靴好きなら一度は目にしたことがあるであろう、まるで“建築物”のようなハイヒール──それが**ジュリアンヘイクス**です。
一見すると「これ、本当に履けるの?」と驚くほどアーティスティックな形状ですが、実際に履いてみるとその印象はガラリと変わります。今回は、ジュリアンヘイクスの代表作「モヒート(Mojito)」を中心に、その履き心地を徹底検証していきます。
ジュリアンヘイクスとは?建築的発想から生まれたハイヒール
ジュリアンヘイクスは、ロンドンを拠点に活動する建築家兼デザイナー。
彼の作品は、まさに“構造美”そのもの。代表作の「モヒート」は、2011年のロンドン・ファッション・ウィークでデビューし、彫刻のようなシルエットで世界中のデザイン賞を総なめにしました。
その発想の原点は、「足裏の土踏まず部分にはソールは本当に必要なのか?」という疑問。
この問いから、靴底の一部を大胆に省き、足に巻きつくような構造のヒールが生まれました。建築的な美しさと工学的なバランスが融合した、まさに“履くアート”です。
独創的な構造が生む、驚きのフィット感
一番の特徴は、足を包み込むような“巻きつき構造”。
土踏まずの部分にはソールがなく、つま先とかかとをスパイラル状に支えるデザインになっています。
これにより、視覚的には「浮いているような軽やかさ」が生まれ、実際に履いても驚くほど軽量です。
内側にはレザーライニング、芯材にはカーボンファイバーが使われ、外底にはラバーを配置。
素材ごとに役割が明確で、見た目のインパクトだけでなく、構造的な安定性と快適性も追求されています。
足を入れた瞬間、「意外と安定してる!」と感じる人が多いのも納得です。
巻きつくラインが足全体をしっかりホールドし、踵がズレにくい作りになっています。
実際の履き心地レビュー:見た目以上に“歩けるヒール”
SNSやレビューサイトでは、次のような声が多く見られます。
- 「見た目よりずっと歩きやすい!」
- 「軽くて安定感がある」
- 「足を包まれるようなフィット感」
- 「彫刻のような形なのに履き心地がちゃんとしてる」
このポジティブな印象は、実際に試着した人たちの多くが共通して抱く感想です。
特に「軽い」「包まれる」「安定している」という三つの感覚が際立ちます。
一方で、「サイドが少し当たる」「サイズによって硬さを感じる」という意見も。
構造上、一般的なパンプスよりも素材の剛性が高く、足型との相性が履き心地を左右します。
サイズ選びとフィッティングのコツ
ジュリアンヘイクスのヒールは、サイズ選びがとても重要です。
海外ブランドらしく少し細身の作りで、足幅が広い人や甲が高い人は窮屈に感じる場合もあります。
サイズ展開は主に36~39(おおよそ23.5~26cm)。
普段履いているサイズよりハーフサイズ上を選ぶと、圧迫感が軽減されるケースもあります。
試着時のポイントは次の通りです:
- 夕方など、足がむくみやすい時間帯に試す
- サイドの当たり・踵のフィット感を確認する
- 履いたまま数歩歩き、安定感をチェック
慣れるまでは硬さを感じるかもしれませんが、数回履くと足に馴染むという声も多いです。
長時間履いても大丈夫?実際の快適性を検証
「アートヒール=履きづらい」というイメージを持つ人は多いですが、モヒートの場合は例外です。
構造的に足を包み込み、体重を前後に分散させるため、意外にもヒール初心者でもバランスが取りやすい作りになっています。
ただし、長時間の歩行や立ち仕事には注意が必要。
素材が硬めなため、数時間を超える着用では足裏やサイドに負担を感じることがあります。
そのため、次のような使い方が理想的です。
- パーティーやイベントなど、短時間の着用
- 室内でのフォーマルシーン
- ファッション撮影やステージ衣装など、デザイン性重視のシーン
ヒール慣れしている人なら、比較的長時間でも問題なく履けるというレビューもあります。
一方、普段ヒールを履かない人は、まず短時間の“慣らし履き”をおすすめします。
ジュリアンヘイクスの魅力は「アートと実用の融合」
多くのハイヒールはデザイン性か実用性のどちらかに偏りがちですが、ジュリアンヘイクスはその両立を狙っています。
軽さ・安定性・視覚的インパクトを兼ね備えた希少な存在で、まさに“建築家が作る靴”という表現がぴったりです。
実際に履くと、「デザイン重視の靴」ではなく「設計された靴」だと分かります。
足の構造を研究し、無駄を削ぎ落とし、必要な支点だけを残す。その理論的アプローチが快適さにつながっているのです。
注意点とお手入れのポイント
長く快適に履くためには、以下の点を意識すると安心です。
- 履き始めは短時間から慣らす
- インナーにレザークリームを薄く塗って柔らかくする
- ラバーソールの摩耗を定期的にチェック
- 屋外での段差・雨天での使用は慎重に
また、デザインが特殊なため、歩行中に他の靴や段差とぶつけると傷がつきやすい点にも注意が必要です。
履く人を選ぶ、だからこそ特別な一足
ジュリアンヘイクスのヒールは、万人向けではありません。
それでも、一度履けば忘れられないインパクトと存在感を放ちます。
日常使いよりも「特別な日のための靴」としての価値が高く、自分のスタイルを確立している人にこそふさわしいモデルです。
軽さ、包み込み感、そして他にはない造形美。
それらが調和した瞬間、単なるファッションを超えて“作品を身につける”感覚を味わえるはずです。
ジュリアンヘイクスの履き心地を実感して、自分だけのスタイルを楽しもう
ジュリアンヘイクスのヒールの履き心地は、「見た目ほど奇抜ではなく、実は機能的」。
足を包み込むようなフィット感と軽やかさが魅力で、履くたびにデザインの意味を実感できます。
確かに、長時間歩行やサイズ選びには注意が必要です。
けれど、その独創的な造形と意外な快適性の両立こそ、このブランドの真骨頂。
“歩けるアート”としての一足を、ぜひ一度体感してみてください。
ジュリアンヘイクスの履き心地を通して、あなたのファッションに新しい発見が生まれるはずです。


