スーツにスニーカーを合わせる――今やファッション感度の高いビジネスパーソンの間では定番のスタイルになりつつあります。
以前は「スニーカーはカジュアルすぎる」と敬遠されていた組み合わせも、働き方の多様化やビジネスカジュアルの普及により、今では自然に取り入れる人が増えています。
ただし、選び方を間違えると「だらしない印象」に見えてしまうことも。今回は、スーツにスニーカーを合わせるときの正しい選び方と、おしゃれに見せるコツを徹底解説します。
スーツにスニーカーを合わせるのはアリ?
結論から言えば、「アリ」です。
ただし条件付き。職種や職場の雰囲気によっては、まだスニーカーが許されない場面もあります。たとえば金融系や来客対応の多い職種では、フォーマルな革靴が求められるケースが多いでしょう。
一方、クリエイティブ業界やIT企業ではスーツにスニーカーというスタイルが一般化しています。
つまり大切なのは「TPO(時と場所)」を見極めること。オフィスの雰囲気に合った足元選びをすることが第一歩です。
素材選びが印象を左右する
スーツとスニーカーをうまく合わせる鍵は、素材感の統一にあります。
おすすめは断然「レザー素材」。スーツが持つ上品さと相性がよく、カジュアルになりすぎません。特にスムースレザーは革靴のようなツヤがあり、ビジネスシーンでも違和感が少ない素材です。
逆にキャンバス地やメッシュなどのスポーティな素材は避けましょう。スーツのフォーマルさと噛み合わず、足元だけ浮いてしまう原因になります。
季節によってはスエード素材を選ぶのもおすすめ。秋冬は温かみが出て、全体を柔らかく見せてくれます。
カラーは落ち着き重視で選ぶ
次に重要なのが色選びです。基本は「黒」「白」「グレー」「ネイビー」などのベーシックカラー。
黒は引き締まった印象を与え、ビジネスの場にもよく馴染みます。
白は清潔感があり、ネイビースーツとの組み合わせなら爽やかさが際立ちます。ただし白は汚れやすいため、日々の手入れが必須。常に清潔に保つことが前提です。
グレーやネイビーもおすすめ。派手すぎず、程よいカジュアル感でスーツと調和します。
差し色としてブラウン系を取り入れるのもありですが、全体が重くならないようにトーンをそろえることが大切です。
デザインは「シンプル・ミニマル」が鉄則
スーツスタイルに合うスニーカーの条件は、とにかく“控えめ”であること。
装飾が多い、厚底タイプ、ビビッドカラーなどは避けた方が無難です。
アッパーにロゴが大きく入っていたり、ラインが目立つデザインもスーツとの相性はよくありません。
おすすめは、無駄を削ぎ落としたミニマルデザイン。たとえばアディダスの「スタンスミス」や「ガゼル」、ナイキの「コートビジョン」などはスーツにも合わせやすい定番モデルです。
こうしたスニーカーは、ビジネスからオフまでシーンを問わず活躍します。
シルエットとボリューム感を整える
スーツに合うスニーカーを選ぶとき、デザインだけでなく“形”も重要です。
ローテクスニーカーのように薄めのソールでスマートな形状を選ぶと、スーツとの一体感が出やすくなります。
一方で、ハイテクスニーカーや厚底タイプはボリュームがありすぎて足元だけ目立ってしまう傾向があります。
「足元に軽さを出す」ことを意識して、シャープなシルエットを選ぶと全体が引き締まります。
パンツ丈とバランスを整えるコツ
スニーカーを合わせる場合、スーツのパンツ丈にも気を配りましょう。
丈が長すぎるとスニーカーが隠れてしまい、靴の形が崩れて見えます。逆に短すぎると足元が間延びして見えるため、くるぶしが少し見える程度の“ノークッション丈”が理想です。
また、裾幅をやや細めにするとスッキリとした印象に仕上がります。
足元が軽やかに見えることで、スニーカーでもきちんと感を演出できます。
靴下選びにも気を抜かない
意外と盲点なのが靴下の選び方です。
スニーカーを履くからといって、カラフルな靴下を選ぶのは避けましょう。
スーツとスニーカーの色味に合わせて、黒・白・グレーなどのベーシックなトーンで統一するのが基本です。
また、くるぶし丈よりも長めを選ぶと、座ったときに素肌が見えず上品さを保てます。
細部まで気を配ることで、全体の完成度が一段と高まります。
季節ごとのおすすめ素材と着こなし
春夏は通気性を重視したレザーやメッシュのコンビタイプも人気。
ただし、見た目がスポーティになりすぎないように色味は抑えめに。
秋冬はスエードやヌバック素材が最適です。重厚感のあるスーツとよくなじみ、季節感を取り入れたおしゃれを楽しめます。
どの季節でも「清潔感」「シンプル」「バランス」の3点を意識することが大切です。
ビジネスカジュアルにおすすめのブランド
・アディダス
定番のスタンスミスは白レザーで上品。余計な装飾がなく、スーツにも自然に馴染む。
・ナイキ
コートビジョンやキルショットなど、クラシックラインが狙い目。スポーティさを控えめにしたデザインが豊富。
・ニューバランス
グレーやネイビーのモデルは知的で落ち着いた印象。ローカットタイプを選べばスーツにも違和感がない。
・オニツカタイガー
細身のフォルムが特徴で、和の上品さを感じさせる。革素材のラインはビジネスでも映える。
これらのブランドはカジュアルすぎず、上品な印象を保ちながら履けるのが魅力です。
NGなスーツ×スニーカースタイルとは
逆に避けた方がいい組み合わせもあります。
・ソールが極端に厚いハイテク系スニーカー
・カラフルで目立つ色使い
・汚れたままのスニーカー
・スポーツ用に見えるデザイン
これらは「ビジネス感ゼロ」になりやすく、だらしない印象を与える原因です。
特に白スニーカーは清潔感が命。定期的にお手入れし、常にきれいな状態をキープしましょう。
スーツにスニーカーを合わせる心構え
ファッションは自由ですが、スーツ×スニーカーは“ルールの上での自由”です。
つまり、きちんとしたマナーを踏まえたうえで個性を出すことが求められます。
スニーカーを取り入れるときは、「清潔」「上質」「控えめ」を意識しましょう。
これだけで全体の印象が格段に洗練され、周囲にも好印象を与えられます。
スーツに合うスニーカーでつくる現代的ビジネススタイル
今の時代、ビジネスファッションは“快適さ”と“見た目の品格”の両立が求められています。
スーツにスニーカーを合わせるスタイルは、その象徴ともいえるでしょう。
重要なのは、ただ履くのではなく「どう見せるか」。
素材・色・形・清潔感の4つを意識して選ぶだけで、スーツ姿が見違えるほどスマートになります。
自分らしさを保ちながらも上品で信頼感のある印象を演出し、ビジネスでも好印象なおしゃれを楽しみましょう。


