ニューヨーク発のブランド「Aimé Leon Dore（エメレオンドレ）」と、アメリカの老舗シューズブランド「New Balance（ニューバランス）」のコラボは、スニーカーファンやファッション愛好家の間で今や定番の話題です。両者が手を組むたびに即完売となる限定モデルが登場し、その度に世界中で注目を集めています。この記事では、そんなエメレオンドレ×ニューバランスの魅力、代表的なモデル、そして入手方法までをじっくり解説します。
エメレオンドレとは？ストリートとクラシックを融合させたブランド
まずは、コラボの一方である「エメレオンドレ」について。
2014年にニューヨーク・クイーンズでTeddy Santis（テディ・サンティス）によって設立されたブランドで、90年代のヒップホップカルチャーやバスケットボール、プレッピースタイルなどを現代的に再解釈したファッションが特徴です。上質な素材とクラシックなシルエット、そしてNYのリアルな空気感をミックスしたデザインは、ストリートウェアの中でも異彩を放っています。
ブランド名の「Aimé Leon Dore」は、創設者の家族の名前やギリシャのルーツを反映したもの。どこか温かみとノスタルジーを感じさせる背景があり、その“物語性”がブランドの魅力の一部になっています。
ニューバランスとの関係とコラボの始まり
エメレオンドレとニューバランスの関係は、単なるコラボレーションの枠を超えた長期的なパートナーシップです。Teddy Santisは2021年にニューバランスの「Made in USA」ラインのクリエイティブディレクターにも就任しており、以降、ALDの美学がニューバランスの製品づくりに直接反映されています。
この関係性が生んだのは、「単なる限定スニーカー」ではなく、両ブランドの価値観が交差した“文化的プロジェクト”。エメレオンドレの都会的な色使いと、ニューバランスのクラフトマンシップが融合することで、クラシックでありながらモダンなスニーカーが次々と誕生しています。
コラボの魅力：クラシックを再構築するデザイン哲学
エメレオンドレ×ニューバランスのスニーカーが人気を集める理由はいくつかあります。
1. アーカイブモデルを再解釈するセンス
コラボの多くは、ニューバランスのアーカイブモデルをベースにしています。たとえば「993 Mulberry Green」「990v4」「550」「993」「Rainier」など、ブランドの歴史を象徴するモデルを現代的な感性でアップデート。ヴィンテージ感のあるカラーや上質なスウェード、メッシュ素材を使い、クラシックなのに新鮮な印象を生み出しています。
2. カラーパレットの絶妙さ
ALDの特徴のひとつは、トーンを抑えた上品なカラーリングです。オリーブ、バーガンディ、クリーム、ネイビーなど、落ち着いた色を組み合わせることで、日常のファッションにもなじみやすい一足に仕上げています。単なる派手な限定モデルではなく、長く履ける「日常の上質」を体現しているのです。
3. “文化”を感じさせる世界観
エメレオンドレはスニーカーだけでなく、ブランド全体で“ニューヨークの文化”を発信しています。
ブランドのカフェ兼ショップでは、スニーカーと同じトーンのインテリアが使われ、音楽や香り、接客までもが統一された世界観で展開されています。スニーカーを履くという行為自体が、その世界の一部になるような感覚を味わえるのです。
人気モデル紹介：名作の数々
ここからは、特に注目を集めた代表的なコラボモデルを紹介します。
550
ALD×NBの中でも最も象徴的な存在といえるのが「550」。
もともと1989年に登場したバスケットボールシューズを復刻し、ALDの手で再構築したことで再び脚光を浴びました。ホワイト×グリーン、ネイビー×クリームなどのクラシックな配色が特徴で、スニーカーブームの中で“レトロモダン”のトレンドを作り出したモデルです。シンプルながらも存在感があり、ストリートにもトラッドにも合わせやすい万能さがあります。
990シリーズ（v2〜v6）
「Made in USA」ラインの代表格である990シリーズも、ALDのタッチで多くの名作が誕生しました。特に990v4 “Olive”や“Grey”は、上質なスエード素材と絶妙なカラーで人気を博しています。機能面でも高いクッション性と安定感があり、ファッション性と履き心地を両立した一足です。
