フランスの老舗ブランド「クレマン(KLEMAN)」は、近年日本でも人気が高まっている革靴ブランドです。
その理由は、無骨でシンプルなデザイン、耐久性に優れたワークシューズ仕立て、そして「履き心地の良さ」にあります。
この記事では、クレマンの靴の履き心地を中心に、代表的なモデルである「パドレ(PADRE/パドロール)」や「シャンボード風モデル(フローダ/フローダン)」の違いも含めて詳しく紹介します。
クレマンとは?フランス生まれの実用靴ブランド
クレマンは、1940年代にフランスで創業したCLEON社を母体とするブランドです。
元々はフランス国内の公共機関や軍、鉄道会社などにワークシューズを供給していた背景があり、実用性と耐久性に重きを置いたものづくりが特徴です。
デザインは一貫して無骨でシンプル。無駄を削ぎ落としたフォルムは、フランスらしい機能美を感じさせます。
現在では、ワークシューズとしての強さを保ちながら、ファッションとしても成立する「上品なタフ靴」として、男女問わず人気を集めています。
クレマンの履き心地の特徴
クレマンの靴は、一見すると重厚なワークシューズですが、実際に履いてみると意外なほど軽快で柔らかい履き心地です。
多くの愛用者が「慣らし期間がほとんど必要なかった」と語るほどで、履き始めから快適に歩ける点が高く評価されています。
クッション性と安定感
クレマンの靴には、インソールにクッション素材が使用されています。これが足裏の衝撃を吸収し、長時間歩行でも疲れにくい履き心地を生み出しています。
さらにラバーソールを採用しているため、アスファルトやコンクリートの上でも滑りにくく、しっかりと地面を捉える安定感があります。
セメンテッド製法の防水性
製法にはセメンテッド製法(セメント製法)を採用しており、ソールとアッパーを強力に接着しています。
この構造により防水性が高く、雨の日や悪天候でも気兼ねなく履ける点も魅力です。ワークシューズ発祥のブランドらしい、実用面での強さが光ります。
すぐに馴染む柔らかさ
クレマンの革は比較的柔らかく、履き始めから足に馴染みやすいのが特徴です。
特に代表モデル「パドロール」は、GQ誌でも「2万歩以上歩いても足が痛くならなかった」と紹介されるほど、履き心地の良さで知られています。
一方で、つま先の形状が合わないと圧迫を感じることもあるため、サイズ選びは慎重に行うのがベターです。
定番モデル「パドレ/パドロール」の履き心地
クレマンを代表するモデルが「パドレ(PADRE)」、およびその後継の「パドロール(PADROR)」です。
チロリアンシューズ風のデザインで、丸みを帯びたUチップのフォルムが印象的。ボリュームのある見た目ながら、軽快に履ける万能モデルです。
実用靴としてのルーツ
このモデルは、1990年代にフランスの国鉄(SNCF)職員のために開発されたもの。
長時間の立ち仕事や移動でも疲れにくく、かつ丈夫であることが求められて誕生しました。
そのため、耐久性と快適性のバランスが非常に良く、日常使いにも最適です。
歩きやすく、疲れにくい
インソールのクッションとラバーソールの組み合わせで、歩行時の衝撃をやわらげてくれます。
特に「履き始めから痛くない」「慣らし期間が短い」といったレビューが多く、革靴にありがちな“硬さ”を感じにくい作りです。
スニーカーのような感覚で履ける革靴という点が、多くのファンを生んでいます。
デイリーユースに最適なデザイン
パドロールはカジュアルにもビジネスカジュアルにも対応できるデザイン。
デニムやチノパンはもちろん、ジャケットスタイルにも合わせやすく、1足で幅広いシーンをカバーできます。
雨天でも気にせず履けるため、天候を選ばず使えるのも大きな利点です。
シャンボードと比較されるクレマンのモデル
革靴好きの間でよく話題になるのが、フランスの高級ブランド「パラブーツ」の名作「シャンボード(CHAMBORD)」との比較です。
クレマンには、このシャンボードに似たデザインのモデル「フローダ」や「フローダン」があります。
見た目の近さと違い
シャンボードはノルヴェイジャン製法を採用し、リスレザーという上質な素材を使用した高級靴です。
一方、クレマンのフローダ/フローダンは、セメンテッド製法でより軽量に仕上げられており、価格もシャンボードの半分以下。
見た目は似ていますが、履き心地はよりカジュアルで柔らかい印象です。
履き心地の違い
フローダンは、安定感のある厚めのラバーソールと程よいクッション性を備えており、日常使いに十分な快適さを持っています。
一方で、シャンボードは革質や作りの精密さから「重厚で安定感抜群」という印象。
クレマンの方はもう少し軽快でラフに履けるため、シャンボードを気軽に楽しみたい人に向いています。
サイズ感とフィット感の注意点
履き心地の良し悪しは、サイズ選びでも大きく変わります。
クレマンはヨーロッパブランドらしく、やや細めの木型を採用しており、日本人の足型には少しタイトに感じる場合があります。
甲が高い人や足幅が広い人は、通常サイズよりワンサイズ上げるのがおすすめです。
また、初めて履くときは厚めの靴下を避け、短時間から慣らしていくと、革が徐々に柔らかくなりフィットしてきます。
「つま先が当たる」「甲がきつい」といった違和感がある場合は、無理せずインソールやサイズ交換で調整することが大切です。
クレマンの履き心地を長く保つコツ
どんなに履き心地の良い靴でも、日々のケア次第で快適さは変わります。
クレマンの靴を長く快適に履くためのポイントを紹介します。
- 履いた後はブラッシング
汚れを落として革の通気性を保つことで、硬化やひび割れを防ぎます。 - 定期的な保革クリーム
乾燥を防ぎ、柔軟性を維持するために2〜3週間ごとに軽く塗布。 - シューツリーの使用
型崩れを防ぎ、履き皺を最小限に保ちます。これにより履き心地も変わりにくくなります。 - 雨の日の乾燥
濡れたら新聞紙などで水分を取り、直射日光を避けて陰干し。ラバーソールでも中底が湿ると硬化の原因になります。
これらを意識するだけで、クレマンの快適な履き心地を何年も楽しめます。
クレマンの靴の履き心地まとめ
クレマンの靴は、ワークシューズをルーツに持ちながらも、履きやすさと上品さを両立させたフランスの実力派ブランドです。
特にパドロールは、柔らかな履き心地・クッション性・防水性・デザイン性のバランスが良く、革靴初心者にもおすすめ。
また、シャンボード風のフローダンはよりクラシックで安定感があり、革靴上級者にも満足感を与えてくれます。
履き心地の良さを長く保つには、サイズ選びと日々のケアが何より大切。
きちんと手入れをしながら履き続けることで、クレマンの靴は年月とともにあなたの足に馴染み、唯一無二の一足に育っていくはずです。


