登山やハイキングを始めようと思ったとき、真っ先に揃えたいのがトレッキングシューズですよね。最近はネット通販でポチッと簡単に買える時代ですが、実は登山靴に限っては「店舗に足を運ぶこと」が、安全で快適な山歩きへの一番の近道なんです。
「ネットの方が安いし、わざわざお店に行くのは面倒だな」と感じる方もいるかもしれません。でも、山道で足が痛くなって歩けなくなる絶望感を想像してみてください。そうならないために、なぜ店舗でのフィッティングが重要なのか、そして失敗しないお店選びのポイントを深掘りして解説していきます。
なぜトレッキングシューズは店舗で購入すべきなのか
結論から言うと、トレッキングシューズは「サイズ」ではなく「フィット感」で選ぶものだからです。普段履いているスニーカーが26cmだからといって、登山靴の26cmが合うとは限りません。
登山靴特有の「捨て寸」と「横幅」の重要性
普通の靴なら少し大きくても紐で調整できますが、登山道ではそうはいきません。特に下り坂では、靴の中で足が前にズレてしまい、つま先が当たって爪が死んでしまう(内出血する)トラブルが多発します。
店舗であれば、プロのスタッフが「捨て寸」と呼ばれるつま先の余裕(一般的に1.0cm〜1.5cm)を正確にチェックしてくれます。また、日本人に多い「幅広・甲高」な足型に合うブランドかどうか、自分では気づきにくい相性をプロの目で判断してもらえるのが最大のメリットです。
テストスロープで「山の斜面」を擬似体験できる
登山用品店の多くには、岩場や急斜面を再現した「テストスロープ」が設置されています。平坦な店内の床を歩くだけでは分からない、登りでのかかとの浮きや、下りでのつま先の圧迫感を事前に確認できるのは店舗ならではの特権です。実際にトレッキングシューズを検討する際も、この実体験があるかないかで納得感が全く変わってきます。
失敗しないための良い店舗の見分け方
「どこのお店に行けばいいの?」と迷ったら、まずは以下の基準でショップを選んでみてください。
専門知識を持ったスタッフが常駐しているか
本格的なアウトドア専門店(石井スポーツや好日山荘など)や、モンベルのようなメーカー直営店は、スタッフ自身が登山愛好家であることが多いです。
良いショップのスタッフは、単に高い靴を勧めるのではなく「どの山に、いつ、誰と行くのか」を丁寧にヒアリングしてくれます。日帰りの高尾山と、テント泊の北アルプスでは必要な靴の剛性が全く異なるからです。
測定器具を使って足を測ってくれるか
入店していきなり「これ履いてみてください」と靴を渡すお店よりも、まずは計測器で足の長さ、幅、アーチの高さを測ってくれるお店を選びましょう。自分の足の特徴を客観的なデータで知ることで、キャラバンやシリオといったブランドの中から、自分に最適な一足を見つけやすくなります。
店舗に行く前に準備しておくべき3つのポイント
お店に行く準備を整えるだけで、フィッティングの精度は劇的に上がります。
1. 登山用の厚手靴下を持参する
登山靴は厚手の靴下を履くことを前提に設計されています。普通のビジネスソックスや薄手のスニーカーソックスで試着してしまうと、実際の登山で「キツすぎて入らない」という失敗を招きます。もし持っていない場合は、店舗で登山用靴下を先に購入してから試着に臨むのが正解です。
2. 「午後」に試着へ行く
足は重力の影響で、午後になるとむくんで少し大きくなります。登山中も足はかなりむくむため、一番足が大きくなっている午後の時間帯に合わせるのが、最もリスクの少ない選び方です。
3. 今使っているインソールがあれば持っていく
もし過去に膝を痛めたことがあったり、愛用しているスーパーフィートのようなインソールがある場合は必ず持参しましょう。中敷き一枚で靴のボリューム感は大きく変わります。
2026年最新:店舗でチェックすべき主要ブランドの特徴
店舗で見かける主要なブランドには、それぞれ得意な足型や特徴があります。自分の足の特徴を思い浮かべながらチェックしてみてください。
- Caravan(キャラバン):日本人の足型を長年研究している老舗です。特に初心者に優しい設計で、初めての一足に選ばれることが多いブランドです。
- SIRIO(シリオ):イタリアの技術を使いつつ、日本人の足に合わせた「3E+」などのワイドなモデルが豊富です。幅広で悩んでいる方には救世主のような存在です。
- SCARPA(スカルパ):本格的な登山を目指すなら外せません。剛性が高く、岩場での安定感は抜群です。
- mont-bell(モンベル):日本ブランドならではの安心感と、圧倒的なコストパフォーマンスが魅力。店舗数も多く、メンテナンスの相談がしやすいのも強みです。
プロが教える!店舗での正しい試着手順
店員さんに声をかけたら、以下の手順でフィッティングを進めてみましょう。
- 中敷きを抜いて足を乗せる:まずは靴の中身(インソール)を抜き、その上に立ちます。かかとを合わせた状態で、つま先に指1本分くらいの隙間があるか確認します。
- かかとをしっかり固定する:靴を履いたら、つま先を浮かせてかかとを地面にトントンと打ち付けます。登山靴は「かかとを合わせる」のが鉄則です。
- 紐は下から丁寧に締める:つま先の方から順に、緩みがないように紐を締めていきます。特に足首のホールド感が重要です。
- スロープを「下る」:一番のチェックポイントは下り坂です。斜面を下る動作をしたときに、中で足が滑ってつま先が当たらないか、細心の注意を払ってください。
もし少しでも「当たる感じ」や「違和感」があるなら、遠慮せずに別のサイズやモデルを試しましょう。店員さんはその試行錯誤に付き合ってくれるプロです。
ネット通販と店舗をどう使い分けるべきか
確かにネット通販は便利です。しかし、登山靴に関しては「最初の1足」や「モデルチェンジ後の買い替え」は店舗を強くおすすめします。
一度自分に合うブランドとサイズ(例:スポルティバの42サイズなど)が完璧に分かってしまえば、2足目以降はネットで安く買うのも賢い選択です。ただ、登山靴のソールは消耗品。店舗で購入していれば、ソールの張り替え時期や普段の手入れ方法(防水スプレーの使い方など)についても、実物を見せながらアドバイスをもらえるという大きな付加価値があります。
トレッキングシューズは店舗で選ぶべき?失敗しない店選びと試着のコツを徹底解説!のまとめ
最後に大切なことをおさらいします。トレッキングシューズ選びで最も避けるべきは「見た目のデザインや価格だけで決めてしまうこと」です。
山の上では、あなたの体重と荷物の重さをすべてその靴が支えることになります。店舗でプロのアドバイスを受け、自分の足でテストスロープを歩き、納得して選んだ一足は、あなたを素晴らしい絶景へと導いてくれる最高のパートナーになります。
まずは近くのアウトドアショップへ足を運び、自分の足を計測してもらうところから始めてみませんか?その一歩が、安全で楽しい登山ライフの始まりです。
次に、あなたの住んでいる地域でおすすめの登山用品店を探してみたり、気になっているブランドの評判を調べてみたりするのはいかがでしょうか。