993 “Mulberry Green”
2025年リリースの「993 Mulberry Green」は、ワインレッドとフォレストグリーンを掛け合わせた温かみのあるカラーが特徴。ベースはランニングシューズながら、タウンユースにも溶け込むデザインで、スニーカーコレクターの注目を集めています。国内販売価格はおよそ39,000円前後（時期・地域により変動）とされ、抽選形式での販売が予定されています。
Rainier
1982年のハイキングブーツをベースにした「Rainier」も、ALDらしいクラシックアウトドアスタイルを表現した一足。コーデュラ素材やビブラムソールを使い、ファッション性と実用性を兼ね備えています。街でも山でも映える万能ブーツとして人気を広げています。
入手方法：抽選・公式・リセールを駆使する
エメレオンドレ×ニューバランスのコラボスニーカーは、基本的に「数量限定」「抽選販売」が主流です。入手難易度が高いため、購入を狙うなら以下の手順を押さえておきましょう。
1. 公式オンラインストアをチェック
まず狙うべきは、エメレオンドレ公式サイト（aimeleondore.com）とニューバランス公式オンラインストアです。特にALDは発売前にニュースレター登録者向けの先行情報を配信することが多く、メール登録は必須。日本国内では「New Balance Japan」公式でも抽選情報が発表される場合があります。
2. リリースカレンダーを活用
SNKRDUNKやSneaker Wars、Hypebeastなどのスニーカーニュースサイトでは、最新のリリース情報や抽選スケジュールを随時更新しています。発売日・応募期間・店舗情報などをこまめにチェックしましょう。
3. 海外抽選やセカンダリーマーケットも視野に
ALDはニューヨークを拠点としているため、日本未展開カラーや海外限定モデルも多数存在します。StockXやGOATなどの正規リセールプラットフォームを利用すれば、安全に購入できる場合もあります。ただし価格は定価より高くなる傾向があるため、信頼できる出品者・サイトを選ぶことが大切です。
価格相場とリセール動向
コラボモデルの定価はおおむね3〜4万円台ですが、人気モデルになるとリセール市場で倍以上の価格がつくこともあります。特に初期の「550」や限定カラーの「993」などは希少性が高く、数年経っても高値を維持しています。
とはいえ、プレミア価格での取引を推奨するものではありません。正規ルートでの購入を基本とし、価格は「参考相場」として捉えておくのが安心です。
スタイリングの魅力：履くだけで完成する“余裕感”
エメレオンドレ×ニューバランスの魅力は、スニーカー単体の美しさだけではありません。
シンプルなデザインなのに、履くだけで全体のコーディネートに“余裕と品”が生まれる点が大きな特徴です。デニムやチノパン、スウェットなど日常的なスタイルに合わせても浮かず、かつ程よく個性を引き出してくれます。男性だけでなく、ユニセックスに使えるのもポイントです。
今後の展開と注目ポイント
テディ・サンティスがニューバランスのクリエイティブディレクターを務める限り、このコラボは今後も続くと見られます。
最新の動向としては、次期「990v6」や「1906R」ベースの新色が登場するという噂もあり、ますます目が離せません。
また、ALD自身の店舗拡大やカフェ展開、ライフスタイル提案の強化により、スニーカー以外の領域でもニューバランスとの連携が進む可能性があります。ブランド間の関係は単なる販売企画ではなく、アメリカンカルチャーの再構築としての意味を持っているのです。
エメレオンドレ×ニューバランスの魅力をもう一度
エメレオンドレ×ニューバランスのコラボスニーカーは、デザイン、ストーリー、機能、希少性のすべてが融合した特別な存在です。
クラシックを現代に蘇らせ、履く人のライフスタイルそのものを表現するような深みがあります。これほど“文化”と“靴”が結びついたコレクションは他に多くありません。
抽選販売や限定リリースで入手は容易ではありませんが、その過程すらもファッションの楽しみの一部。
あなたもぜひ、エメレオンドレ×ニューバランスの世界を体感してみてください。
