コービー・ブライアントのバッシュって、ただのシューズじゃないんです。彼のキャリアそのものなんですよね。
高校卒業したての新人が、アディダスと大型契約を結んだところから始まって。ナイキでバッシュの常識をひっくり返して。引退の日には60点を叩き出して。
そのすべての瞬間に、コービーの足元には必ず名作バッシュがありました。この記事では、コービー バッシュ 歴代をたどりながら、それぞれのモデルに込められた物語とテクノロジーをじっくり振り返っていきます。
コレクター視点のマニアックな話から、どのモデルを狙うべきかという実用情報まで。ぜひ最後まで読んでみてください。
アディダス編:若きコービーの革命期(1996-2002)
1996年、コービーは高校から直接NBAに飛び込みました。アディダスが提示したのは6年4800万ドルという破格の契約。ここから彼のシグネチャーモデルの歴史が始まります。
EQTシリーズ:伝説の幕開け
最初にコービーが履いたのは、adidas EQT Elevationでした。1997年のスラムダンクコンテスト。レイカーズの若きガードが観客を沸かせたあの夜、足元に輝いていたのがこのモデルです。
続いて登場したのが、EQT Top Ten 2000。すでにコービーの足元への注目度は急上昇していました。
KB8シリーズ:初のシグネチャー誕生
1997年、ついにコービー初のシグネチャーモデルadidas KB8が登場します。当時19歳でのオールスター選出を記念する一足。今ではCrazy 8という名前で復刻されているので、そちらのほうがピンとくる人も多いかもしれません。
アディダスが誇る「Feet You Wear」テクノロジーを搭載し、足の自然な動きを追求した設計でした。KB8 II、KB8 IIIと進化を重ね、KB8 IIIはこのテクノロジーを採用した最後のコービーモデルになっています。
The Kobeシリーズ:アウディとの衝撃コラボ
2000年、コービーは初のNBA優勝を経験します。その時の相棒がadidas The Kobeでした。
見た目のインパクトがすごいんです。アウディTTロードスターからインスパイアされた流線型のフォルムは、当時のバッシュとは思えない未来的なデザイン。プレーオフを戦い抜いたタフな一足でもありました。
一方、後継のThe Kobe IIは「スペースブーツ」や「パン」なんて呼ばれることもある独特すぎる見た目。実はコービー本人があまり気に入らず、プレーオフではThe Kobe Iを履き続けたという逸話も残っています。
自由契約編:伝説のスニーカーフリーエージェント(2002-2003)
2002年、コービーはアディダスとの契約を解除します。次のナイキ契約までの約1年間は、どのブランドにも縛られない「フリーエージェント」に。この期間、コービーは試合ごとに異なるメーカーのバッシュを履き分けました。
スニーカーフリークたちが今なお熱狂するのがこの時期です。
Air Jordan PE:レイカーズカラーの贅沢
とくに話題になったのが、ジョーダンブランドの選手別カラー、通称PE(プレイヤーエクスクルーシブ)。レイカーズのパープルとゴールドで彩られたAir Jordan 3 PEやAir Jordan 8 PEは、まさに垂涎の一足。一般発売されることがないため、コレクター市場ではいまも高値で取引されています。
当時はまだ両者の関係性が微妙だった時期だけに、コービーがジョーダンを履く画はかなり衝撃的でした。
リーボックやコンバースも
さらに面白いのが、ライバルであるアレン・アイバーソンのシグネチャーReebok QuestionやAnswer IVまで履いていたこと。そしてCONVERSE Weaponのレイカーズカラーまで。自分のシグネチャーがない分、自由奔放にコートを彩っていたんです。
ナイキ編:バッシュの常識を変えた革新の連続(2003-2016)
2003年、ついにナイキと契約。コービーバッシュの黄金時代が幕を開けます。
初期はZoom Huarache 2K4などのチームモデルを経て、2005年、待望の初シグネチャーが誕生しました。
Kobe 1〜3:シグネチャー確立期
Nike Zoom Kobe 1といえば、2006年1月22日。トロント・ラプターズ相手に81得点を叩き出した伝説の試合で履いていたモデルです。デザイナーはケン・リンク。レトロな雰囲気もあって、いまでも復刻を望む声が多い一足ですね。
Kobe 2、Kobe 3と進むにつれてデザインはどんどん大胆に。とくにKobe 3の網状アッパーは好き嫌いが分かれるところですが、コービーはこのシューズで初のシーズンMVPを獲得しています。
Kobe 4〜6:ロウカット革命と完全無欠の完成度
2008年、バッシュの歴史を変えるモデルが登場します。Nike Zoom Kobe 4です。
当時、バスケットボールシューズといえばハイカットが常識でした。でもコービーは「サッカー選手はロウカットでも足首を守れている」とデザイナーのエリック・エイバーに提案。サッカースパイクに着想を得た超軽量ロウカットは、当初こそ懐疑的な目で見られましたが、4度目の優勝でその価値を証明します。
Kobe 5ではカーボンファイバープレートで剛性をアップ。そしてNike Zoom Kobe 6は、コービーの異名「ブラックマンバ」を表現した蛇革アッパーが衝撃的でした。この3モデルは、いまでもコービーラインのなかで完成度が最も高いと言われています。
Kobe 7〜8:システム化と超軽量化への挑戦
Kobe 7は交換可能な中底インサートを採用した「システム」を導入。クッションの好みを選べるという新しい発想でした。
そしてNike Kobe 8。エンジニアードメッシュを採用し、わずか9.6オンス(約272グラム)という超軽量を実現。いまクラウチングスタートを切るように、コートを自在に駆け回れる感覚は唯一無二でした。ただ、このシーズンにコービーはアキレス腱断裂という大怪我を負います。その試合でも彼はこのシューズを履いていました。
Kobe 9〜11:復活のハイカットと引退
アキレス腱断裂からの復帰を支えたのがNike Kobe 9。ここでコービーは一転して超高筒のハイカットを採用します。しかもフライニットをバッシュとして初搭載。復活を期すコービーの強い意志が感じられる、ドラマチックな一足です。
Kobe 10、そして現役最後のシグネチャーとなったNike Kobe 11。2016年4月13日、引退試合で60得点を叩き出したあの夜。足元に輝いていたのはKobe 11の「ブラックマンバ」カラーでした。これ以上ないラストゲームです。
引退後のプロトラロシリーズ
現役引退後も、Kobe A.D.(After Death)、Kobe NXT 360、そしてプロトラロシリーズが展開されています。とくにNike Kobe 6 Protroなどは、オリジナルのデザインを活かしつつ最新テクノロジーを搭載。コートでも履ける復刻版として大人気を博しています。
コービー バッシュ 歴代を振り返って:テクノロジーが語る進化の本質
ここまでコービー バッシュ 歴代を見てきて感じるのは、一貫した「軽さ」と「足との一体感」への執念です。
ハイカットのアディダス時代から、常識を破ったロウカットへの転換。そしてフライニットやエンジニアードメッシュといったアッパー素材の革新。どのモデルにも、コート上で0.1秒速く動くための徹底したこだわりが詰まっていました。
だからこそ、コービーバッシュは現役選手からの支持率も驚くほど高いんです。単なるレトロな復刻ではなく、いまでも最前線で戦えるギア。それこそが最大の魅力なんだと思います。
最後にひとつ。アディダス時代のKB8は[Crazy 8]として、The Kobeは[Crazy 1]として復刻されています。名前が変わっていることを覚えておくと、探すときに迷わず済みますよ。
どの一足にも、コービーの生き様が染み込んでいます。お気に入りの一足を見つけて、コートでも街でも、その魂を感じてみてください。


