スニーカーを選ぶときに、誰もが一度は悩む「サイズ選び」。特に「1cm大きめを選んでも大丈夫？」という疑問を持つ人は多いです。ショップの試着ではちょうどよく感じても、実際に長時間歩くと違和感が出ることもありますよね。この記事では、スニーカーを1cm大きめに履くことのメリット・デメリット、そして快適に履くための調整方法を、わかりやすく丁寧に解説します。
1cm大きめスニーカーは「悪くない」が、正しい知識が必要
「1cm大きめを買ったら失敗した」という声もあれば、「1cm上げたほうが楽だった」という人もいます。実はこの差、単純に「サイズの数字」だけで決まるものではありません。
靴のサイズ表記における1cmの違いは、つま先の余裕（いわゆる“捨て寸”）を含むかどうかによって印象が大きく変わります。多くの専門家やメーカーは「足の実寸＋0.5〜1.0cm」を目安にするよう推奨しています。
つまり、足の長さが24.0cmなら、スニーカーのサイズは24.5〜25.0cmあたりがちょうどいい範囲ということです。
捨て寸がないと、歩行時に足が前方に動いたときにつま先が当たり、痛みや爪の変形を起こすことも。逆に余裕がありすぎると、足が靴の中で泳いで安定感を失います。
このため、「1cm大きめ」が最適かどうかは、その靴の形と自分の足の特徴の両方で判断すべきなのです。
大きめスニーカーを選ぶメリット
スニーカーを少し大きめに履くことには、いくつかの利点があります。
- つま先への圧迫を防げる：歩行中に足が伸びたときでも痛くなりにくい。
- むくみ対策になる：長時間歩行や立ち仕事で足がむくむ人にとっては余裕があるほうが快適。
- 厚手の靴下にも対応しやすい：冬場など季節によって靴下の厚みが変わっても調整が利く。
- ランニングや通勤などの長時間利用に向く：足が自由に動けることで疲れにくくなることもある。
特に運動や通勤などで一日中履く場合は、ジャストサイズよりわずかに余裕のあるほうが実用的なこともあります。ただし、これはあくまで「適度な余裕」であって、足が前後にずれるほどの大きさでは快適性を損なってしまう点に注意が必要です。
1cm大きめのデメリットとリスク
一方で、1cm大きめのスニーカーにはデメリットもあります。最も多いのは「フィット感の低下」と「歩行時の不安定さ」です。
- かかとが浮く・抜けやすい
サイズが合っていないと、歩くたびにかかとがずれて靴擦れを起こしやすくなります。 - 前滑りによる足指の痛み
余裕がありすぎると、歩行時に足が前にずれてつま先が圧迫されることがあります。 - 疲労が蓄積しやすい
足が動くたびに余分なエネルギーを使い、長時間歩くと疲れを感じやすくなります。 - 靴の寿命が短くなる場合も
サイズが合わないとソールやインソールに偏った負荷がかかり、変形や摩耗が早くなることがあります。
特に成長期の子どもや足の形に個性がある人は、少しのズレでも痛みや変形の原因になるため慎重なサイズ選びが求められます。
「1cm大きい」と感じたときのサイズ調整テクニック
もしすでに1cm大きめのスニーカーを持っているなら、買い替えなくても調整アイテムを活用してフィット感を高める方法があります。
● インソールを追加する
最も手軽で効果的なのが「中敷き（インソール）」です。厚みのあるタイプを入れると足の位置が少し上がり、内部空間が狭まります。足裏のクッション性も高まり、履き心地も改善される一石二鳥の方法です。
● つま先クッションで前滑り防止
つま先部分が余っているときは、ジェルタイプやスポンジ素材のクッションを入れると効果的。これで足が前に動くのを防ぎ、痛みを軽減できます。
● かかとパッドで浮きを防ぐ
歩くたびにかかとが抜けるなら、ヒールグリップやパッドを使いましょう。かかとの隙間を埋めてフィット感を向上させ、靴擦れの予防にもつながります。
● 靴紐をしっかり調整
靴紐の締め方でもフィット感は大きく変わります。「ロックレーシング」や「かかとロック」などの結び方を試すと、足の甲を固定しやすくなります。
● 靴下で微調整
厚手の靴下を履くと、それだけで0.5cm程度の余裕を埋めることができます。季節や用途に合わせて、薄手・厚手を使い分けるのもおすすめです。
これらの方法を組み合わせれば、1cm大きめでも安定した履き心地を実現できます。
ブランドやモデルで異なる「1cmの感覚」
同じ「26.0cm」でも、ブランドやモデルによって実際の履き心地は異なります。ナイキやアディダスのように細身の木型を採用しているブランドは、同サイズでもややタイトに感じることが多いです。一方で、ニューバランスやアシックスなどは比較的ゆとりを持たせた設計になっています。
また、スニーカーの種類によっても違いがあります。
購入前にレビューや着用感を確認するのはもちろん、ブランドごとの「サイズチャート」を参考にするのが失敗を防ぐコツです。
正しいサイズの見極め方
自分に合ったスニーカーを選ぶには、まず足の実寸を正確に測ることが第一歩です。測定の際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 素足ではなく、普段履く靴下を履いた状態で測る
- 夕方など、足がむくんでいる時間帯に測る
- 両足を測定し、大きい方のサイズを基準にする
この測定結果に捨て寸（0.5〜1cm）を加えたサイズが、基本的な目安になります。もしブランドによって迷う場合は、試着時に「つま先の余裕」「かかとのフィット」「甲の圧迫感」をバランスよく確認しましょう。
どうしても合わないときは交換をためらわない
ネット通販で購入したスニーカーが「少し大きかった」というケースも多いでしょう。最近では、サイズ違いによる返品や交換を無料で受け付けているショップも増えています。無理に履き続けると、足への負担や怪我につながることもあるため、早めにサイズ交換を検討するのが安全です。
また、ブランドによっては「ハーフサイズ（0.5cm刻み）」の展開が豊富なので、0.5cm刻みで調整するのも現実的な方法です。特にオンラインで購入する場合は、返品条件を事前に確認しておくと安心です。
スニーカーを1cm大きめに履くのはあり？サイズ調整と快適に履くコツを徹底解説 まとめ
スニーカーを1cm大きめに履くこと自体は「あり」です。ただし、それが快適かどうかは足の形・ブランドの設計・使うシーンによって変わります。
理想的なのは、足の実寸より0.5〜1cmの余裕を持たせること。これが「正しい捨て寸」であり、無理なく自然な歩行をサポートしてくれます。
もしすでに1cm大きめを買ってしまった場合でも、インソールやパッド、靴紐の調整でフィット感を高めることが可能です。逆に調整しても不快感が残るなら、サイズ交換を検討しましょう。
「1cm大きめにするのはあり？」という疑問の答えは、**“あり”でも“慎重に”**です。正しい知識と工夫で、自分の足にぴったりの快適な一足を見つけてください。
