ニューバランスが2024年に発表した「FuelCell Rebel v4(フューエル セル レベル v4)」は、軽量性と反発力を絶妙に両立したランニングシューズとして、多くのランナーの注目を集めています。
ここでは、その特徴や履き心地、実際の走行感、前モデルとの違いまでを徹底的に検証していきます。
フューエル セル レベル v4とは?最新モデルの基本情報
FuelCell Rebel v4は、ニューバランスが展開する「FuelCellシリーズ」の中でも、スピード練習から日常のトレーニングまで幅広く対応する万能型シューズ。
第4世代となる今作では、ミッドソール素材に新たにPEBA(ペバックス)を配合し、軽さと反発性能を飛躍的に向上させています。
価格は税込16,500円前後で、2024年3月に発売。ミッドソール厚はヒール約39mm、前足部34mm、ドロップ6mmというスペック。
25.5cmサイズで178gほどと非常に軽量で、長距離でも疲れにくい設計です。
ターゲットは、テンポ走やインターバルなどスピード系トレーニングを取り入れたい中級〜上級ランナー。もちろん、普段のジョグや通勤ランにも十分対応できます。
進化したミッドソール「PEBA配合FuelCellフォーム」
レベルv4の最大の進化ポイントは、このミッドソールにあります。
従来のFuelCellフォームにPEBA素材をブレンドすることで、柔らかさと弾むような反発力を両立。
着地時にはしっかりクッション性を感じつつ、蹴り出しでスッと前に押し出してくれるような感覚があります。
このPEBA素材は、カーボンプレート搭載モデルにも採用される高反発素材。
そのため、カーボンなしでも十分にスピードを出せるほどの反応の良さを実現しています。
ニューバランス公式も「推進力と軽量性の両立を目指したミッドソール」と説明しており、これまでのRebelシリーズよりもワンランク上の走りを体感できます。
ヒールから前足部への“転がるような”ライド感も特徴。着地から蹴り出しまでの流れが自然で、ピッチ走法にもストライド走法にも対応しやすい設計です。
改良されたアッパーのフィット感と通気性
アッパーには、軽量で通気性の高いエンジニアードメッシュを採用。
さらに「FantomFit構造」により、足を包み込むようなフィット感を実現しています。
前足部は広めに設計され、従来モデルで指先が詰まる感覚があったランナーからも「解放感が増した」と好評。
一方で、サポート性を損なわないよう、中足部から踵にかけては適度なホールド感を持たせています。
ソックスを履かずに使うとややメッシュの感触を感じることもありますが、軽量化の恩恵は大きく、長時間履いても蒸れにくい設計。夏場の練習にもぴったりです。
実際の履き心地と走行フィール
履いた瞬間に感じるのは、足全体を包み込むような柔らかさと安定感。
FuelCellフォーム特有のふわっとしたクッションに、PEBAの弾むような反発が加わり、軽快でスムーズな足運びをサポートします。
ジョグでは柔らかく快適、テンポ走では反発がしっかり効いてペースを上げやすい。
「ゆっくり走っても心地よい」「スピードを上げてもバランスが崩れない」といったレビューも多く見られます。
特に前足部のクッションがうまく機能しており、自然に前へと転がる感覚が得られます。
地面を掴むような接地感ではなく、あくまで軽やかに「弾む」イメージ。疲労の蓄積を抑えつつ、長く走っても脚に優しい感覚です。
反発と安定のバランスが秀逸
カーボンプレート非搭載ながら、スピード走行に必要な反発感がしっかりあるのがこのモデルの強み。
前足部のFuelCellフォームがしなやかに変形し、蹴り出しを後押ししてくれます。
また、アウトソールの接地面積を広く取ることで、着地の安定性が向上。
前作で指摘された「フラつき感」「左右のバランス感の弱さ」も改善され、スピード練習でも安心して踏み込めます。
「軽いのにブレない」「スピードを出しても足が安定している」といった感想が多く、扱いやすさとスピード性能の両立が際立っています。
日常のジョグにも使える万能モデル
Rebel v4は、トレーニング専用というより“オールラウンダー”な性格を持っています。
ゆっくりしたペースのジョグでも足に優しく、5km〜10kmのテンポ走でも十分に対応可能。
クッションが効いているので、疲労抜きランにも活用できます。
「ペースを上げたいときに応えてくれるが、無理にスピードを出さなくても気持ちいい」
そんな声も多く、1足でさまざまな練習メニューをこなせる汎用性の高さが人気の理由です。
さらにデザイン性も高く、街履きとしても違和感のないスタイル。
軽量で長時間歩いても疲れにくいため、ランニング以外でも活躍するでしょう。
前モデルとの違いと進化ポイント
v3からv4への進化点を挙げると、次の3つが大きなポイントです。
- ミッドソールの素材改良(PEBA配合)による反発強化
- アッパー構造の見直しによるフィット感アップ
- 接地面積の拡大による安定性向上
これにより、v3ではやや柔らかすぎてスピード域で不安定だった印象が、v4ではバランスの取れた走り心地に。
「速く走れるけど扱いやすい」この特性が、幅広いランナー層に支持されています。
一方で、プレート搭載シューズのような強い反発を求める人には少し物足りないかもしれません。
ただ、その分脚への負担は少なく、日常練習用として長く使える耐久性があります。
サイズ感とフィッティングの注意点
サイズ感については、標準的またはやや広め。
普段のニューバランスシューズと同じサイズで問題ないという声が多い一方、「0.5サイズ上げてちょうどよかった」というレビューもあります。
足幅が広い人や厚手のソックスを履く人は、ハーフサイズアップを検討してもよいでしょう。
アッパーが柔らかいため、長距離を走っても締め付け感が少なく快適。
しかし、薄手メッシュゆえにアッパーの耐久性はやや控えめ。トラックや舗装路中心の使用が理想的です。
どんなランナーにおすすめか
FuelCell Rebel v4は、次のようなランナーに特におすすめです。
- カーボンなしで軽く反発を感じたい人
- 普段のトレーニングからテンポ走まで1足でこなしたい人
- 柔らかすぎず硬すぎないクッションを好む人
- フルマラソンよりも短めの距離でスピードを出したい人
サブ3〜サブ5を狙う中級者のトレーニングシューズとしても、初級者の“次の1足”としても扱いやすいモデルです。
「攻めすぎないスピードシューズ」として、ランニングライフを広げてくれる存在といえます。
ニューバランス フューエル セル レベル v4のまとめ
FuelCell Rebel v4は、軽さ・反発・安定性のバランスが取れた万能型ランニングシューズ。
PEBA配合のFuelCellフォームによって進化した反発力と、改良されたアッパーのフィット感が高い評価を受けています。
日常のジョグからスピード練習まで幅広く対応し、軽快でスムーズなライド感が魅力。
扱いやすく、足に優しい反発シューズを探している人にはまさに理想的な一足です。
デザインも洗練されており、街履きにもぴったり。
ニューバランスらしい履き心地とFuelCellフォームの爽快な反発を両立したこのモデルは、これからのランニングをより楽しくしてくれる存在となるでしょう。


