「装具をつけていると、合う靴がなかなか見つからない」
そんな悩みを抱える方は少なくありません。
足に装具を装着すると、普通の靴では窮屈だったり、痛みが出たり、脱ぎ履きが大変になったりします。そこで注目されているのが、ニューバランスの装具対応靴です。もともと矯正靴メーカーとして誕生したニューバランスは、足の健康を考えた靴づくりに定評があります。今回は、装具ユーザーでも安心して履ける理由や、オーダーメイドのように自分の足に合わせられる魅力を紹介します。
装具対応靴が必要な理由
装具を使う人の足は、形や可動域、厚みなどが一般的な靴とは異なります。そのため、以下のような条件を満たす靴が求められます。
- 横幅と高さに余裕があること
足底装具やインソールを入れても圧迫しないように、靴の内部空間が広いことが大切です。ニューバランスは「D」「2E」「4E」「6E」など幅展開が豊富で、装具を入れてもきちんと収まるサイズを選びやすいのが特徴です。 - 中敷きが取り外せる構造
装具を靴に入れる場合、既存のインソールを外してスペースを確保する必要があります。ニューバランスの多くのモデルは中敷きが簡単に外せる仕様になっており、装具やカスタムインソールとの相性も良好です。 - 着脱がしやすいこと
装具を装着した足は可動域が限られるため、履き口が広く開くデザインが理想的。マジックテープやジッパー付きのモデルも増えており、手を使わずに履けるタイプもあります。 - 安定性とクッション性の両立
装具を装着していると、歩行時の荷重バランスが偏ることがあります。ニューバランスは「アーチサポート構造」や「安定したソール設計」によって、歩行時のブレを抑えながら衝撃も和らげてくれます。
こうした要素を兼ね備えた靴こそ、装具と足を守る“第三の支え”となるのです。
ニューバランスはなぜ装具対応靴に向いているのか
ニューバランスが多くの装具利用者に選ばれている理由は、単なる履き心地の良さではありません。その背景には、ブランドの原点ともいえる「医療的な靴づくり」があります。
1. 矯正靴メーカーとしてのルーツ
ニューバランスは1906年にボストンで創業。創業当初は「足のアーチを支えるインソール」を開発する矯正靴メーカーでした。このアーチサポート技術こそ、今の履き心地の基礎です。装具を使用する方にとっても、足底から支える構造は非常に相性が良く、長時間の立位や歩行でも負担が軽減されます。
2. 幅広いワイズ展開
「足に合う靴がない」と感じる理由の多くは、長さではなく“幅”の問題です。ニューバランスは一般的な靴よりも細かくワイズ展開を行い、極細(A)から超幅広(6E)まで用意されています。装具で厚みが増した足でも、圧迫感を抑えてフィットさせることができます。
3. インソール交換とカスタマイズ性
ニューバランスのウォーキングモデルやランニングモデルには「Ortholite(オーソライト)」「Fresh Foam」「Memory Sole Comfort Insert」などのインソール技術が使われています。これらは簡単に取り外せるため、医療用装具や特注インソールとの入れ替えが可能です。装具+靴のバランスを整えることで、より安定した歩行が実現します。
4. 安定性と軽量性のバランス
ニューバランスのミッドソールには軽量で弾力性のある素材「Fresh Foam」や「REVlite」が採用されており、クッション性を保ちながら体重移動をスムーズにします。装具をつけて歩くときにありがちな「重心のズレ」「足裏の疲労」を防ぐ工夫が随所に盛り込まれています。
医療・リハビリ向け「ケアフィットシリーズ」
ニューバランスには、一般モデルとは別に医療・福祉用途を想定したケアフィットシリーズが存在します。これは装具をつけた足にも対応できるように、ラスト(靴型)から専用設計された特別なラインです。
ケアフィットシリーズの特徴は以下の通りです。
- 足底装具との併用を前提にした内部構造
- かかとから土踏まずにかけてのホールド力
- 中敷きの調整・取り外しが可能
- 履き口が広く、マジックベルト仕様で着脱が簡単
