ニューバランス1700の中でも“通好み”のモデルとして知られる「ニューバランス1700」。その中でもグレーカラーは、ブランドの象徴ともいえる存在です。どんな服装にもなじみ、上品な雰囲気を足元から漂わせてくれる——そんな万能カラーの魅力を、今回は徹底的に掘り下げていきます。
ニューバランス1700とは？歴史とモデルの背景
まず、「1700」というモデルがどんな位置づけにあるのかを押さえておきましょう。
1999年に登場したニューバランス1700は、1000番台シリーズの最上位にあたるハイエンドモデル。ブランドの持つテクノロジーを惜しみなく投入し、ランニングシューズとしての性能とデザイン性を両立させた一足です。
搭載されているミッドソール素材は、衝撃吸収性に優れたABZORB（アブゾーブ）や、安定性を高めるENCAP、軽量クッション素材C-CAPなど、ニューバランスの代表的なテクノロジーが組み合わされています。
さらに、アウトソールには耐久性を高めるN DURANCEラバーを採用。履き心地の良さと長く使える安心感が両立されています。
当時のアメリカ製モデル「ニューバランス M1700」は、素材や縫製の精度が高く、発売当初からスニーカーファンの間で“究極のニューバランス”と称されていました。その後、復刻モデルや日本限定カラーも登場し、今なお高い人気を誇ります。
グレーカラーが持つ上品さと万能性
ニューバランスといえばグレー。そう言っても過言ではないほど、ブランドを象徴する定番カラーです。では、なぜここまで多くの人が「グレーのニューバランス」を選ぶのでしょうか。
一つは、グレーという色の持つ“中立性”にあります。黒ほど重たくなく、白ほど軽すぎない。その中間のトーンが、あらゆる服装と自然に調和するのです。
濃淡のバランスも絶妙で、チャコール寄りの濃いグレーなら落ち着いた印象に、ライトグレーなら軽やかで清潔感のある雰囲気に仕上がります。
また、1700のアッパーに使われるスエードやヌバック、メッシュ素材は、光の当たり方によって色の深みが変化します。
そのため、単調な印象にならず、履き込むほどに“味”が出るのもグレーカラーの魅力。経年変化を楽しめる点も、長く愛される理由の一つです。
さらに、グレーはビジネスカジュアルやきれいめスタイルにも取り入れやすく、「スニーカーなのに上品に見える」という効果があります。オフィスカジュアルでも浮かず、休日コーデにもすっと溶け込む万能カラーなのです。
履き心地と作り込みの良さ
実際に履いてみるとわかるのが、1700の快適さ。
足を包み込むようなフィット感と、柔らかすぎない安定したクッション性が特徴です。ABZORBが着地の衝撃を吸収し、長時間歩いても疲れにくい構造になっています。踵部分にはN DURANCEラバーが使われており、摩耗を防いでくれるため、日常使いにも最適です。
素材にもこだわりが詰まっています。アッパーは高品質なスエードやヌバックを使用し、ステッチや補強パーツの配置も丁寧。
特にグレーカラーのモデルは、上質な素材感と色味の美しさが引き立つ仕上がりで、光の当たり方によって異なる表情を見せます。
また、USA製モデルは職人の手によって丁寧に仕上げられており、「履けば履くほど馴染む」感覚を味わえる点もファンを惹きつける理由です。復刻版や日本製の限定モデルも高い完成度を誇り、どの世代にも愛されています。
コーディネートのポイント①：トーンを意識する
グレーの1700は、どんな服装にもなじむ万能さが魅力。
ただし、上品に見せるには「トーンの統一」がポイントです。足元が淡いグレーなら、トップスやボトムスも同系色や柔らかいカラーでまとめると統一感が出ます。
たとえば、白Tシャツにライトグレーのパンツ、上にネイビーのジャケットを羽織るだけで、清潔感と大人っぽさを兼ね備えたスタイルに。
逆にチャコールグレー系の1700なら、ブラックや濃紺のボトムスと相性抜群。落ち着いた配色でまとめれば、秋冬らしい重厚感が生まれます。全体をモノトーンで統一すると、足元が引き締まり、スニーカーながらフォーマルな印象を与えることもできます。
