スニーカーを買うとき、「なんとなくサイズで選んでいる」という人は多いかもしれません。けれど実際には、同じサイズでもモデルによって履き心地がまるで違うことがあります。
そんな“ぴったり合う一足”を見つけるための専門家が、ニューバランスに在籍する「シューフィッター」です。ここでは、彼らがどのように靴を選び、どんな視点で“フィット”を見極めているのかを紹介します。
シューフィッターとは？ニューバランスのプロが持つ資格
まず知っておきたいのが、「シューフィッター」という資格の存在です。これは、一般社団法人「足と靴と健康協議会（FHA）」が認定するもので、足の構造や靴のフィッティングに関する専門知識を持つ人に与えられます。
資格には段階があり、「プライマリー」「バチェラー」「マスター」とレベルが分かれています。取得には講習や実技、数十人分の足型計測の提出などが必要で、まさに“足のプロフェッショナル”といえる存在です。
ニューバランスでは、直営店の多くにこのシューフィッターが在籍しています。店頭の案内には「シューフィッター在籍店舗」と明記され、希望すれば資格を持つスタッフが直接フィッティングを行ってくれます。
つまり、ニューバランスの店舗でスニーカーを選ぶときは、専門家に「足の測定から履き方まで」トータルで見てもらえるというわけです。
ニューバランスのフィッティングサービスの流れ
ニューバランスの店舗では、単なる試着にとどまらないフィッティング体験が用意されています。代表的な流れは以下のようなものです。
- ヒアリング
まずは「どんな場面で履くのか」「どんな悩みがあるか」を確認。通勤用なのか、ランニング用なのかによって提案されるモデルは大きく変わります。 - 3Dスキャンによる足の計測
ニューバランス店舗では、最新の3Dスキャナーで足長・足囲（幅）・甲高・アーチの形状まで立体的に測定します。 - サイズ・ウィズの提案
計測データをもとに、スタッフが「長さ×幅（ウィズ）」の両方から最適なサイズを選定。ニューバランスは“D・2E・4E”などウィズ展開が豊富で、細め・広めのどちらにも対応できます。 - 試着・歩行チェック
実際に歩いて、かかとが浮かないか、つま先に余裕があるか、横幅に圧迫感がないかを確認します。立った状態だけでは分からないフィット感を、歩行時に見極めるのがポイントです。 - 履き方・インソールの調整
靴紐の締め方やインソールの入れ替えで、履き心地は大きく変わります。必要に応じてその場で微調整してもらえます。
こうしたプロセスを経ることで、自分の足に合うスニーカーを科学的に見つけることができるのです。
なぜ「合う靴」を選ぶことが大切なのか
「少しくらい大きくても大丈夫」「きついけどそのうち伸びるだろう」――そんな選び方をしていませんか？
実はこの“なんとなく選び”が、足のトラブルの原因になります。
足に合っていない靴を履き続けると、外反母趾、魚の目、足底の痛み、膝や腰への負担など、さまざまな不調につながります。反対に、フィットした靴を履けば、歩行の姿勢が安定し、疲れにくく、靴自体も長持ちします。
シューフィッターは「履き心地の快適さ＝健康の基盤」と考えています。だからこそ、ニューバランスでは“フィット”をブランド哲学の中心に置き、創業以来こだわり続けているのです。
プロが見る「足と靴」のチェックポイント
シューフィッターがフィッティングで重視するポイントは実に多角的です。
大まかに分けると、以下のような観点で足と靴を見ています。
- 足長と足囲（ウィズ）：長さだけでなく幅も測定。日本人は幅広・甲高タイプが多く、標準ウィズでは窮屈に感じる人もいます。
- アーチの高さ：偏平足やハイアーチなど、土踏まずの形で靴の選び方が変わります。
- かかとのホールド感：歩いたときにかかとが浮く靴はNG。しっかりホールドされていることが大切です。
