長く履き続けてきたニューバランスのスニーカー。ソールがすり減ったり、履き口が破れたりしても、「もう少し履きたい」と思う人は多いはずです。そんなときに頼れるのが、ニューバランス公式のリペアサービス。この記事では、修理できる内容や依頼の流れ、注意点までをわかりやすく紹介します。
ニューバランスが公式に行う「リペアサービス」とは?
ニューバランスのリペアサービスは、同ブランドが公式に提供する有償修理のこと。対象となるモデルに対して、純正部材を使いソール全体を交換する「オールソール交換修理」を中心に行っています。
靴底のすり減りや、加水分解によるミッドソールの劣化など、「履けなくなったけれど愛着のある一足」を再び履ける状態に戻すためのサービスです。ブランドとして“長く履いてもらうこと”を大切にしている姿勢が、このサービスからも感じ取れます。
ただし、すべてのモデルが対象というわけではなく、修理用の部材が確保されている一部の品番に限定されています。USA製やUK製の定番モデル(M996、M1400、M576など)は対応実績があるとされますが、アジア製モデルや限定コラボモデルでは対応できないこともあります。
修理の主な内容と料金目安
リペアサービスで行われる代表的な修理は「オールソール交換」。ミッドソールやアウトソールを含むソールユニットを新品同様に交換し、クッション性や履き心地を回復させるものです。
さらに、履き口の内側(ライニング)が破れている場合には「ライニング交換修理」もセットで依頼できます。過去の利用者によると、オールソール交換は約12,000〜13,000円、オールソール+ライニング交換で約18,000円ほど。修理期間はおおよそ2〜3か月を見ておくとよいでしょう。
このように、決して格安ではありませんが、純正パーツを使ってブランドの品質を保ったまま蘇らせられるのが公式リペアならではの魅力です。
依頼の流れ:電話での申し込みから返送まで
ニューバランスのリペアサービスは、公式オンラインショップなどから直接申し込むことはできません。手順は以下のようになります。
- 電話で問い合わせる
まず、ニューバランスの「お客様相談室」または「リペアサービス事務局」に電話します。メールでは受け付けていないため、必ず電話で問い合わせましょう。電話口でモデル名(型番)や状態を伝えると、修理可否を確認してもらえます。 - 必要書類を受け取る
修理可能と判断された場合、必要な申込書類が郵送で届きます。依頼内容や住所などを記入し、シューズと一緒に返送します。 - 靴を発送する
スニーカーを丁寧に梱包して指定先へ発送します。梱包材は自分で用意する必要があります。修理後の返送は代金引換で行われることが多く、費用は納品時に支払います。 - 修理完了・返送
修理が完了すると、事務局から電話連絡があり、希望日時に返送してもらえます。仕上がりは新品のように美しく、履き心地も復活したという声が多く聞かれます。
全体の流れとしては、問い合わせから返送まで約2〜3か月。職人による丁寧な作業が行われるため、余裕を持って依頼するのがポイントです。
リペア対象モデルの確認方法
公式サービスは“全モデル対応”ではない点に注意が必要です。対応可否を判断するには、まずスニーカーの「品番」と「製造国」を確認します。これらはシューズのタン(ベロ)裏などに記載されています。
対応しやすいのは以下のようなモデルです。
- Made in USA シリーズ(例:M996、M1400など)
高品質な素材と構造で、純正部材のストックも比較的多い。 - Made in UK シリーズ(例:M576など)
UK製専用のソールユニットを使用しており、リペア実績あり。
一方、以下のようなケースでは修理が難しい場合があります。
- アジア製の大量生産モデル
- コラボレーションや限定仕様で特殊素材を使ったモデル
- 製造から長期間経過し、部材供給が終了しているもの
判断が難しい場合は、まず電話で確認しましょう。オペレーターがモデル名や状態をもとに、修理可能かどうかを丁寧に案内してくれます。
一般修理店との違い
街の靴修理店でもニューバランスの修理を請け負っているところがあります。特に「ヴィブラムソール」など別メーカーのパーツを使って再生する例もあり、価格帯も10,000〜13,000円前後と公式サービスに近い水準です。
ただし、公式サービスとの大きな違いは「純正パーツを使えるかどうか」。一般修理店では、デザインや素材が近いパーツを使用することが多く、完全に同じソールにはなりません。また、ブランドとしての保証や品質基準の面では、公式のほうが安心感があります。
逆に、公式サービスでは対応できないモデルを直したい場合や、より短期間で仕上げたい場合には、一般修理店を検討するのも一つの手です。
修理前に確認しておきたいポイント
リペアサービスを利用する前に、いくつかのポイントをチェックしておくと安心です。
- 修理したい部分を明確にする
ソール交換だけなのか、ライニング補修も必要なのかを整理します。 - 状態の写真を残す
発送前に靴の状態を撮影しておくと、仕上がりを比較できます。 - 修理費用と買い替え費用を比較する
修理費用が2万円前後の場合、新品を買うほうが合理的な場合もあります。 - 期間に余裕を持つ
2〜3か月かかるため、履く予定のある時期を避けて依頼しましょう。
この事前準備をしておくことで、トラブルや後悔を防げます。
サステナブルな選択としてのリペア
ニューバランスは、製品を「長く使うこと」を推奨しています。実際、同社は日本国内で年間約3,500足のシューズを修理し、再び履ける状態に戻していると発表しています。これは、廃棄を減らし環境負荷を軽減する取り組みの一環でもあります。
ファッション業界では「リユース」や「リペア」が重要なキーワードになっています。お気に入りのスニーカーを修理して使い続けることは、サステナブルな消費行動そのもの。ニューバランスのリペアサービスを利用することは、単なる修理を超えたエシカルな選択といえるでしょう。
実際の利用者の声
利用者からは「新品のように蘇った」「履き口が綺麗になって感動した」「公式だから安心して任せられた」といった肯定的な声が多く見られます。一方で、「思ったより料金が高い」「仕上がりまで時間がかかる」という意見もあります。
それでも、「思い入れのある一足をもう一度履ける喜び」を感じる人が多く、価格や期間を上回る満足感を得られたというレビューが目立ちます。
ニューバランスのリペアサービスを賢く使うコツ
リペアを成功させるコツは、「状態が悪化しすぎる前に依頼する」こと。ソールの剥がれやミッドソールの崩壊が進みすぎると、修理対応が難しくなる場合があります。履き口の破れやソールのひび割れが見つかった段階で、早めに相談しておくのが理想です。
また、限定モデルや海外購入モデルの場合は、部材在庫の有無を確認するだけでも価値があります。修理不可でも、一般修理店で代替対応できるケースもあるため、まずは電話で状況を共有しましょう。
ニューバランスのリペアサービスで、お気に入りの一足を長く大切に
ニューバランスのリペアサービスは、単なる修理ではなく、愛着のある一足を再び日常に戻すための特別なサポートです。
履き慣れたスニーカーだからこそ、替えのきかない価値があります。
もし、あなたの手元に「もう一度履きたいけどソールがダメになった」というニューバランスがあるなら、ぜひ一度公式サービスに相談してみてください。職人の手で蘇ったスニーカーを再び足元に感じる瞬間は、きっと格別です。
ニューバランスのリペアサービスを活用し、お気に入りのスニーカーをこれからも長く、大切に履き続けていきましょう。


