ドクターマーチンのブーツやシューズを履いてみたとき、「なんだか痛い」「歩くと疲れる」と感じたことがある人は少なくないでしょう。SNSや口コミでも「履き心地が悪い」という声が目立ちますが、実際のところどうなのでしょうか。
この記事では、ドクターマーチンが「履き心地が悪い」と言われる原因を掘り下げ、快適に履きこなすための具体的な工夫まで徹底的に解説します。
履き心地が悪いと感じる人が多い理由
まず最初に押さえておきたいのは、「ドクターマーチンの履き心地が悪い」と感じる人がいるのは事実だということです。
ただし、その多くは“構造的な特徴”や“履き方の問題”が原因であり、靴自体の欠陥ではありません。
硬い革が足に馴染むまで時間がかかる
ドクターマーチンの最大の特徴は、分厚く頑丈なレザーアッパーと重厚なソール構造です。
耐久性が高く、長年愛用できる反面、購入直後は革が非常に硬く、足にフィットしない状態で履き始めることになります。
そのため、歩くたびに甲やかかと、指の付け根などが圧迫され、痛みを感じる人が多いのです。
「履き心地が悪い」と感じる最も大きな原因は、この“革の硬さ”と“馴染むまでの期間”にあります。
新品の状態では動きに追随しないため、数週間〜1か月ほどの“慣らし期間”が必要といわれています。
サイズ選びが難しく、フィッティングが合わない
ドクターマーチンはUK規格のサイズ展開で、ハーフサイズ(中間サイズ)がないモデルも多く存在します。
日本人の足型に完全に合わないこともあり、「少し大きい」「逆に小さい」といった悩みが生じやすいのです。
特に、足幅が広い人は横方向の圧迫感を感じやすく、細身の人はかかとが浮いて靴ずれになりがち。
また、つま先部分の革はほとんど伸びないため、初期段階で小さいサイズを選ぶと、後から痛みに悩まされるケースも少なくありません。
ソールが重く、長時間歩くと疲れやすい
ドクターマーチンのもう一つの特徴は、厚みのあるエアクッションソール。見た目のボリューム感が魅力ですが、一般的なスニーカーよりも重く、歩行時に足への負担を感じる人もいます。
特に慣れていない人が長時間歩くと、ふくらはぎや足の甲が疲れやすい傾向にあります。
この「重さ」が独特の安定感と存在感を生み出している一方で、「歩きにくい」「疲れる」といった印象につながりやすい要因になっています。
革が擦れて靴ずれしやすい
新品のドクターマーチンを履くと、かかとや足首、指の付け根などが擦れて痛くなるケースが多発します。
これは、硬い革が足の動きに馴染んでいないために起こる摩擦によるものです。
特にかかと部分の革は厚く、靴下が薄いと直に擦れて靴ずれができてしまうこともあります。
「履き心地が悪い=靴ずれしやすい」というイメージは、この構造上の特徴に由来するものです。
履き心地を快適にするための工夫
では、どうすればドクターマーチンを快適に履きこなせるのでしょうか。
ここでは、実際に多くのユーザーが効果を感じている方法を紹介します。
革を柔らかくするケアを行う
硬い革を少しでも早く足に馴染ませるためには、専用のケア用品を使うのが有効です。
代表的なのが、ドクターマーチン純正の「Wonder Balsam」などの保革クリーム。
革全体に塗り込むことで、繊維を柔らかくし、足への当たりを和らげることができます。
また、履く前に手で軽く揉んだり、新聞紙を詰めて形を整えることで、より自然に馴染ませられます。
革が柔らかくなると、圧迫感や靴ずれのリスクが大幅に軽減されます。
厚手の靴下で摩擦を軽減
履き慣らしの初期は、厚手の靴下を着用して摩擦を減らすのがおすすめです。
クッション性のある靴下を使えば、かかとや甲の痛みも軽減できます。
また、靴下の重ね履きをすると、革を少しずつ広げながら安全に慣らすことが可能です。
