お気に入りのスニーカーを履いて、意気揚々と出かけたはずなのに。歩くたびに「ギュッギュッ」「キュッキュッ」と足元から響く謎の音。静かなオフィスやお店の床で、自分の歩く音だけが響き渡るあの瞬間の「恥ずかしさ」といったらありませんよね。
「このスニーカー、買ったばかりなのにもう壊れたの?」「それとも私の歩き方がおかしい?」
そんな不安を抱えているあなたへ。実は、スニーカーから音が鳴る現象には明確な原因があり、そのほとんどが身近なアイテムで解決できるものばかりなんです。
今回は、スニーカーの歩くたびに音が鳴る原因を深掘りし、今すぐ試せる具体的な対処法から、二度と音を鳴らさないためのメンテナンス、さらには静かに歩くコツまで、余すことなくお届けします。
なぜ音が鳴るの?スニーカーの異音が発生する3つの正体
まずは、なぜあの不快な音が鳴ってしまうのか、その正体を突き止めましょう。音の種類や場所によって、原因は大きく3つのパターンに分かれます。
1. 靴の「内部」で起きている摩擦
最も多いのが、スニーカーの内部でパーツ同士が擦れ合っているケースです。
特に多いのが、インソール(中敷き)とミッドソール(靴の底面)の間に隙間ができ、歩くたびに微細にズレることで「ギュッギュッ」という音が発生するパターン。新品の靴でも、製造工程でのわずかな個体差によってこの隙間が生じることがあります。
また、靴の中に溜まった湿気や汗の水分が、素材同士の摩擦係数を変えてしまい、音が鳴りやすくなることも珍しくありません。
2. 「外側・表面」の素材同士や床との相性
新品のスニーカーに多いのが、アウトソール(靴の底)と床面の摩擦音です。
最近のスニーカーはグリップ力が非常に高いため、ワックスが効いたフローリングやタイルの上を歩くと「キュッ」と強く鳴ることがあります。
また、合成皮革のアッパーとタン(ベロ)が重なる部分や、シューレース(靴紐)とハトメが擦れることで「ギシギシ」という革鳴りのような音が出ることもあります。
3. 経年劣化や構造的なトラブル
長く愛用しているスニーカーの場合、素材の寿命が原因かもしれません。
ミッドソールの中にあるクッション材(エアユニットなど)が破損したり、土踏まずを支えるシャンクという芯材が折れたりすると、荷重がかかるたびに異音がします。
さらに、接着剤が劣化してソールが剥離し、そこに空気が入り込むことで音が鳴るケースもあります。これは「加水分解」の前兆であることが多く、買い替えを検討すべきサインと言えるでしょう。
【即効性あり】今すぐできる音鳴り解消テクニック
原因がわかったところで、次は具体的な解決策です。家にあるものや100円ショップで手に入るアイテムで、驚くほど簡単に音を消すことができます。
ベビーパウダーで摩擦をゼロにする
インソールの擦れが原因なら、ベビーパウダーが大活躍します。
やり方はとても簡単。まずインソールを取り外し、靴の底面にパウダーを薄くパラパラと撒くだけです。その上からインソールを戻せば、パウダーが潤滑剤の役割を果たし、パーツ同士の摩擦を劇的に抑えてくれます。
粉っぽさが気になる場合は、ボディパウダーや、家庭にあるコーンスターチでも代用可能です。
インソールの裏に潤滑剤を薄く塗る
パウダーを撒くのに抵抗がある方は、潤滑剤を塗る方法がおすすめです。
インソールの裏面や、特に音が鳴りやすい「縁(ふち)」の部分に、ワセリンやリップクリームを薄く塗ってみてください。滑りが良くなり、不快な音がピタッと止まります。
ただし、塗りすぎるとインソールが靴の中で滑りすぎてしまい、歩きにくくなるので「薄く」が鉄則です。
柔軟剤シートを1枚挟むだけ
海外でよく使われる裏技が、衣類の乾燥機で使う乾燥機用ソフターシートを活用する方法です。
インソールの下にこのシートを1枚敷くだけで、シートの成分が摩擦を軽減し、さらに靴の中の消臭効果まで得られるという一石二鳥のテクニックです。
新品や外部の音を抑えるためのメンテナンス
「買ったばかりだから汚したくない」「外側が鳴っている気がする」という場合は、以下のメンテナンスを試してみてください。
アウトソールを「一皮剥く」
新品のゴム底がタイルと擦れて鳴る場合は、少しだけ表面を荒らしてあげるのが有効です。
