ランニングシューズ選びに迷ったとき、軽さや反発性、そして履き心地のバランスは大きな判断材料になりますよね。今回は、ニューバランスの人気シリーズ「FuelCell(フューエルセル)」の中でも、プレート入り入門モデルとして注目を集める**ニューバランス フューエルセル プロペル v5**を徹底レビューします。前作との違い、実際の履き心地、どんなランナーにおすすめなのかを詳しく紹介していきます。
フューエルセル プロペル v5とは?安定性と反発の“ちょうどいい”関係
ニューバランスの「FuelCell」シリーズは、反発力と推進力をテーマにしたランニングシューズライン。その中でプロペルは、“毎日履けるプレート入り”として位置づけられています。
最新作となるFuelCell Propel v5は、2024年に登場した第5世代モデル。安定性と反発性を両立した設計で、トレーニングからテンポ走、長距離まで幅広く対応できるのが特徴です。
前作ニューバランス フューエルセル プロペル v4で採用されたTPUプレートを継承しつつ、ミッドソールの素材やアッパーの構造を刷新。カーボンプレートほどの強い反発ではなく、「しなやかに押し出す感覚」が得られると話題になっています。
ミッドソールとプレート構造:柔らかく弾むFuelCellフォーム
履いた瞬間に感じるのは、FuelCellフォーム特有の柔らかいクッション感。足が沈み込みすぎず、反発力が自然に返ってくる印象です。
新設計のミッドソールは、v4よりもわずかにソフトになり、レスポンスが向上。蹴り出すたびに弾むような感覚が得られ、テンポよく走り続けられます。
TPUプレートは、金属のような硬さではなく「柔らかくしなるタイプ」。そのため、脚や関節への負担が少なく、膝に不安があるランナーでも安心して使用できます。特にフォアフット着地や中足部着地のランナーからの評価が高いモデルです。
アッパーとフィット感:通気性が改善され、快適な履き心地へ
前作でやや課題とされた通気性とホールド感は、v5で明確に改善されています。
新しいエンジニアードメッシュアッパーは軽量で柔らかく、足を包み込むようなフィット感。夏場のランでも蒸れにくく、長距離を走っても快適さが持続します。
また、前足部の形状も微調整され、指先に少し余裕が生まれました。足指で地面をつかむような感覚が得られるため、蹴り出しの安定感もアップしています。
サイズ感は「標準的」とのレビューが多く、普段のニューバランスサイズを選べばほぼ問題ないでしょう。
軽量化されたボディ:前作より約15gの軽量化を実現
Propel v4では27cmで約280gと、トレーニングモデルとしては平均的な重さでした。v5ではミッドソール素材の改良により、同サイズで約265gへと軽量化。
数字上の違いは小さいように見えても、実際に走ると足の運びがスムーズになり、疲労の蓄積が軽減されるのを感じます。
加えて、重心がより前方寄りに設計されており、自然と前へ進む感覚を得やすいのも特徴。ペースを上げたいときや、テンポ走を行う際に特に力を発揮します。
実際の履き心地レビュー:マイルドな反発がクセになる
実際に履いたランナーからは、「プレートの存在を意識しすぎず自然に走れる」という声が多く見られます。
カーボンプレートモデルのような強烈な反発ではなく、マイルドで滑らかな推進力。膝や足首への負担が少ないため、毎日のトレーニングに取り入れやすいです。
テンポ走では、キロ5分前後のペースが心地よく、フォームを崩さずにリズム良く走れる印象。
ジョグではクッション性を感じ、長距離では安定した着地が続くなど、使い分けの幅が広いのも魅力です。
前作FuelCell Propel v4との違いを比較
Propel v4からv5への進化は、細部のブラッシュアップにあります。
- ミッドソールの反発力アップ:v4よりソフトで、弾むような感覚が増した。
- アッパーの改良:通気性が良く、指先の自由度が向上。
- 軽量化:約15gの減量で、より軽快な走りへ。
一方で、プレートの構造やミッドソール素材の基本コンセプトは継承されているため、v4からの買い替えでも違和感なく移行できます。
「強化された万能型」として、トレーニングからレース前の調整ランまで対応できるようになりました。
注意点と弱点:ヒール着地ランナーはやや不向き
万能型とはいえ、すべてのランナーに完璧にフィットするわけではありません。
特に、ヒールストライク(踵着地)の走り方をするランナーにはやや不向き。TPUプレートの反発特性が前足部寄りに効くため、踵からの着地では推進力を十分に得にくい傾向があります。
また、アウトソールの溝が深いため、小石を挟みやすいというレビューも。舗装路メインで走る場合は問題ありませんが、砂利道では注意が必要です。
どんなランナーにおすすめか?
FuelCell Propel v5は、次のようなランナーに特におすすめです。
- カーボンプレートシューズはまだ早いと感じるランナー
- 日常のジョグやテンポ走を1足でこなしたい人
- ソフトなクッションと自然な反発を求める人
- 関節や膝への負担を抑えたい人
「初めてのプレート入りランニングシューズ」として選ばれることも多く、価格も比較的抑えられているため、コストパフォーマンスを重視する方にも向いています。
実際の使用シーン:日常ランからロング走まで活躍
Propel v5の魅力は、トレーニング用途の広さです。
柔らかさと反発のバランスが絶妙で、ジョグからペース走、長距離ランまで違和感なく使えます。長時間履いても疲れにくく、リカバリーランにも最適です。
また、シンプルで洗練されたデザインは普段履きとしても人気。スポーティすぎず、街中でも自然に馴染みます。ランニング後の移動にもそのまま履いていられる“使い勝手の良さ”も見逃せません。
まとめ:ニューバランス フューエルセル プロペル v5の総評
**ニューバランス フューエルセル プロペル v5**は、「反発性と安定性」「柔らかさと軽さ」を高いレベルで両立した万能モデルです。
プレート入りの恩恵を受けながらも、脚にやさしい履き心地で、日常使いにも適した仕上がり。前作からの改良点も的確で、初めてFuelCellシリーズを試す人にもおすすめできます。
カーボンプレートほどの爆発的な反発を求める方には物足りないかもしれませんが、自然な推進力で「気持ちよく走れる」ことを重視するランナーにはぴったり。
毎日のトレーニングを少し軽やかに、そして快適にしてくれるシューズです。
最後にもう一度──**ニューバランス フューエルセル プロペル v5**は、ランニングを楽しみながらレベルアップしたいすべてのランナーに、自信を持っておすすめできる一足です。


