オニツカタイガーのスニーカーを手に取ったとき、かかと部分の“後ろのタグ”が気になったことはありませんか？
一見すると単なるデザインの一部に見えるこのタグ、実はブランドの品質や本物か偽物かを見極める重要なポイントなんです。この記事では、その意味から見分け方、そして注意すべきポイントまで、分かりやすく解説していきます。
後ろのタグは「補強」と「ブランドの象徴」
まず、オニツカタイガーのスニーカーに付いている“後ろのタグ”は、単なる飾りではありません。
このパーツは「ヒールフラップ」や「ヒールタブ」とも呼ばれ、靴のかかと部分を補強するための重要な構造部です。歩行時に最も負荷がかかるのはかかと。そこを支えるのがこのタグであり、履き心地と耐久性の両方を高める役割を果たしています。
さらに、オニツカタイガーではこのタグ部分に特徴的な“クロスステッチ”が施されています。
このX字のステッチはブランドの象徴的なディテールであり、見た目のアクセントであると同時に補強構造として機能しています。つまり、「デザイン性」と「機能性」を兼ね備えたオニツカらしい部分なのです。
正規品のタグに見られる特徴
正規のオニツカタイガー製品には、後ろのタグやヒール部分に共通した特徴があります。
一つひとつ見ていくと、職人の丁寧な仕事ぶりが伝わってきます。
- ステッチが均一で歪みがない
X字のクロスステッチが左右対称で、縫い目の幅やテンションが均一。縫い跡にブレがありません。 - 素材の質感が上質
レザーやスエードなど、モデルごとに異なる素材が使われますが、いずれも質が高く、チープさがないのが特徴です。光沢感や手触りも自然で、安っぽい合皮とは一線を画します。 - タグの形状が整っている
かかとのカーブにしっかりフィットし、立体的で滑らかなラインを描きます。左右の高さや角度もきちんと揃っています。 - 裏側まで丁寧な仕上げ
外から見えない部分のステッチや接着の処理もきれい。裏の縫い代や接着剤のはみ出しがなく、全体に統一感があります。
これらの要素は見た目の美しさだけでなく、靴としての機能性にも直結しています。
正規品では長時間履いても形が崩れにくく、履き心地も安定しているのが特徴です。
偽物の後ろタグに見られる違和感
一方で、偽物（コピー品）ではこの「後ろのタグ」に粗が出やすいのが実情です。
一見本物そっくりでも、細部をよく見ると違和感が隠れています。
- ステッチが雑で歪んでいる
クロスステッチが非対称だったり、糸がほつれていたりすることがあります。縫い目が粗く、場所によってテンションが異なるのも偽物の典型。 - 素材が安っぽい
合皮や硬すぎる素材が使われている場合が多く、触ったときに“ペラペラ感”があるのが特徴です。正規品のような自然な柔らかさやツヤは見られません。 - 形が不自然
ヒール部分が歪んでいたり、タグのラインが左右でズレていたりすることがあります。これは製造過程での精度不足によるものです。 - 縫い目の端処理が粗い
裏側を見ると糸が飛び出していたり、接着剤がはみ出していたりすることがあります。これは大量生産された偽物によくある特徴です。
後ろのタグは靴の構造を支える大事なパーツ。
だからこそ、手を抜けば一目で分かってしまうのです。
後ろのタグをチェックする理由
では、なぜ後ろのタグを見ることが“偽物チェック”に有効なのでしょうか？
それには3つの理由があります。
- かかと部分は靴の中でも特に製造コストが高い部分だから
ヒール補強には手間がかかるため、偽物業者はここでコストを削る傾向があります。結果として縫製が雑になったり、素材が簡素化されたりするのです。 - 靴全体の品質が集約される部分だから
縫製・素材・成形の精度など、全体のクオリティが最も出やすいのがかかと。タグを見ればその靴全体の完成度が分かるとも言われます。 - 見た目で簡単にチェックできるから
特別な道具を使わず、目視と手触りだけで判断しやすいポイント。特に中古やフリマで買う場合には、誰でも確認できる実践的な方法です。
つまり、「後ろタグ」は単なる飾りではなく、
品質の象徴であり、真贋を見極める“チェックウィンドウ” でもあるのです。
後ろのタグ以外に確認すべきポイント
もちろん、後ろのタグだけで偽物を断定するのは危険です。
最近ではタグまで精巧に再現された偽物もあり、複数のポイントを合わせて判断することが大切です。
- アッパーの素材とステッチの質
触ったときの柔らかさや厚み、縫い目の均一さを確認します。 - ロゴのフォントと印字精度
「Onitsuka Tiger」の文字が滲んでいたり、フォントが微妙に違う場合は要注意。 - アウトソール（靴底）の刻印やパターン
正規品は溝が均一で刻印が深いのに対し、偽物は浅くてぼやけたものが多いです。 - 価格と販売ルート
あまりに安い価格や、正規店でないショップ・フリマアプリなどはリスクが高いです。
このように複数の要素を総合して見ることで、より正確に真贋を判断できます。
注意すべき落とし穴と限界
ここまで読んで、「後ろタグを見ればすぐに分かる」と思うかもしれませんが、いくつか注意点もあります。
- 経年劣化で正規品も形が崩れる場合がある
長年履いた靴や洗濯したものは、正規品でも縫い目が歪んだり、形が変わったりします。 - モデルや生産ロットで仕様が異なる
すべてのオニツカタイガーに同じタグ構造があるわけではありません。モデルや年代によって仕様が変わることも。 - 偽物の精度が年々上がっている
最近では縫製や形状まで精密に再現したコピーも登場しています。ヒールだけで判断するのは危険です。
だからこそ、タグのチェックに加えて「公式取扱店で購入する」「複数箇所を確認する」など、慎重な姿勢が重要です。
オニツカタイガーを安心して選ぶために
オニツカタイガーは、長年愛されている日本発のブランドです。
だからこそ人気が高く、偽物が出回りやすいのも事実。
後ろのタグの意味を理解しておくことは、安心して購入するための第一歩です。
もし気になるモデルを見つけたら、
かかとのタグをチェックしてみてください。ステッチの丁寧さ、素材の質感、形の美しさ——そこにブランドの誇りと職人の技が宿っています。
オニツカ タイガー 後ろ の タグを正しく理解して選ぼう
オニツカタイガーのMexico 66は、靴の構造を支える大切なパーツであり、
同時に正規品と偽物を見分ける重要なサインでもあります。
見た目の美しさに隠れた“機能”と“品質”を知ることで、より安心してお気に入りの一足を選ぶことができます。
正しい知識を持って、自信をもってオニツカタイガーを楽しみましょう。