最も自然な方法は、アスファルトの上をしばらく歩き回ること。これでソールの過剰な光沢が取れ、床との密着度が適正になります。
急いでいる場合は、目の細かい紙やすりで、ソールの接地面を軽く撫でるだけでも効果があります。
シリコンスプレーで滑りを良くする
アッパーの重なり部分や、シューレース周りから「ギシギシ」と音がする場合は、シリコンスプレーが有効です。
ただし、スプレーを直接吹きかけるのは厳禁。布や綿棒に少量の液を含ませ、音が鳴りそうなパーツの接地面にピンポイントで塗り込みましょう。
※ソールに付着すると滑って転倒する恐れがあるため、作業時は細心の注意を払ってください。
レザークリームで素材を柔らかくする
合皮や本革のスニーカーが乾燥して硬くなっていると、歩くたびに素材が突っ張り、音を出すことがあります。
定期的にレザークリームやミンクオイルで保湿してあげることで、素材がしなやかになり、屈曲部からの異音を防ぐことができます。
やってはいけない!NGな対処法と注意点
良かれと思ってやったことが、スニーカーの寿命を縮めてしまうこともあります。以下の点には注意しましょう。
- 石油系潤滑剤の使用: KURE 5-56などの石油系オイルは、ゴムや合成樹脂を溶かしたり、変色させたりする恐れがあります。靴に使うのは避けましょう。
- 水洗いの放置: 汚れを落とそうとして水洗いしたあと、半乾きのまま履くと湿気で余計に音が鳴りやすくなります。乾燥させる際は、シューズドライヤーなどを使って芯までしっかり乾かしてください。
- ヘアスプレーの塗布: ソールにヘアスプレーをかけると一時的に滑り止めになりますが、時間が経つとベタつき、ゴミや砂を吸着して素材を傷める原因になります。
周囲に不快感を与えない!静かに歩くコツ
音の原因を物理的に取り除いたら、次は「歩き方」にも意識を向けてみましょう。実は、歩き方を変えるだけで、音の発生を最小限に抑えることができるんです。
1. かかとから着地し、つま先で蹴り出す
「ペタペタ」と足の裏全体で一度に着地する歩き方は、床との接地面が大きくなるため、音が鳴りやすくなります。
理想的なのは、かかとから静かに着地し、足の外側を通って親指の付け根で地面を蹴り出す「ローリング歩行」です。これにより、衝撃が分散され、過度な摩擦音を防ぐことができます。
2. 引きずり歩きを卒業する
疲れてくると、つい足を地面に擦るように歩いてしまいがちです。これが「ズズッ」という音や、ソールの「キュッ」という音を引き起こします。
膝を少しだけ高く上げる意識を持つだけで、足の運びがスムーズになり、無駄な音が消えるだけでなく、姿勢も美しく見えます。
3. 足のサイズに合った紐の締め方をする
靴の中で足が遊んでいると、その隙間が摩擦を生みます。
靴紐をしっかりと(でも締め付けすぎず)結ぶことで、靴と足が一体化し、内部のズレによる音を根本から防ぐことができます。面倒でも、毎回紐を解いて結び直す習慣をつけるのがベストです。
それでも音が止まらない時は?
あらゆる対策を試しても音が止まらない、あるいは歩くたびに「カチカチ」と硬い音がする場合は、自分では直せない構造的な問題かもしれません。
その場合は、無理をせず靴修理店へ持ち込んで相談してみましょう。プロの手でソールを一度剥がし、中の芯材を固定し直すことで解決できる場合があります。
もし購入したばかりであれば、メーカーの初期不良の可能性も考えられるため、購入店に問い合わせてみるのも一つの手です。
また、ソールがボロボロと崩れ始めているようなら、それはスニーカーからの「引退宣言」です。新しい相棒を見つけるために、最新のスニーカーをチェックする時期かもしれません。
まとめ:スニーカーの歩くたびに音が鳴る原因と対処法
スニーカーの歩くたびに音が鳴る原因は、内部の摩擦、外部の素材特性、そしてメンテナンス不足など様々です。しかし、ベビーパウダーやワセリンといった身近なアイテムを使い、少しだけ歩き方に気を配るだけで、あのストレスから解放されます。
足元の異音を解消すれば、もう人目を気にしてコソコソ歩く必要はありません。背筋を伸ばして、お気に入りの靴と一緒に、軽やかな足音で毎日を楽しんでくださいね。
あなたのスニーカーライフが、もっと快適で静かなものになることを願っています!


