ニューバランスのスニーカーといえば、履き心地の良さやクラシックなデザインが魅力。でも近年、そんなニューバランスに「ミリタリーデザイン」という新しい流れが生まれています。無骨さと機能美が融合したこのスタイルは、ファッション感度の高い人たちの間で密かに注目を集めています。この記事では、ミリタリー調の限定モデルやコラボモデル、その背景にあるデザイン哲学まで、徹底的に掘り下げていきます。
ニューバランスが“ミリタリー”に惹かれる理由
ニューバランスは1906年にアメリカ・ボストンで誕生しました。もともとは整形外科向けのアーチサポートインソールを手がけていたブランドだけに、「機能性」に対するこだわりは他社と一線を画しています。
そんなニューバランスがミリタリーデザインを打ち出すのは、単なる流行追随ではありません。実際、同ブランドは米軍のトレーニングシューズを製造した実績もあるほど。つまり、ミリタリーデザインは“ルーツに近い本格派の延長線上”なのです。
ミリタリーの要素には、「耐久性」「機能性」「合理性」といったキーワードが詰まっています。これらは、ニューバランスが長年培ってきた靴づくりの哲学と驚くほど相性が良いのです。機能に裏打ちされたデザインが、結果としてファッション性を帯びる――それがニューバランス流のミリタリースタイルといえます。
ミリタリーテイストを象徴するカラーと素材
ニューバランスのミリタリーモデルといえば、まず目を引くのがその“カラーリング”。オリーブ、カーキ、タン、サンド、コヨーテ、ブラックといった、落ち着きのあるアーストーンが中心です。いずれも軍用ウェアやギアを想起させる色味で、無骨ながらもスタイリッシュな印象を与えます。
さらに、素材面にもこだわりが見られます。
スエードやメッシュ、リップストップナイロンといったミリタリー由来の生地を組み合わせ、タフさと快適さを両立。BEAMSなどとの別注モデルでは、GORE-TEXを採用した防水仕様の“アーバンミリタリー”タイプも登場しています。日常使いでも悪天候でも安心して履ける点は、まさに機能美の象徴です。
話題を集めたミリタリーデザインの代表モデルたち
ここからは、特に人気が高い“ミリタリーデザインのニューバランス”を紹介します。
1906Uシリーズ ― 現代ミリタリーデザインの旗手
近年のニューバランスを象徴する存在が「1906」シリーズ。なかでも「1906U」や「1906M」は、軍用トレーニングシューズを想起させる構造が特徴です。アッパーにはノーソー構造の“Fantom Fit”を採用し、軽量でサポート力のあるデザインに。ミリタリーグリーンやサンドトーンの配色が、タフで近未来的な印象を生み出しています。
特に「1906M Military-Issue」は“Military-Issue(軍用支給品)”を意識したネーミングで、発売前から話題になりました。無駄を省いたシルエットが武骨でありながらも、現代的な洗練さを感じさせます。
99Xシリーズ ― 伝統の“Made in USA”とミリタリーの融合
ニューバランスを代表するプレミアムライン「99X」シリーズも、過去にミリタリーカラーを採用した限定モデルを展開しています。2019年に登場した「Cross Model Pack」では、「997」、「998」、「999」といった名作にミリタリーテイストを融合。ブラック×オリーブ、グレー×タンなど、渋みのある配色が大きな反響を呼びました。
特に「992」や「990v6」などのモデルでは、オリーブグリーンやダークカモを纏ったバージョンが人気。ハイテクとクラシックの融合に、無骨さと上品さが同居しています。
BEAMS × New Balance ― 別注で生まれるミリタリーの遊び心
国内セレクトショップとの別注モデルも見逃せません。BEAMS別注のニューバランスは、ウッドランドカモから抽出したカラーを採用したり、左右で配色を変えたりと、“遊び心のあるミリタリー”を提案しています。さらに、シューレースを4色付属させるなど、カスタム感覚で楽しめる仕掛けも人気の理由です。
限定生産で即完売するケースも多く、ファッション感度の高い層にとって“所有欲をくすぐる特別な一足”となっています。
ミリタリーデザインが“おしゃれ”に見える理由
ミリタリーデザインのスニーカーが人気を集める理由は、単なる流行ではありません。
そこには、理にかなった機能美と、ファッションとしての説得力があるのです。
まず、ミリタリー由来のカラーはどんな服とも合わせやすい。カーキやオリーブといった色味は、デニムやチノ、モノトーンスタイルとも好相性。ミリタリージャケットやカーゴパンツと組み合わせれば、統一感のある無骨なコーデが完成します。
次に、“タフな印象”が魅力。スエードやリップストップ素材による重厚感が、スタイル全体を引き締めてくれます。
それでいて、履き心地はニューバランスらしく快適そのもの。つまり「ハードに見えてソフトに履ける」というギャップが、ファッション好きの心を掴んで離さないのです。
限定モデルの希少性と入手難易度
ミリタリーデザインのニューバランスは、多くが“限定生産”。公式オンラインショップや特定店舗でしか手に入らないケースも多く、発売直後に完売することもしばしばです。
BEAMSやN.HOOLYWOODなどとのコラボモデルは特に入手困難で、リセール市場でプレミア価格が付くこともあります。
そのため、気になるモデルが出たら、公式サイトのニュースリリースや各セレクトショップのSNSをチェックしておくのがおすすめ。抽選販売や先行予約が行われる場合もあるので、情報を逃さないことがポイントです。
スタイリングで映える!ミリタリーモデルの取り入れ方
ミリタリースニーカーを取り入れるときのコツは、“重く見せすぎないこと”。
カーキやオリーブ系のスニーカーは存在感が強いため、トップスやパンツはニュートラルなカラーでまとめるとバランスが取れます。
たとえば、
- 白T+デニム+ミリタリーモデル
- ベージュチノ+黒のスウェット+オリーブスニーカー
- ナイロンパンツ+MA-1+グレースニーカー
といった組み合わせなら、無骨さと軽快さを両立できます。
また、あえてフォーマルなスラックスに合わせて“外し”として使うのも上級者のテクニック。タウンユースでも違和感なく履けるのが、ニューバランスの強みです。
今後の注目モデルとトレンド動向
2025年以降も、ニューバランスはミリタリーテイストの流れを強めていくと予想されています。
「1906M Military-Issue」のように“Military-Issue”を冠するモデルの登場や、「1000 Dark Olivine」のような新色展開もその流れの一環です。
加えて、GORE-TEXやCORDURAナイロンといった高機能素材との組み合わせも増加傾向にあります。ファッションだけでなく、アウトドアや日常使いを意識した“耐久系ライフスタイルスニーカー”としての進化が期待されます。
まとめ:ニューバランスのミリタリーデザインで“機能美を履く”
ニューバランスのミリタリーデザインスニーカーは、見た目のかっこよさだけでなく、背景にある機能やストーリーまで楽しめるのが魅力。
オリーブやカーキといった渋いカラー、耐久性のある素材、限定性の高い別注モデル――どれをとっても、他にはない個性が光ります。
無骨でありながら上品、タフなのに快適。
そんな二面性こそが、ミリタリーデザインのニューバランスが多くの人に支持される理由です。
あなたも次の一足に、ミリタリーテイストのニューバランスを選んでみてはいかがでしょうか。ファッションの幅がぐっと広がるはずです。


