はじめに:オニツカタイガーの新章を象徴する「レッドコンセプト」
オニツカタイガーと聞くと、クラシックなスニーカー「MEXICO 66」や、スタイリッシュなデザインの「GSM」などを思い浮かべる人が多いでしょう。そんなブランドがいま、新たなステージへと踏み出しています。その象徴が「レッドコンセプト」。
銀座やロンドンに展開される「レッドコンセプトストア」では、鮮やかな赤を基調に、オニツカタイガーの伝統と未来が融合した独自の世界観が広がっています。この記事では、ブランドがこの“赤”に込めた意味、ストアの特徴、そして代表モデルを通じて見えてくる新しいオニツカタイガーの姿をじっくり解剖していきます。
オニツカタイガーの進化と「レッドコンセプト」誕生の背景
1949年に創業したオニツカタイガーは、スポーツシューズメーカーとしてスタートしました。戦後の日本で「若者の健全な育成を足元から支えたい」という思いから誕生し、その技術力とデザイン性で世界中にファンを広げてきました。
しかし近年のオニツカタイガーは、単なるスポーツブランドではありません。ファッション性を重視し、ライフスタイルブランドとしての立ち位置を確立するために、ストアデザインやコレクションの世界観を再構築しています。
この転換の中核にあるのが「レッドコンセプト」。
ブランド創業75周年という節目に合わせて登場したこのコンセプトは、“伝統と革新の融合”をテーマに掲げています。オニツカタイガーの原点にあるクラフトマンシップを再認識しつつ、現代的なデザインと体験を通して、新しい価値を発信しているのです。
「赤」という色に込められた意味
なぜ“赤”なのか。これはレッドコンセプトを理解するうえで欠かせないポイントです。
オニツカタイガーが採用する赤は、単なる装飾や流行色ではなく、ブランドの精神を象徴する色です。赤は情熱・力強さ・生命力の象徴であり、ブランドが歩んできた75年の歴史と、これからの挑戦への意志を示しています。
また、日本文化では赤は「魔除け」「祝い」「再生」を表す色でもあります。銀座レッドコンセプトストアでは、この日本的な意味合いを現代的な空間デザインで再解釈。ミニマルな構成の中に、赤と黒のコントラストが生み出す緊張感や美しさが際立ちます。
さらに、この色使いには“日本らしさの再発見”というテーマも潜んでいます。オニツカタイガーは世界中で愛されるブランドですが、そのルーツはあくまで日本。レッドコンセプトの赤は、グローバル展開を進める中でも「日本発ブランドである誇り」を示すサインなのです。
レッドコンセプトストアとは? 体験型の新しい店舗体験
銀座レッドコンセプトストア
東京・銀座にある「ONITSUKA TIGER GINZA RED CONCEPT STORE」は、ブランドの象徴的な旗艦店です。店内は床・壁・天井のすべてが鮮やかな赤で統一され、訪れた瞬間に独自の世界観に包まれるような没入感があります。
地下1階はオニツカタイガーのアイコン「MEXICO 66™」を中心に構成されたエリア。アーカイブモデルの展示や限定カラーの販売が行われるほか、購入したスニーカーに刺しゅうを施すカスタムサービスも用意されています。自分だけの一足を作れるという“体験価値”は、今のオニツカタイガーが目指す方向性そのものです。
さらに2階には「TORA CAFÉ 75」というカフェスペースを併設。コーヒーやスムージー、オリジナルスイーツなどが楽しめ、ブランドの世界観を“味覚”でも感じられる空間になっています。買い物だけでなく、滞在する楽しさを提供することで、ブランド体験をより豊かにしているのです。
ロンドン・コベントガーデン店
2025年には、ヨーロッパ初のレッドコンセプトストアがロンドン・コベントガーデンにオープンしました。ここでも、赤を基調とした大胆な空間デザインと、日本建築の美学を取り入れたモジュール構造が融合。ガラスや鏡面の素材を多用し、光の反射で店内がまるでアートインスタレーションのように輝きます。
これは単なる店舗ではなく、「ブランドを体験するギャラリー」。オニツカタイガーが世界に発信する“日本的モダン”の象徴として、今後の海外展開の中心になるといわれています。
レッドコンセプトが示すブランド戦略
レッドコンセプトは、オニツカタイガーのブランド構造の中で「過去の名作を再解釈するヘリテージライン」として位置づけられています。対になる存在が「イエローコンセプトストア」で、こちらはよりアバンギャルドなファッション路線を担っています。
つまり、赤は“伝統の継承”、黄は“未来への挑戦”。この二軸によって、オニツカタイガーはブランド全体のバランスを取っているのです。
特にレッドコンセプトは、「スポーツウェアには見えないけれど、スポーツ由来の機能を持つ服」という新しい哲学のもとに展開されています。クラシックなデザインの中に最新の技術を忍ばせ、ファッションと機能性の融合を目指す。そこに“日本的な緻密さと情熱”が重なり、他のブランドにはない独自性を生み出しています。
代表モデル「MEXICO 66™」が担う象徴的役割
レッドコンセプトを語る上で欠かせないのが「MEXICO 66™」です。
1966年に誕生したこのモデルは、オニツカタイガーの象徴ともいえるトラストライプを初めて採用した一足。軽やかなフォルムと独特のレトロ感が特徴で、今なお世界中のファッションシーンで愛され続けています。
銀座レッドコンセプトストアの地下フロアがこのモデル専用に設けられていることからも、その重要性は明らかです。アーカイブモデルや限定カラーが並ぶ空間は、まさに“オニツカタイガーの原点”。過去の名作を現代の視点で見つめ直す場として、多くのファンを惹きつけています。
また、刺しゅうサービスによるカスタマイズも注目ポイント。自分のイニシャルや記念日を入れた一足は、単なるスニーカーを超えた“パーソナルな作品”になります。レッドコンセプトが重視する「体験」と「個性」がここに凝縮されているのです。
世界へ広がるレッドコンセプトの可能性
オニツカタイガーは、創業75周年を迎えた今、ブランド再構築の真っ只中にあります。日本国内で培った職人技とデザイン哲学を、レッドコンセプトを通じてグローバルに発信し始めています。
ロンドンに続き、アジアやヨーロッパの主要都市でも同様のストア展開が計画されており、「レッド=ブランドのDNA」を世界に伝える重要な象徴となるでしょう。
さらに、オニツカタイガーはファッションブランドとしての評価も高まっています。パリ・ミラノ・東京などのファッションウィークにも積極的に参加し、デザイナーアパレルやコラボモデルを発表。スポーツブランドとしての枠を超え、ラグジュアリーファッションの一角に食い込む勢いを見せています。
その中で、レッドコンセプトは“ブランドの心臓部”。伝統を守りながら新しい表現を模索する――その姿勢こそ、今のオニツカタイガーの魅力なのです。
まとめ:レッドコンセプトが映すオニツカタイガーの未来
レッドコンセプトは、オニツカタイガーの過去と未来をつなぐ架け橋です。赤という色に込められた情熱、日本の美意識、そしてクラフトマンシップ。それらをひとつの空間と体験に凝縮したのが、この新しいコンセプトストア。
MEXICO 66 に代表されるように、オニツカタイガーは伝統を大切にしながらも進化を止めないブランドです。
今後、レッドコンセプトがさらに世界各地へ展開していくことで、「日本発ブランドの美学」がより多くの人に伝わっていくでしょう。
オニツカタイガーのレッドコンセプトは、単なる“赤い店”ではなく、ブランドが自らを再定義する象徴なのです。


