2025年、スニーカーの世界はこれまで以上に多様化し、ファッション・カルチャー・テクノロジーが融合する新しいステージへと突入しています。ここ数年続く“スニーカーブーム”は一過性のものではなく、今や日常のスタイルを象徴する文化そのもの。この記事では、2025年に注目すべきスニーカートレンドを総まとめで解説します。
2025年のスニーカーシーンは「レトロと革新の共存」
今年のスニーカートレンドを一言で表すなら、「過去と未来の融合」です。1980〜90年代のクラシックモデルが再評価される一方、サステナブル素材や最新テクノロジーを駆使した新世代モデルも続々登場しています。
アディダスの「Samba」や「Gazelle」、オニツカタイガーの「Mexico 66」、ニューバランスの「574」「990シリーズ」など、ヴィンテージ感のあるモデルが街でも人気を集めています。これらは単なる復刻ではなく、現代的なカラーリングや軽量素材でアップデートされ、懐かしさとモダンさを両立しているのが特徴です。
ナイキからは「Cortez」や「Air Force 1」などの定番が引き続き注目され、プーマの「Speedcat」など、90年代のモータースポーツカルチャーを再解釈したロープロファイルモデルが勢いを見せています。
ロープロファイルスニーカーの台頭:軽快で都会的な足元へ
2025年は“厚底”よりも“薄底”がトレンド。ここ数年、ボリュームソールが主流でしたが、今年は一転して、すっきりとしたシルエットのロープロファイルスニーカーが注目されています。
プラダやミュウミュウ、アディダス、プーマなどが展開する細身のフォルムは、クリーンでミニマル。スラックスやデニム、ワイドパンツなど、どんなボトムスにも馴染む汎用性が魅力です。特に「Speedcat」や「adidas Taekwondo」は、スタイルを選ばず合わせやすいと話題に。
軽快な印象を与えるため、春夏コーデとの相性も抜群。全体的に“スマートな足元”が求められる傾向にあり、クラシックなシルエットに再び注目が集まっています。
サステナブル素材の広がりと「長く履ける靴」志向
ファッション業界全体が環境への配慮を強めるなか、スニーカーも例外ではありません。2025年のトレンドとして見逃せないのが、「サステナブル素材を使ったスニーカー」です。
代表的なのがフランス発ブランド「VEJA(ヴェジャ)」。オーガニックコットンやリサイクル素材を使用したモデルが世界的に評価され、環境配慮型スニーカーの象徴として地位を確立しています。
また、ナイキの「Move to Zero」プロジェクトや、アディダスのリサイクル素材モデル「Stan Smith Primegreen」なども注目の存在。デザイン性を損なうことなく、環境にやさしい素材を採用する動きが主流となっています。
さらに、2025年の消費者心理としては「長く履ける靴」への関心が高まりつつあります。流行だけでなく、品質やメンテナンス性を重視する“持続可能な選び方”がトレンドの根底にあります。
デザインの多様化:クラシックからフェミニンまで
今年は「個性を引き出す足元」がキーワード。デザイン面では、以下の4つの流れが顕著に見られます。
1. バレエスニーカーの人気拡大
軽やかで柔らかなフォルムの“バレエスニーカー”が女性を中心に人気です。シアーソックスやスカートと合わせたスタイルがSNSでも話題で、フェミニンかつスポーティな印象を演出できます。
2. アニマル柄・メタリックカラーの復活
レオパードやゼブラといったアニマルモチーフが再浮上。さらに、ゴールドやシルバーなどのメタリックカラーもトレンドとして再燃し、シンプルなコーデにアクセントを加えるアイテムとして選ばれています。
3. スポーツ由来のフットボールスニーカー
サッカーや格闘技シューズをベースにした「フットボールトレーナー」系のスニーカーも注目。細身でフラットなシルエットが特徴で、都会的な着こなしにも溶け込みやすいのが魅力です。
4. ハイブリッドスニーカー(スニーカー×ローファー)
スポーティなソールにドレスシューズ風のアッパーを合わせた“スノーファー”タイプも台頭。通勤にも使える汎用性が評価され、オンオフ兼用の新定番として注目を集めています。
季節別トレンド:春夏と秋冬で異なる魅力
2025年の春夏は、軽やかさとカラーの遊びがポイント。パステル系やホワイトベースのスニーカーが多く、メッシュやキャンバスなど通気性の良い素材が人気です。女性では、ロープロファイルやバレエスニーカーが季節感のあるチョイスとして支持を集めています。
一方、秋冬は素材感と重厚感がキーワード。スエードやヌバック、レザー素材を使った落ち着いたトーンのスニーカーがトレンド入りしています。ブラウンやカーキ、ボルドーなど、温かみのあるカラーが多く登場し、季節感を演出します。
また、寒冷地では撥水素材やアウトドア機能を備えたモデルも人気。快適さとおしゃれさを両立する選択が求められています。
定番ブランドの動向:信頼のブランドが再び主役に
ナイキ、アディダス、ニューバランスといった王道ブランドは2025年も健在です。それぞれが定番モデルを軸に新しい方向性を打ち出しています。
- Nike(ナイキ):「Air Force 1」や「Cortez」が復権。シンプルなホワイトやクラシックカラーが再び人気を集めています。
- adidas(アディダス):「Samba」や「Gazelle」のブームが継続中。さらに、Y-3などのファッションラインも活発です。
- New Balance(ニューバランス):「990シリーズ」や「574」など、快適性とデザイン性を両立した定番モデルが根強い支持を維持。
- On(オン):スイス発の機能系ブランドとして、通勤やトレーニングを両立する“ハイブリッドシューズ”が人気急上昇。
- Puma(プーマ):「Speedcat」「Palermo」など、スポーティかつモードなデザインが若者層に浸透中。
さらに、プラダやミュウミュウなどのハイブランド勢も独自のロープロファイルスニーカーを発表。ファッションと機能の境界を曖昧にする動きが続いています。
スニーカーはカルチャーの象徴へ
SNSの影響力がますます大きくなった今、スニーカーは単なるファッションアイテムを超え、「自己表現のツール」としての役割を担っています。
InstagramやTikTokでは、セレブやインフルエンサーの着用スニーカーが瞬く間にトレンド化。たとえば、アーティストや俳優が履いたモデルが一晩で話題になることも珍しくありません。
また、性別や年齢を超えて楽しめる“ジェンダーレススニーカー”も浸透。デザインや色使いの自由度が増し、個人のスタイルを重視するムードが広がっています。
スニーカー2025年トレンド完全予測!流行デザインと人気ブランドを徹底解説
2025年のスニーカーシーンを振り返ると、ひとつの答えに収束するのではなく、多様性が広がった年と言えます。
レトロな名作が再び脚光を浴びる一方で、サステナブル素材や新テクノロジーを取り入れた未来型モデルも台頭。ロープロファイル、バレエスニーカー、ハイブリッドタイプなど、スタイルに合わせた選択肢が増えました。
つまり今年のキーワードは「個性」と「共感」。
自分に合ったスニーカーを選び、その背景にあるストーリーを楽しむ。そんな時代が、2025年のスニーカートレンドを象徴しています。