- 歩行時の安定性：実際に歩いて、前足部に負担がないか、左右のブレがないかを確認します。
- インソールとの相性：足裏のサポートを補うインソールの提案も行われます。
これらを丁寧にチェックすることで、「数字上のサイズではなく、実際に気持ちよく履ける一足」を導き出すのです。
自分に合うスニーカーを見つけるための5つのコツ
ここからは、シューフィッターが教える“自分に合う靴”を選ぶための実践ポイントです。
- 用途を明確にする
仕事用・通学用・ランニング用など、使う場面によって必要な機能が変わります。目的を伝えることで、最適なモデルを提案してもらえます。 - 正確な足のサイズを知る
足長だけでなく、幅（ウィズ）や甲の高さも測定すること。3Dスキャンができる店舗なら数値で可視化されます。 - 複数のサイズ・モデルを試す
同じサイズでも、モデルによってラスト（靴型）が違います。かかとの浮きや指先の余裕などを歩きながら確認しましょう。 - 靴紐と履き方を意識する
紐を結ばずに履くと、靴の中で足が動きやすくなり、靴ずれや疲労の原因になります。シューフィッターは締め方のコツも教えてくれます。 - インソールとメンテナンスも大切に
インソールを外して乾かす、定期的に汚れを拭き取るだけで、靴の寿命が格段に伸びます。清潔に保つことは快適な履き心地にも直結します。
ニューバランスの“フィット”哲学と他ブランドとの違い
ニューバランスの特徴は、何よりも「ウィズ展開の多さ」と「ラストの精密さ」にあります。
たとえば一般的なスニーカーブランドでは、同じサイズでも幅のバリエーションはほとんどありません。しかしニューバランスでは、細めから幅広まで複数のウィズを用意し、同じ24.5cmでもD・2E・4Eなど履き比べが可能です。
さらに、モデルごとに異なるラスト（木型）を使い分けています。ランニング向けには軽量でホールド感の高い形、ライフスタイル向けには快適でややゆとりある形など、目的別に最適化されているのです。
このような精密な設計こそが、シューフィッターによる提案を最大限に活かせる理由といえるでしょう。
シューフィッターに相談するメリットと店舗活用のコツ
「自分で選ぶのが難しい」と感じたら、迷わずシューフィッターに相談するのがおすすめです。
特にニューバランスの直営店では、シューフィッターが常駐しており、来店時に希望を伝えるだけで専門的なサポートが受けられます。
相談前には、以下を整理しておくとスムーズです。
- 普段履いている靴のサイズと気になる点
- 使用目的（通勤・運動・旅行など）
- 足の悩み（外反母趾・扁平足・むくみなど）
- よく履く時間帯や環境（長時間歩く・立ち仕事など）
店舗によっては予約制の場合もあるため、公式サイトの「店舗検索」で“シューフィッター在籍”マークを確認しておくと安心です。
フィッティング後のメンテナンスと長く履くための習慣
せっかく自分に合うスニーカーを見つけたら、その状態を保つことも大切です。
履いた後はインソールを外して乾燥させ、湿気を防ぎましょう。靴紐は毎回結び直し、脱ぎ履きを丁寧に。汚れはウェットシートなどで軽く拭くだけでも十分です。
定期的にインソールのへたりをチェックし、必要なら交換するのもポイント。これだけで履き心地が復活することもあります。
ニューバランス シューフィッターに聞く、自分に合うスニーカー選びの極意
スニーカー選びで迷ったら、「サイズ」だけでなく「足に合っているか」を見つめ直してみてください。
ニューバランスのシューフィッターは、足の形をデータで測り、歩行やライフスタイルまで考慮して、あなたにぴったりの一足を提案してくれます。
合う靴に出会えた瞬間、足取りは軽くなり、歩くことそのものが楽しくなります。
今日の一歩を、あなたの足に本当に合うニューバランスのスニーカーで踏み出してみませんか。