医療・リハビリ現場でも推奨されており、片足装具の利用者や高齢者にも人気です。特に「左右で装具の有無が違う」という場合でも、片足販売に対応している店舗もあります。
オーダーメイドのようにフィットする理由
ニューバランスの魅力は、既製品でありながら“セミオーダー”に近い調整ができる点にあります。以下のように、自分仕様に近づける工夫が可能です。
- ワイズ・サイズを細かく選べる
長さだけでなく足幅・甲の高さに合わせて選ぶことで、装具の厚みや形状にも対応できます。 - 中敷きで高さを調整できる
ニューバランスの靴は中敷きが複数層で構成されているモデルもあり、取り外すことで装具が入るスペースを確保できます。 - 専門スタッフによるフィッティング
直営店や一部販売店では、足型計測や歩行分析をもとに最適なサイズ・モデルを提案してくれます。装具を装着した状態で計測してもらうことで、より正確なフィットを実現できます。
このようなプロセスを踏むと、まるで自分の足のために作られたような快適さが得られるのです。
装具対応におすすめのニューバランスモデル
装具を併用しても履きやすいと評価されている代表的なモデルを紹介します。どれも幅広設計で、インソール交換がしやすいタイプです。
- MW880 v6 Fresh Foam
幅広設計で安定感が高く、ウォーキングや通勤に最適。柔らかなクッションと軽さが魅力。 - Fresh Foam 880 v7
長時間歩いても疲れにくい、柔らかいソールと広めのトゥボックスが特徴。装具を入れても窮屈になりにくい。 - Fresh Foam X 860 v14
最新のランニングテクノロジーを採用し、安定性と反発力を両立。歩行補助や足の疲労軽減にも効果的。 - Fresh Foam 1880 v1
ソールが厚めで衝撃吸収力が高いモデル。リハビリや立ち仕事にも適しています。
これらのモデルは、あくまで一般販売の範囲にある靴ですが、装具を併用する方が「履きやすい」「足が楽」と感じるケースが多く報告されています。
装具と靴を合わせるときの注意点
装具対応靴を選ぶときは、いくつかのポイントに注意する必要があります。
- 装具を装着した状態で試し履きをする
裸足や靴下だけでサイズを選ぶと、装具装着時に窮屈になります。必ず実際に装具をつけたまま履き、足指が動かせる余裕があるか確認しましょう。 - インソールを外してスペースを確保する
既存の中敷きを残したまま装具を入れると、足が浮いて不安定になります。必要に応じて取り外し、靴底との一体感を調整します。 - 靴のかかとが装具の形状に干渉しないか確認する
装具の硬い部分が靴の内側と擦れていると、靴が早く傷むだけでなく、皮膚にも負担がかかります。実際に歩いてみて違和感を確認してください。 - 専門家に相談する
義肢装具士や靴専門スタッフに相談することで、足の状態に合ったモデルを提案してもらえます。自己判断で購入するよりも確実です。
装具対応靴としてのニューバランスの魅力
ニューバランスの装具対応靴が選ばれる理由をまとめると、以下の3点に集約されます。
- 幅広サイズと柔軟なフィッティング性
- 装具やインソールとの高い互換性
- アーチサポートによる足全体の安定感
さらに、「ケアフィットシリーズ」のような医療向けモデルも存在し、日常生活からリハビリシーンまで対応可能です。
一般のスニーカーとして見た目も自然で、装具利用者が“特別な靴”を履いているという意識を持たずにいられるのも大きな魅力でしょう。
ニューバランスの装具対応靴で、足に寄り添う一足を
装具をつけていても、おしゃれで快適な靴を諦める必要はありません。
ニューバランスの装具対応靴は、医療的な配慮と日常使いのデザイン性を両立した数少ないブランドです。
幅広設計・インソール交換・高い安定性といった特徴が、装具ユーザーの足を優しく支えてくれます。
自分の足と装具に合う靴を選ぶことは、快適な生活を送る第一歩。
店舗でのフィッティングや専門家のアドバイスを受けながら、あなただけの一足を見つけてみてください。
装具をつけても、自分らしく歩ける靴――それがニューバランスの装具対応靴の魅力です。


