最近、ランニング界でじわじわと注目を集めているのが「ベアフットシューズ」。その中でも、ニューバランスのベアフットモデルが再び脚光を浴びています。厚底全盛の時代に、なぜ“裸足感覚”のシューズが人気を取り戻しているのか。ナチュラルランニング初心者にもおすすめできる理由を、わかりやすく解説します。
ベアフットシューズとは?裸足感覚で走るという発想
「ベアフット(Barefoot)」は直訳すると“裸足”。その名のとおり、ベアフットシューズは裸足で走る感覚を再現するために作られたランニングシューズです。
従来のランニングシューズは、衝撃を吸収するためにソールが厚く、かかとが高い「ドロップ(高低差)」のある構造が一般的でした。しかしベアフットシューズは、ソールを薄くし、かかととつま先の高低差をできるだけ小さく設計。地面の感覚を足裏で直接感じやすくすることで、足そのものの筋肉やバランス感覚を鍛える狙いがあります。
特に注目されるのが「ミッドフット着地」。かかとではなく足の中央で着地することで、衝撃を分散させ、膝や腰への負担を減らすとされています。これは自然な走り方に近く、“ナチュラルランニング”とも呼ばれます。
ニューバランスが再注目される理由:「Minimus Trail(MTM10)」シリーズの復活
ニューバランスは、早くからベアフットシューズ市場に参入していました。代表的なのが「Minimus Trail(MTM10)」シリーズです。
「Minimus Trail(MTM10)」や「MR10」などのモデルは、ドロップ4mmという薄底設計で、裸足に近い感覚を味わえるシューズとして人気を博しました。2024年には、このシリーズが再び復刻され、「New Balance Minimus is back.」というキャッチコピーで話題に。これが、ベアフットシューズ人気再燃の大きなきっかけになっています。
ニューバランスのベアフットシューズは、ただ“薄いだけ”ではありません。FuelCell(フューエルセル)などのクッション素材を採用し、適度な反発と保護性能を確保。足の動きを妨げない柔軟性と、接地感のリアルさを両立させています。
人気急上昇の背景:厚底から“足を使う走り”への揺り戻し
ここ数年、マラソン界では厚底・高反発シューズが主流になっていました。クッション性と反発力で速く走れる一方で、「シューズに頼りすぎて足が弱くなった」という声も。そんな流れのなかで、“自分の足の力で走る”スタイルが見直されているのです。
特にコロナ以降、健康志向の高まりとともに「正しく歩く」「足を鍛える」といった意識が広がりました。SNSでも「足の感覚を取り戻したい」「足裏で地面を感じたい」という声が増え、自然とベアフット系シューズに注目が集まっています。
ニューバランスのベアフットシューズは、見た目も軽快でミニマル。厚底シューズにはないスマートなデザイン性も、人気を後押ししています。
ナチュラルラン初心者にもおすすめの理由
「裸足感覚なんて、上級者向けでは?」と思うかもしれません。実は、ナチュラルラン初心者にもメリットがたくさんあります。
1. 足を“使う”感覚を取り戻せる
ベアフットシューズは、足裏や足指の筋肉を自然と使うよう設計されています。足裏のアーチを支える筋肉が鍛えられることで、姿勢の安定やバランス感覚が向上。普段の歩き方や立ち方にも良い影響を与えます。
2. 正しい着地を身につけやすい
厚底シューズではかかと着地になりがちですが、ベアフットでは自然とミッドフット着地を意識できます。足全体で衝撃を受け止めるため、膝や腰への負担が軽減し、フォームの改善にもつながります。
3. 足と体の一体感が増す
地面との距離が近い分、「足が地面をつかむ」ような感覚が得られます。レビューでも「地に足がついている感覚」「足を鍛え直すきっかけになった」という声が多く、ランニングだけでなくウォーキングにも好評です。
4. 段階的に慣らしやすい
ニューバランスのMinimus Trail(MTM10)シリーズは、完全な裸足ではなく“ほどよい保護”を備えた構造。ウォーキングや軽いジョグから始め、徐々に距離を伸ばすのに最適です。ベアフット初心者にとって“無理なく導入できる1足”といえるでしょう。
初心者が注意すべきポイント
ベアフットシューズは効果的な反面、いくつか気をつけたい点もあります。
- いきなり長距離を走らないこと
筋肉や腱が慣れていないうちは、足裏やふくらはぎに負担がかかりやすく、痛みや疲労を感じることがあります。最初は短い距離をゆっくり歩くことから始めましょう。 - サイズ選びは慎重に
足指が自然に動く余裕があり、かかとがしっかりフィットするサイズが理想です。ニューバランスはワイズ展開(幅)も豊富なので、試着して確かめるのがおすすめです。 - 路面に注意
薄底のため、硬いアスファルトや凹凸のある道では足裏への刺激が強くなります。最初は芝生やトラックなど、柔らかめの地面で慣らすのが安全です。
Minimusシリーズのおすすめモデル
ニューバランスのベアフットラインには、用途に応じたモデルがそろっています。
- Minimus Trail(MTM10)
トレイルランや不整地に対応。グリップ力と屈曲性を両立し、自然な走りをサポートします。ドロップ4mmの設計で、裸足感覚を味わいつつ安定感も確保。 - MR10
ロードランナー向けモデル。軽量で足との一体感が高く、ナチュラルなフォームづくりに最適。 - MR00
よりダイレクトな接地感を求める上級者向け。ドロップ0mm設計で、足裏全体で地面をとらえる走りを実現。
これらのモデルはいずれも軽量で、ジムトレーニングや普段履きとしても人気です。
ベアフットシューズで得られる新しい体験
ベアフットシューズを履くと、最初は「足の筋肉をこんなに使っているのか」と驚く人が多いです。足の指で地面をつかみ、足裏全体で体重を支える感覚。これまでシューズ任せだった“走る・歩く”という行為が、より主体的で自然なものに変わっていきます。
「地面を感じながら走る」ことは、単にトレーニング効果だけでなく、ランニングそのものの楽しさを再発見させてくれる体験でもあります。
ナチュラルラン初心者に伝えたいまとめ
ニューバランスのベアフットシューズは、ただの流行ではありません。足の本来の働きを引き出し、正しいフォームやバランスを整える“道具”として進化しています。
これからランニングを始めたい人、フォームを見直したい人、足を鍛えたい人。そんな人たちにこそ、ベアフットシューズはおすすめです。
最初は短い距離から。無理をせず、足と相談しながら少しずつ慣らしていく。その過程こそが、ナチュラルランニングの第一歩です。
ニューバランスのベアフットシューズで“自然な走り”を取り戻そう
ニューバランスのベアフットシューズは、ランニングを「鍛える時間」から「感じる時間」に変えてくれます。
足の感覚を取り戻し、フォームを整え、自分の体と向き合う。そのきっかけになる一足です。
厚底全盛の時代だからこそ、あえて“裸足に近い選択”をしてみるのも新鮮。
ニューバランスのベアフットシューズで、あなたの足本来の力をもう一度呼び覚ましてみませんか。


