最近、「安全靴=地味で無骨」というイメージが少しずつ変わってきています。
現場でもおしゃれを楽しみたい、自分らしいデザインでモチベーションを上げたい——そんな声から注目されているのが「カスタムできる安全靴」です。
今回は、デザインも機能も“自分好み”に仕上げられる最新トレンドを紹介します。
なぜ今、カスタム安全靴が人気なのか
昔は安全靴といえば「黒・重い・無難」の3拍子が定番でした。
しかし最近は、若手職人を中心に“ファッションとしての安全靴”という考え方が広がっています。
作業服メーカーや安全靴ブランドもその流れを受け、「見た目もかっこいい」安全靴を次々とリリース。さらに、自分でデザインを選べる「カスタムオーダー」サービスまで登場しています。
カスタム安全靴が人気の理由は、単なる見た目の変化だけではありません。
たとえば――
- 現場で他の人と被らない“オンリーワン”の靴を履ける
- 自社ロゴや名前入りでチーム感・統一感を出せる
- 履くこと自体が楽しみになり、仕事へのモチベーションが上がる
といった“気持ちの部分”にも影響を与えるからです。
安全性だけでなく、「自分らしさ」を求める時代にぴったりのアイテムと言えるでしょう。
カスタムできる要素はこんなに多い!
一口にカスタムといっても、変えられる部分は想像以上に多彩です。
ここでは代表的なカスタム要素を紹介します。
1. 素材と構造をカスタム
アッパー素材(レザー・メッシュ・合皮など)やソール素材(ゴム・EVA・PUなど)を選べるモデルもあります。
素材が変わると軽さや通気性、見た目の印象も大きく変わります。
また、つま先保護の先芯もスチール・グラスファイバー・樹脂などから選択でき、用途や作業環境に合わせた調整が可能です。
2. カラー・デザインをカスタム
アッパーのベースカラー、ステッチの糸色、ソールの配色など、細かい部分を自分好みに設定できるサービスも登場しています。
和柄やトライバル柄、カモフラージュなどの装飾を加えられる店舗もあり、「現場で映える靴」を作りたい人に人気です。
3. 名前やロゴ入れ
個人名や会社ロゴを刺繍やプリントで入れるオプションも好評です。
特に企業単位で統一デザインにするケースでは、チームの一体感を高める効果もあります。
4. フィット感のカスタム
BOAシステムなどのダイヤル式締め具を採用したモデルでは、着脱やフィットの調整がワンタッチ。
「作業中でもすぐ締め直せる」点が支持されています。
足幅(ワイズ)や甲高に合わせてサイズ展開を細かく選べるブランドも増えています。
注目ブランドとカスタム事例
AOKI ORIGIN(青木安全靴製造)
革靴のような高級感を持つ安全靴を展開する老舗メーカー。
クロコ調レザーやカラーソールなど、上質な素材でカスタムを楽しめるのが特徴です。
「安全靴でもここまでおしゃれにできるのか」と驚くほどの完成度で、現場でも話題になっています。
アシックス(ASICS)
アシックスの安全靴は、機能性とデザインのバランスが絶妙。
一部モデルでは、カラーやデザインパターンの変更、社名ロゴの追加などを受け付ける店舗もあります。
特にCP304 BOA シャークティースVer2やBOA搭載モデルは人気が高く、カスタム安全靴としてのベースにも最適です。
作業服のだいまつ(D-SPIRIT)
若手職人向けに「安全靴カスタム」サービスを展開するショップ。
蛍光色や和柄など、派手めなデザイン提案も得意で、Instagramでも話題。
個人注文から法人単位の大量発注まで幅広く対応しています。
カスタム安全靴の機能トレンド
デザイン性だけでなく、機能性でも進化が止まりません。
最近のカスタム安全靴には、次のような最新トレンドがあります。
- 軽量化:長時間履いても疲れにくい設計。EVAソールやメッシュ素材が主流。
- 通気性向上:アッパーの通気孔やメッシュ構造でムレを防ぐ。
- 滑りにくいソール:油や水の多い現場でもしっかりグリップ。
- デザイン×安全性の両立:おしゃれなのにJIS・JSAA規格を満たす製品も多数。
つまり、今や「安全か」「かっこいいか」を選ぶ時代ではなく、“両方”を求めることができる時代なのです。
オーダーの流れとカスタム料金の目安
実際にカスタム安全靴を注文する場合の流れは、次のようになります。
- ベースとなる靴のモデルを選ぶ
- カラー・素材・仕様を指定
- 名入れ・ロゴ入れなどのオプションを追加
- 見積もり・納期確認
- 加工・完成・納品
価格は内容により異なりますが、一般的には「靴本体+加工費+オプション費」。
たとえば、アッパー部分のカスタムで7,000円前後、名前入れで2,000円程度が目安です。
納期は個人注文で1〜2週間、法人発注だと1か月ほどかかることもあります。
カスタム安全靴を選ぶときのポイント
カスタムに夢中になるとつい見た目優先になりがちですが、次の3点を押さえておきましょう。
- 用途に合った機能を確保する
現場によっては、JIS規格の先芯や耐滑性が必須です。まず安全性能を確認。 - 色や素材はメンテナンスも考慮
明るい色は汚れが目立ちやすく、レザー素材は水に弱い場合も。作業環境に合わせて選びましょう。 - コストと納期のバランス
カスタム箇所が増えるほどコストも時間も増えます。優先順位を整理するのがコツです。
企業導入も進む“チームで履くカスタム安全靴”
近年は、企業単位で安全靴を統一する動きも広がっています。
現場での一体感やブランディングを重視し、会社カラーやロゴ入りの靴をオーダーするケースが増加。
社員の士気向上にもつながると好評です。
SNSや広報写真でも映えるため、「現場の見た目もプロフェッショナルに仕上げたい」という企業から支持を集めています。
今後のトレンド:カスタム×テクノロジーの融合
これからは、オンライン上でカスタムシミュレーションができる時代へ。
色や素材を3D表示で選び、その場でプレビューできるサービスも登場し始めています。
さらに、リサイクル素材を使ったエコ仕様や、足形スキャンによるパーソナルフィットなど、機能とデザインの両面で進化が加速中。
安全靴も「ただの作業靴」ではなく、「履く楽しみ」「個性の表現」へと変わっていくでしょう。
カスタムできる安全靴で、仕事も気分もアップデートしよう
カスタム安全靴は、仕事道具でありながらファッションの一部でもあります。
お気に入りのデザインに仕上げれば、毎日履くたびに気分が上がるはず。
“安全靴=我慢して履くもの”という時代はもう終わり。
機能もデザインも妥協せず、自分だけの一足を作ってみませんか。
カスタムできる安全靴で、あなたの現場スタイルをもっと自由に。


