ランニングシューズの進化は年々スピードを増していますが、その中でも注目度が高いのが「ニューバランス レベル4(FuelCell Rebel v4)」。前作からの進化点、履き心地の変化、そしてどんなランナーに向いているのか──今回はその魅力をじっくり掘り下げていきます。
軽さと反発の絶妙バランスが光るニューバランス レベル4
ニューバランス レベル4の最大の特徴は、軽さと反発のバランスの良さ。27.5cmサイズでおよそ200gという軽量設計ながら、ミッドソールには「FuelCellフォーム」を採用し、弾むような反発感を実現しています。
さらに今回のv4では、FuelCellフォームに「PEBA(ペバ)」素材を配合。このPEBAは高反発素材として知られており、クッションを柔らかくするだけでなく、エネルギーリターン性能を高めてくれるのがポイントです。つまり、足を地面に着けた瞬間の沈み込みを抑えつつ、推進力に変える──そんな感覚が得られる一足です。
クッションと反発、両方を高いレベルで両立しているのは、ニューバランス レベル4ならではの魅力と言えるでしょう。
前作から厚底化しながら安定性も進化
v4になってまず目を引くのが、厚底化です。ヒール部分が約36mm、前足部が約30mmというボリュームのあるミッドソールが採用され、見た目からも「進化した」印象が伝わります。
厚底化というと不安定になるイメージを持つ人もいますが、ニューバランス レベル4ではその点も抜かりありません。接地面積を広げることで、しっかりと地面を捉え、厚底でも安定感を感じられる設計になっています。
また、アウトソールには耐久性とグリップ力に優れたラバー素材を配置。前作でやや薄いと指摘されていたラバー部分が強化され、長く走っても削れにくい仕上がりになっています。
その結果、厚底でありながら安定性が高く、ロードでもトラックでも安心して使える万能型ランニングシューズに仕上がっています。
足を包み込むようなアッパーの快適性
ランニングシューズの履き心地を左右するのは、ミッドソールだけではありません。ニューバランス レベル4のアッパーには、通気性に優れた「エンジニアードメッシュ」が採用されています。
これにより、長時間走ってもムレにくく、軽快なフィット感をキープします。
さらに「Fantom Fit構造」と呼ばれる補強技術が中足部と踵まわりに採用され、ホールド感が向上。走っている最中でも踵がずれにくく、ブレの少ない安定した走行をサポートしてくれます。
一方で、前足部はやや広めの作りになっており、足幅が広めのランナーにとっては快適。逆に足幅が細い人はややゆとりを感じる場合もあるため、購入前にサイズ感を確認しておくと安心です。
軽さを感じるスピード感ある走り
実際に走ったレビューでは、多くのランナーが「軽い」「走り出しがスムーズ」とコメントしています。27cmで212gという軽さは、足を持ち上げる動作を軽減し、テンポの速いランニングにも適しています。
また、FuelCellフォームとPEBA素材の組み合わせにより、接地時にしっかりクッションが効きながらも、踏み込んだ瞬間に反発が返ってくるような感覚を得られるのが特徴です。
「クッションが柔らかい=沈み込みやすい」という印象を覆し、柔らかいのに前へ進む──そんな独特の走行感を体験できます。
特に、テンポ走やペース走など「やや速めのトレーニング」において、軽快さと安定感を両立してくれるシューズとして高い評価を受けています。
カーボンプレート非搭載でも感じる反発力
最近のランニングシューズのトレンドとして「カーボンプレート搭載モデル」が多く登場していますが、ニューバランス レベル4はカーボンプレートをあえて搭載していません。
それでも「十分な反発を感じる」と評判なのは、PEBA配合のFuelCellフォームと、ソール形状の工夫によるもの。
プレート特有の“ドンッ”と前へ押し出す推進力はないものの、自然なロッカー形状によってスムーズな重心移動が促されます。
このため、「自然な走りを維持したい」「プレートの硬さに抵抗がある」というランナーにとっては理想的な選択肢です。
トレーニングにもレースにも使える万能型モデル
ニューバランス レベル4は、日常のジョグからテンポ走、20km前後のロング走まで幅広く対応できる万能型モデルです。
実際、レビューでも「1足でトレーニングからスピード練習までカバーできる」「サブ4を目指すランナーに最適」といった声が多く見られます。
もちろん、カーボンプレート搭載のハイエンドモデルのような爆発的な推進力はありません。しかしその分、脚に優しく、日常的に使いやすいのが強みです。
練習でも疲労を溜めにくく、足への負担が少ないため、ランニングを習慣化している人にもぴったりです。
デザイン性とコストパフォーマンスも魅力
ニューバランスは機能性だけでなく、デザイン性にも定評があります。
FuelCell Rebel v4も例外ではなく、サイドの「N」ロゴを大胆に配置しながらも、全体的に軽快で洗練された印象に仕上がっています。
街中で履いても違和感がなく、トレーニングだけでなく日常使いでも映えるデザインです。
価格は約16,500円(税込)。カーボンプレート搭載のハイエンドモデルが3万円前後であることを考えると、非常にコストパフォーマンスに優れています。
「高性能ランニングシューズを手頃な価格で」という層にとって、まさに理想的なモデルと言えるでしょう。
サイズ選びと注意点
購入時に気をつけたいのがサイズ感です。
ニューバランス レベル4は、前足部が少し広めの作りになっているため、足幅が細い方はやや余裕を感じることがあります。
そのため、足型によってはハーフサイズ下げる選択も検討してみるとよいでしょう。
また、シュータン(ベロ部分)が短めに設計されているため、紐をきつく締めすぎると足首に干渉する場合があります。
実際に履く際は、紐の締め方を調整して快適なフィット感を探すのがポイントです。
どんなランナーにおすすめ?
ニューバランス レベル4が特におすすめなのは、次のようなランナーです。
- 毎日のジョグからスピード練習まで1足で済ませたい人
- サブ4前後を目指しているランナー
- カーボンプレート特有の硬さが苦手な人
- 足幅が標準〜広めで、ゆとりのあるフィット感を好む人
- コスパの良い厚底モデルを探している人
逆に、レースで最速を狙うランナーや、強い反発感を求める人にはやや物足りないかもしれません。
しかし、日々のトレーニングや距離走では、その安定感と履きやすさが大きな武器になります。
総評:自然な走りを楽しめる“万能厚底”
ニューバランス レベル4は、単なる「厚底シューズ」ではありません。
軽量でクッション性に優れつつ、安定感や履き心地にもこだわった、まさにバランス型のランニングシューズです。
プレートなしでもスムーズに進む推進感、足への優しさ、そして高いコストパフォーマンス──それらすべてが詰まった一足と言えます。
ランニングを始めたばかりの人にも、次のレベルを目指すランナーにもおすすめできるモデル。
「走ることをもっと自然に、もっと快適に」──ニューバランス レベル4は、その想いを形にしたようなシューズです。
ニューバランス レベル4の魅力を再確認して締めくくる
改めてまとめると、ニューバランス レベル4は軽さ・反発・安定性をバランス良く備えた万能ランニングシューズ。
FuelCellフォームの進化とPEBA素材の採用で、走るたびに“自然なスピード感”を感じられるのが特徴です。
ランニングのレベルをもう一段上げたい人、毎日の練習をもっと快適にしたい人──そのどちらにも寄り添うのが、このニューバランス レベル4。
次に走り出すとき、その軽やかな一歩があなたの走りを変えるかもしれません。


