅を測ってから選ぶのが安心です。
まとめると、足幅が広い・甲が高い子には313、足幅が細め・標準の子には996がおすすめ。特に初めてのスニーカー選びや、毎日履く通園靴としては、313の方が安心して使えるケースが多いです。
履き心地の違い:動きやすさ重視か、クッション性重視か
履き心地にも、設計思想の違いがしっかり表れています。
313は、安定性とグリップ力を重視しています。ソールには滑りにくいブローンラバー アウトソールを使用し、屈曲性が高く、走ったり跳ねたりといった動きにもしっかり対応。園庭や公園など、外遊びの多いシーンにぴったりです。また、ヒール部分に搭載されたC-CAP ミッドソールが衝撃を吸収し、成長期の足をやさしくサポートしてくれます。
996は、クッション性と軽さのバランスが魅力です。大人用モデルにも通じる構造で、ヒールの厚みがありながらも軽やかな履き心地。長時間の歩行でも疲れにくく、通学やお出かけなど、街歩き中心のシーンに最適です。通気性のよいメッシュ素材を使ったモデルも多く、季節を問わず快適に履けます。
つまり、運動量の多い子どもや活発な遊びをする場合は313、通学・おしゃれ・普段使いには996が快適という違いがあります。
脱ぎ履きのしやすさと使いやすさ
毎日使う靴だからこそ、脱ぎ履きのしやすさも大事なポイントです。
313はマジックテープ式が基本で、ベルトを大きく開けるタイプも多く、3歳〜5歳ごろの子どもでも自分で履けます。保育園や幼稚園の靴置きでも使いやすく、保護者にとっても手間が少ない構造です。面ファスナーは成長に合わせて締め具合を調整しやすく、足の甲の高さが変わっても安心。
一方996は、モデルによってマジックテープと紐タイプの両方があります。小学生以上で紐を結べるようになった子どもには、996の紐タイプが「大人っぽくてかっこいい」と人気。ベルクロタイプもあるため、年齢や用途に合わせて選びやすいシリーズです。親子でおそろいを楽しみたい場合も、996なら大人モデルと並んで履けるのが魅力です。
どちらを選ぶ?おすすめの選び方ガイド
ここまでの特徴を踏まえると、選び方のポイントは明確です。
- 足幅が広く、甲が高い子 → 313
ゆったりした幅とベルト調整で安心。特に園児・低学年のうちは脱ぎ履きしやすさが重要です。 - 足幅が細めで、すっきりしたシルエットが好みの子 → 996
見た目もスマートで、親子リンクコーデにも向いています。 - 外遊び中心の元気な子 → 313
グリップ力と安定性で、走っても滑りにくく安心。 - 通学やお出かけ中心でおしゃれを楽しみたい子 → 996
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また、子どもの足は半年~1年で大きく変化します。0.5cm刻みでサイズ展開されている両モデルですが、試し履きをして「つま先に1cm程度の余裕(捨て寸)」を持たせるのが理想的です。足の計測は両足で行い、大きい方に合わせて選ぶと失敗が少なくなります。
価格とコストパフォーマンス
価格帯にも差があります。313は概ね5,000円前後、996は1万円前後で販売されています。313はキッズ専用設計のためコスパがよく、日常使いにも惜しくない価格。一方、996は素材やデザイン性が高く、やや高価ですが長く履ける安定感があります。
どちらが「お得」というよりは、使う目的と期間によって選び分けるのがポイントです。園や公園用の“消耗品”としては313、通学やおでかけ用の“きれいめスニーカー”としては996がちょうど良いバランスです。
ニューバランス313と996の違いまとめ
最後に、両モデルの違いを簡単にまとめます。
- 313:幅広・甲高向け、マジックテープ仕様、安定性・履きやすさ重視。明るくかわいいデザインが多い。外遊び・通園・足育向け。
- 996:細身・標準向け、クッション性・通気性に優れた設計。落ち着いたカラーで親子コーデにも対応。通学・街履き・おしゃれ向け。
どちらもニューバランスらしい履き心地の良さと信頼性を持ちながら、ターゲットが少し違います。お子さんの足の形や、どんな場面で使うかを考えれば、自然と最適な方が見えてくるはずです。
ニューバランス313と996の違いを理解して、ぴったりの一足を選ぼう
「ニューバランス313と996の違い」は、単なるデザインや価格の差ではありません。子どもの足の形、ライフスタイル、成長スピードに合わせて最適化された構造の違いなのです。どちらを選んでも品質には定評がありますが、大切なのは“足に合うかどうか”。ぜひお店で実際に履かせて、見た目とフィット感の両方を確かめてみてください。お気に入りの一足が見つかれば、毎日の歩く時間がきっともっと楽しくなるはずです。