コーディネートのポイント②：素材感を活かす
1700のグレーは、スエードやメッシュといった素材の質感が大きな魅力です。そのため、コーディネートでも“素材のバランス”を意識するとおしゃれ度がぐっと上がります。
たとえば、ウールコートやツイードジャケットのような質感のあるアウターに合わせると、足元と上半身の素材感がリンクしてまとまりやすくなります。
逆に、ナイロンブルゾンやデニムなどカジュアルな素材と合わせれば、スニーカーの上品さが際立ち、抜け感のあるバランスに仕上がります。
シンプルな服装にこそ、1700の素材の深みが映えます。派手な色を足すよりも、質感で変化を出す方が“大人のこなれ感”を演出できます。
コーディネートのポイント③：アクセントカラーを添える
グレーのスニーカーは、全体を落ち着かせる役割を持つ一方で、やや地味に見えることもあります。そんなときは、小物やトップスにアクセントカラーを取り入れるのがおすすめです。
例えば、ネイビーやバーガンディ、オリーブなどの深みのある色を一点投入するだけで、全体にメリハリが生まれます。
グレーの1700は主張が強くないため、上品なカラーバランスを崩さずに色を楽しむことができます。特に秋冬は、ニット帽やマフラーなどで差し色をプラスすると、季節感も演出できます。
コーディネートのポイント④：季節を問わず使える
ニューバランス1700グレーのもう一つの強みは、季節を選ばず使えること。
春夏はライトグレー系を取り入れ、白Tシャツや淡色パンツと合わせると爽やかな印象に。秋冬はチャコールグレーや濃色モデルを選び、コートやニットなど重厚なアイテムと合わせることでシックな雰囲気になります。
一年を通してコーデのベースにできるため、クローゼットに一足あるだけで着回しの幅が広がります。どの季節にも自然になじむのは、ニューバランスの“グレー”ならではの魅力です。
購入時に気をつけたいポイント
ニューバランス1700グレーは人気が高く、モデルによってはプレミア価格で取引されることもあります。購入時には、いくつかのポイントを確認しておくと安心です。
まず、正規販売店や信頼できるショップを利用すること。高額モデルは偽物も出回りやすいため、販売元の信頼性を確認しておきましょう。
また、スエードやヌバック素材はデリケートなので、購入後すぐに防水スプレーで保護しておくのがおすすめです。雨の日の使用を避けることで、色ムラやシミを防ぎ、長く美しい状態を保てます。
サイズ感にも注意が必要です。ニューバランス M1700JPはクッションがしっかりしている分、少しフィット感が強めに感じる人もいます。普段のサイズからハーフサイズアップして試着してみると、ちょうど良いこともあります。
長く履くためのメンテナンス方法
スエード素材のグレーは、美しさを保つために定期的なケアが大切です。
履くたびに軽くブラッシングしてホコリを落とし、週に一度ほど防水スプレーをかけ直すだけでも、色あせや汚れを防ぐことができます。
汚れがついた場合は、専用のスエードクリーナーや消しゴムタイプのブラシを使うと効果的です。水拭きは避け、できるだけ乾いた状態でケアするのがポイント。
また、長期間履かないときは、型崩れを防ぐためにシューキーパーを入れて保管すると良いでしょう。
まとめ：ニューバランス1700グレーは“大人の定番”
ニューバランス1700グレーは、ただのスニーカーではなく、「上品さ」「快適さ」「万能性」を兼ね備えた完成度の高い一足です。
どんな服装にもなじみ、履く人の印象を引き締めてくれる。そんな“頼れる足元”として、長く愛用する価値があります。
ファッションのトレンドが変わっても、グレーの1700は色褪せません。
定番でありながら特別感があり、履くたびに愛着が増していく。これこそがニューバランスの魅力であり、グレーカラーが永遠の定番として支持される理由です。
もしまだ「ニューバランス1700」を試したことがないなら、このタイミングで一度足を通してみてください。
その履き心地と上品さに、きっと“定番の理由”を実感できるはずです。
