「最近、運動不足解消のためにウォーキングを始めたけれど、普通の靴だと足が疲れやすい気がする……」
「手元にある頑丈なトレッキングシューズ、これをウォーキングに使ってもいいのかな?」
そんな疑問を抱えている方は少なくありません。実は、トレッキングシューズをウォーキングに活用するのは、ポイントさえ押さえれば非常に賢い選択になります。一方で、街中のアスファルト特有の注意点を知っておかないと、逆に足を痛めてしまうリスクも。
今回は、トレッキングシューズでウォーキングを楽しむためのメリットやデメリット、そして街歩きでも浮かない一足の選び方について、徹底的に解説していきます。
トレッキングシューズでウォーキングをするのは「変」じゃない!
まず最初に、一番気になる「見た目」の問題から解決しておきましょう。結論から言うと、トレッキングシューズで街を歩くのは全く変ではありません。
むしろ、昨今のファッション業界では「ゴープコア(Gorpcore)」と呼ばれる、アウトドアウェアを街着に取り入れるスタイルが定着しています。機能美を追求したシューズは、カジュアルな服装との相性も抜群。本格的な登山靴を履いていても「これから山に行くのかな?」と思われるくらいで、健康意識が高い、あるいは道具にこだわりのある人というポジティブな印象を与えます。
ただし、どんなモデルでも良いわけではありません。ウォーキングを快適にするためには、シューズの特性を知ることが第一歩です。
ウォーキングにトレッキングシューズを使う3つの大きなメリット
普通のウォーキングシューズやスニーカーにはない、トレッキングシューズならではの魅力がウォーキングの質を高めてくれます。
1. 圧倒的な安定感と疲労軽減
トレッキングシューズの最大の特徴は、ソールの「剛性(硬さ)」です。柔らかすぎるスニーカーで長時間歩くと、足裏の筋肉が伸び縮みしすぎて「足底筋膜炎」のような疲れを感じることがあります。
その点、トレッキングシューズはソールがしっかりしているため、足裏全体で体重を支えてくれます。特に10kmを超えるような長距離ウォーキングでは、この安定感が後半の足の疲れを劇的に変えてくれます。
2. 雨の日も安心な防水性とグリップ力
多くのトレッキングシューズには、ゴアテックスなどの防水透湿素材が使われています。急な雨でも靴の中が濡れず、かつ蒸れにくいのは大きなアドバンテージです。
また、滑りやすいマンホールや濡れたタイル、公園の砂利道などでも、強力なアウトソールが地面をしっかりキャッチ。転倒のリスクを減らし、どんな天候でもウォーキングを継続できる安心感を与えてくれます。
3. 膝や腰への負担をサポート
登山靴は、重いバックパックを背負って歩くことを想定して設計されています。そのため、かかと周りのホールド力が非常に強く、着地時のグラつきを抑えてくれます。
着地が安定すると、膝のねじれや腰への衝撃が緩和されるため、関節に不安がある方にとっては、ウォーキングシューズ以上に心強い味方になるはずです。
街歩きだからこそ知っておきたいデメリットと対策
良いことばかりに見えるトレッキングシューズですが、あくまで「山道」を想定して作られた道具。アスファルトの道を歩く際には、いくつか気をつけたいポイントがあります。
ソールの摩耗が早まりやすい
登山靴のソールは、岩場や土の上で滑らないよう、粘り気のあるゴム素材(ビブラムソールなど)が使われていることが多いです。これを硬いコンクリートの上で使い続けると、まるで消しゴムのように早く削れてしまうことがあります。
対策としては、ソールが「硬め」の設定になっているモデルを選ぶか、ある程度の消耗は割り切って、ソールの張り替えが可能なモデルを選ぶのがおすすめです。
重量が足の重荷になることも
本格的なハイキングモデルは、片足で500gを超えるものも珍しくありません。足の筋力が十分でない場合、この重さが原因で足を持ち上げる動作が辛くなり、ウォーキングが苦痛になってしまう可能性があります。
ウォーキング目的であれば、軽量性を重視した「ライトトレッキングモデル」や「トレイルランニングシューズ」から探すのがベストです。
クッション性の「質」が違う
登山靴は「土」が衝撃を吸収してくれることを前提にしているため、靴自体のクッションは意外と硬めに作られています。一方、アスファルトは一切衝撃を吸収してくれません。
もし歩いていて「足裏が痛いな」と感じたら、衝撃吸収性の高いインソールを別途入れるだけで、驚くほど快適さが向上します。
ウォーキングに最適なトレッキングシューズの選び方
ウォーキングをメインに据えるなら、以下の3つのポイントを意識して靴を選んでみましょう。
ローカットモデルを選ぶ
登山用には足首を固定する「ハイカット」や「ミドルカット」がありますが、平坦な道を歩くウォーキングには、足首が自由に動く「ローカット」が最適です。
足首が固定されすぎると、ウォーキング特有の「踵から着地してつま先で蹴り出す」というスムーズな重心移動ができなくなります。街歩きなら、スニーカーと同じ感覚で履けるローカット一択です。
ブランドのデザインラインをチェック
最近のアウトドアブランドは、都市生活を意識したラインを展開しています。例えば、サロモンのシューズは、高い機能性を維持しつつも非常にスタイリッシュで、街中でのウォーキングでも違和感がありません。
また、メレルの「カメレオン」シリーズや「モアブ」シリーズは、長年ウォーキング愛好家からも支持されている大定番。迷ったらこのあたりのモデルを試着してみるのが近道です。
サイズ選びは「少し大きめ」が基本
ウォーキングを続けていると、足は血流が良くなり、少しずつむくんできます。ジャストサイズすぎると、後半につま先が当たって痛くなる原因に。
つま先に1cm程度の余裕があるサイズを選び、厚手の靴下で調整するのがプロのテクニックです。
ウォーキングをより快適にするおすすめアイテム
シューズが決まったら、さらにウォーキングを楽しくする周辺アイテムも揃えておきましょう。
まずは「ソックス」です。登山用の厚手ソックスは、クッション代わりになり、靴擦れを防いでくれます。スマートウールのようなメリノウール素材のものを選べば、夏は涼しく冬は暖かく、防臭効果も期待できます。
次に「インソール」です。先述の通り、アスファルトの衝撃を和らげるために、スーパーフィートのような高機能インソールを敷くと、土踏まずをしっかり支えてくれ、長時間のウォーキングでも正しい姿勢を維持しやすくなります。
さらに、夜間のウォーキングを安全にするために、リフレクターやクリップ式のライトをシューズやウェアに装着するのも忘れずに。トレッキングシューズはダークカラーが多いので、周囲へのアピールは大切です。
まとめ:トレッキングシューズでウォーキングは変?街歩きのメリット・デメリットと選び方
ここまで見てきた通り、トレッキングシューズでウォーキングをすることは、足の保護や安定性の面で非常に大きなメリットがあります。
- 安定感と防水性が欲しいならトレッキングシューズが正解
- 街歩きなら「ローカット」の「軽量モデル」を選ぶのがコツ
- アスファルトでのソールの減りや衝撃にはインソール等で対応する
この3点さえ押さえておけば、あなたのウォーキングはこれまで以上に快適で、頼もしいものになるはずです。
本格的な登山靴を街で履くことに抵抗を感じる必要はありません。大切なのは、あなたの足を守り、毎日歩きたくなる一足に出会うこと。お気に入りのトレッキングシューズを履いて、明日の朝は少し遠くまで足を延ばしてみませんか?
きっと、いつもの景色が違って見えるはずですよ。