逆に、薄手の靴下で履くと摩擦がダイレクトに伝わり、痛みや靴ずれが悪化することもあります。
初期段階では「靴下で防御する」意識が大切です。
短時間ずつ履いて慣らす
新品のドクターマーチンをいきなり一日中履くのは避けましょう。
まずは自宅で10〜20分ほど履いて歩き、徐々に時間を延ばしていくのがコツです。
この“慣らし履き”を繰り返すことで、革が少しずつ足の形に沿って柔らかくなります。
最初の1〜2週間は「少し痛い」くらいでも、焦らず短時間で慣らすことが重要。
慣らしを経ることで、驚くほど快適な履き心地へ変わっていきます。
靴紐をしっかり締めてフィット感を高める
意外と見落とされがちなのが、靴紐の締め方です。
紐を緩めたまま履くと、靴の中で足が動き、摩擦が増えて痛みや靴ずれの原因になります。
甲や足首をしっかりホールドするように結ぶと、フィット感が増して疲れにくくなります。
また、ブーツタイプでは、上部のフック部分まできっちり締めることで安定性がアップします。
インソールやパッドを活用する
履き心地を調整するうえで、インソール(中敷き)を活用するのも効果的です。
市販のクッションインソールを入れることで、足裏の負担を軽減し、長時間歩いても疲れにくくなります。
また、かかとが浮く場合はヒールパッドを追加して安定感を出すのもおすすめです。
ドクターマーチン純正のインソールも販売されており、靴内でのフィット感を微調整したい人に最適です。
履き心地の悪さを防ぐためのポイント
快適に履くためには、購入段階からいくつか注意すべきポイントがあります。
サイズを慎重に選ぶ
試着時には、つま先が軽く動く余裕があるか、甲がきつすぎないかをチェックします。
新品の革はあまり伸びないため、「少し緩いかな」くらいがちょうど良い場合もあります。
特に女性や足幅の広い方は、ワンサイズ上を検討するのも一つの方法です。
また、オンラインで購入する場合は、返品・交換が可能なショップを選ぶと安心です。
用途に合わせたモデルを選ぶ
ドクターマーチンと一口にいっても、1460、1461、ジェイドン、タッセルローファーなど、モデルごとに履き心地や重さが異なります。
例えば、厚底タイプはスタイル重視ですが重く、クラシックモデルは軽く歩きやすい傾向があります。
自分の用途に合わせてモデルを選ぶことで、履き心地の満足度は大きく変わります。
定期的なメンテナンスで快適さをキープ
革靴は手入れを怠ると硬化し、再び痛みを感じるようになることがあります。
定期的にクリームを塗って保湿し、乾燥を防ぐことで柔らかさを維持できます。
履いた後は風通しの良い場所で乾かし、湿気を残さないことも重要です。
「履き心地が悪い」時期を越えれば、一生モノの快適さに変わる
多くの人が口をそろえて言うのは、「最初は痛いけれど、慣れたら最高に履きやすい」ということ。
ドクターマーチンは革が馴染んで自分の足の形にフィットすると、驚くほど快適になります。
履き込むほどに革が柔らかくなり、自分だけの靴に育っていく過程も魅力のひとつです。
痛みや違和感は“通過点”にすぎません。
適切なサイズ選びと丁寧な慣らし方を意識すれば、「履き心地が悪い」という印象は次第に薄れ、むしろ「これ以上の靴はない」と感じる人も多いのです。
ドクターマーチンの履き心地が悪いと感じたら、原因を知って正しく向き合おう
ドクターマーチンの履き心地が悪いと感じるのは、決して珍しいことではありません。
硬い革や重さ、サイズの問題など、いくつかの理由が重なって違和感が生まれます。
しかし、少しの工夫と時間をかけて馴染ませれば、唯一無二の快適さとスタイルが手に入ります。
「痛いからもう履かない」ではなく、「どうすれば自分の足に合うか」を知ることが、ドクターマーチンを楽しむ第一歩です。
履き心地が悪いと感じたときこそ、正しい知識とケアで“自分仕様の一足”に育てていきましょう。


