ヒップホップ界のトップアーティスト、ケンドリック・ラマー。彼の音楽だけでなく、ファッションにも強い関心を寄せるファンは多い。中でも注目されているのが、彼がステージや日常で履くスニーカーだ。どんなブランドを選び、どんな思いを込めてコラボしてきたのか。この記事では、ケンドリック・ラマーとスニーカーの深い関係、代表的なコラボモデル、そして入手方法までをわかりやすく解説していく。
ケンドリック・ラマーとスニーカーの関係
ケンドリック・ラマーはカリフォルニア州コンプトン出身。ストリートカルチャーの真ん中で育ち、音楽とファッションを通して“リアル”を表現してきた。そんな彼にとってスニーカーは、単なるファッションアイテムではなく、アイデンティティを象徴する存在だ。
彼が特に愛用しているのは、ナイキ（Nike）を中心としたクラシックモデル。なかでも「Nike Cortez（ナイキ・コルテッツ）」は、彼の地元文化とも密接に結びついている。西海岸のヒップホップシーンを象徴するスニーカーとして知られ、ケンドリックがこのモデルを選ぶのには明確な意味がある。
Nikeとの長期パートナーシップ
2017年、ケンドリック・ラマーとナイキの正式なパートナーシップが発表された。それ以前からステージでナイキを履いていた彼だが、公式コラボとなってからリリースされた「Cortez Kenny I」シリーズが世界的な話題となった。
最初に登場した「Cortez Kenny I」は、ブラックとレッドを基調としたカラーリングに“TDE（Top Dawg Entertainment）”のロゴを配したモデル。ラマーが所属するレーベルを象徴するデザインとして、ファンの間で即完売となった。
その後もシリーズは続き、「Cortez Kenny II」「Cortez Kenny III」「Cortez Kenny IV」と展開。特に「Cortez Kenny IV」は従来のシューレースを廃し、スリッポンタイプにアップデートされた点が特徴だ。日常使いしやすい履き心地と、シンプルながらも個性を感じさせるデザインで人気を集めた。
彼がナイキとのコラボで重視しているのは、「カルチャー」と「リアル」。ただかっこいいだけでなく、地元コンプトンや西海岸のストリートスタイルを背景にしたストーリー性を持たせている。スニーカーを通して“どんな生き方をしてきたのか”を語るような、ラマーらしい表現が詰まっている。
Reebok時代の原点とメッセージ
ナイキと手を組む前、ケンドリック・ラマーはリーボック（Reebok）と協業していた。2015年の「Reebok Ventilator」コラボは、コンプトンで長年続くギャング対立をテーマに、“Red”と“Blue”の左右非対称カラーでデザインされたもの。彼の故郷に根ざした平和へのメッセージが込められていた。
続いて登場した「Reebok Classic Leather Perfect Split」や「Reebok Club C」シリーズも、社会的メッセージとデザイン性を両立した名作だ。どれも音楽と社会への意識を融合させた作品として高く評価され、ファッションの枠を超えてカルチャーアイコンとなった。
今ではこれらのモデルは新品入手が難しく、リセール市場やオークションでしか手に入らない。だが、ラマーのスニーカー史を語る上で外せない重要な一章といえる。
pgLang × Converseの実験的コラボ
ケンドリック・ラマーは、自身が共同設立したクリエイティブレーベル「pgLang（ピー・ジー・ラング）」を通して、新たな形のスニーカープロジェクトも展開している。その一つが、コンバース（Converse）とのコラボだ。
pgLangは音楽・映像・ファッションを横断する新しいプラットフォームとして注目されており、その中で発表されたConverseコラボモデルは、アーティストの感性をそのまま落とし込んだような実験的デザインが特徴。既存のスニーカーカルチャーにとらわれず、自由でミニマルなスタイルを打ち出している。
この取り組みからも分かるように、ケンドリックは単なるブランドアンバサダーではなく、スニーカーデザインそのものをカルチャーの一部として再定義している存在だ。
ケンドリック・ラマーが選ぶスニーカーの意味
ケンドリック・ラマーのスニーカー選びは、トレンドに流されない。彼にとってスニーカーは、ライフスタイルや思想を表現する“言葉の延長線”のような存在だ。
たとえば、Nike Cortezは西海岸の象徴であり、彼の出身地コンプトンを代表する一足。Reebok Ventilatorは、社会的対立への平和のメッセージ。Nike Shox R4を履く姿は、過去の技術と現代のファッションを融合させたスタイルの象徴だ。
スニーカーのチョイスに込められた“意味”があるからこそ、ファンは彼の足元に注目する。単に「人気ブランドを履いている」ではなく、「ケンドリック・ラマーという人物を語る手段」なのだ。
コラボスニーカーの入手方法と注意点
ケンドリック・ラマーとのコラボスニーカーは、基本的にどのモデルも人気が高く、発売直後に完売するケースが多い。入手するには次のような方法がある。
- Nike SNKRSアプリや公式オンラインストアでの抽選販売
- 一部セレクトショップでの限定リリース
- StockXやGOATなどのリセールサイトを活用
抽選販売は事前登録が必要な場合が多いので、発売情報を見逃さないように公式SNSをフォローしておくとよい。また、リセールサイトで購入する際は、価格変動や偽物に注意。販売者の評価や真贋保証があるプラットフォームを利用するのが安全だ。
人気モデルは発売から数年経っても価値が下がらず、コレクターズアイテム化することも多い。特に「Cortez Kenny」シリーズやReebok時代の限定カラーは、状態の良い中古でも高値で取引されている。
ケンドリック・ラマーとスニーカーが生み出すカルチャー
ケンドリック・ラマーのスニーカーコレクションが多くの人を惹きつけるのは、そこに「物語」があるからだ。彼が生まれ育った街、伝えたいメッセージ、音楽とファッションの融合。そのすべてが一足一足に込められている。
彼のスタイルは、ファッションを超えた“カルチャーの共有”だ。スニーカーを履くという日常の行為に、意味と背景を与える。その姿勢こそが、彼を単なるラッパーではなく、現代のカルチャーリーダーに押し上げた理由でもある。
ケンドリックラマーが愛用するスニーカーとは？コラボモデルの魅力と入手方法を徹底解説
改めてまとめると、ケンドリック・ラマーが愛用するスニーカーは、音楽とストリートカルチャーの融合を象徴している。Nikeとの「Cortez Kenny」シリーズ、Reebokとの「Ventilator」、pgLang × Converseなど、どのモデルも彼の人生と哲学が反映された特別な存在だ。
そしてこれらのモデルは、単なるファッションアイテムではなく、「何を表現するか」というメッセージを持つ一足でもある。ファンとして、またスニーカーヘッズとして、彼の足元から文化を読み解くことはとても興味深い。
ケンドリック・ラマーとスニーカー。その組み合わせはこれからも進化し、音楽とファッションをつなぐ架け橋として、新しいカルチャーを生み出し続けるだろう。
