最近、街で見かけるスニーカーにも変化が出てきました。単にデザインや履き心地を重視するだけでなく、**「環境に優しい素材を使っているか」**という観点で選ぶ人が増えています。そんな流れの中で注目を集めているのが、エコ素材スニーカー。
今回は、地球にも足にも優しい最新のエコスニーカー事情をたっぷりと紹介していきます。
エコ素材スニーカーとは?今、なぜ注目されているのか
エコ素材スニーカーとは、製造過程から素材まで環境負荷をできるだけ抑えて作られたスニーカーのことです。
一般的なスニーカーは、合成皮革や石油由来プラスチックなどが多く使われていますが、これらはリサイクルしにくく、廃棄時に環境に負担を与えることがあります。
そこで登場したのが、再生素材・天然素材・生分解性素材を使ったスニーカー。
「おしゃれもしたいけど、地球にも優しくありたい」――そんな思いを形にしたのがエコ素材スニーカーです。
注目される背景には、ファッション業界全体の“サステナビリティ化”があります。
大量生産・大量廃棄が課題とされる中で、各ブランドが「長く履ける」「再利用できる」靴作りに力を入れ始めました。さらに、環境意識の高い消費者の支持を受けて、いまや一つのトレンドとして定着しつつあります。
エコ素材スニーカーに使われる主な素材
では、具体的にどんな素材が「エコ」なのでしょうか?ここでは代表的な5つを紹介します。
1. オーガニックコットン
化学肥料や農薬を使わずに育てられた綿花。環境への負担を減らしながらも、柔らかく通気性がよいのが特徴です。アッパー部分やライニングなどに使用され、ナチュラルな風合いが楽しめます。
2. 再生プラスチック(リサイクルPET)
海洋プラスチックや使用済みペットボトルを再利用した素材。
耐久性も高く、見た目も一般的なメッシュ素材と変わりません。adidas Parley for the Oceansやナイキなど大手ブランドも積極的に採用しています。
3. 天然ゴム・リサイクルラバー
ソール部分には、リサイクルラバーや野生採取された天然ゴムが使われることがあります。これにより、石油由来ゴムの使用を減らすと同時に、廃棄時の環境負荷も軽減できます。
4. 植物由来のフォーム素材
サトウキビやトウモロコシなどの植物由来成分を使った「バイオベースEVA」フォームは、軽量でクッション性にも優れています。Allbirdsなどが代表的なブランドです。
5. メリノウールやユーカリ繊維
通気性が良く、温度調整にも優れた天然素材。メリノウールは柔らかく肌触りが良いため、裸足でも快適に履けるモデルも多く登場しています。
代表的なエコスニーカーブランドと人気モデル
ここからは、世界的にも注目を集めるサステナブルスニーカーブランドを紹介します。
● VEJA(ヴェジャ)
フランス発のブランド。オーガニックコットン、アマゾン産の野生ゴム、リサイクルプラスチックを使用し、透明性のある生産体制を実践しています。
シンプルでミニマルなデザインが特徴で、「V」のロゴが印象的。環境意識の高いファッションアイコンたちにも愛用者が多く、エコスニーカーの代名詞的存在です。
● Allbirds(オールバーズ)
ニュージーランド発のブランドで、ZQメリノウールやユーカリ木繊維、サトウキビ由来ソールなど、自然素材を徹底的に活用。
全製品のカーボンフットプリント(CO₂排出量)を公開しており、環境負荷を「数値」で見える化しています。履き心地が非常に柔らかく、長時間歩いても疲れにくいのも魅力。
● Cariuma(カリウマ)
ブラジル発。サステナブルな素材に加え、1足購入につき2本の植林を行う取り組みでも話題に。
天然ゴムや再生キャンバス素材を使いながら、デザインはストリートテイストで幅広い世代に人気です。
● adidas Parley for the Oceans(アディダス「パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ」シリーズ)
海洋プラスチックの再利用をテーマにしたコラボライン。見た目はスポーティで機能性も高く、環境意識を持ちながらアクティブに動きたい人にぴったりです。
● Nike Move to Zero(ナイキ「ムーブ トゥ ゼロ」プロジェクト)
「ゼロカーボン、ゼロウェイスト」を目指すナイキの環境プログラム。
リサイクルポリエステルやリサイクルフォームを使い、未来のスポーツを支える“持続可能なデザイン”を推進しています。
エコ素材スニーカーの選び方ポイント
初めてエコスニーカーを選ぶときは、次の3点を意識すると失敗しません。
1. 素材と製造過程の透明性をチェック
「オーガニック」「リサイクル」と書かれていても、その根拠が明示されていないケースもあります。
ブランドの公式サイトで、素材の由来や工場の労働環境などが公開されているか確認しましょう。
2. 耐久性と履き心地のバランス
エコ素材だからといって妥協する必要はありません。
最近のモデルは、従来のスニーカーに引けを取らないクッション性・通気性を備えています。長く履けることも、環境への配慮の一つです。
3. 自分のライフスタイルに合うか
通勤用、休日のお出かけ、アウトドアなど、用途によって求める性能は変わります。
シーンに合わせて選ぶことで、デザインも履き心地もより満足のいく一足に出会えるはずです。
エコスニーカー業界の最新トレンド
環境配慮の動きは素材だけではありません。
近年では、製造や流通の段階でも新しい取り組みが進んでいます。
- カーボンフットプリントの開示:各ブランドが製品ごとのCO₂排出量を公開
- 再利用・リサイクルプログラム:不要になったスニーカーを回収し、新しい靴に再生
- 修理サービスの拡充:長く履くことで廃棄を減らす
- ゼロカーボン製造:製造過程での排出ガスを限りなくゼロに近づける試み
これらは単なる流行ではなく、「消費」から「循環」へとファッションが進化している証です。
これからの時代に求められる“サステナブルな選択”
私たちが靴を選ぶという小さな行動も、積み重なれば大きな変化を生み出します。
エコ素材スニーカーを選ぶことは、単なるおしゃれの延長ではなく、「地球への優しさを日常に取り入れる」行為です。
履き心地が良く、デザインも洗練されていて、しかも環境に優しい。
そんなスニーカーが今、確実に増えています。
もし次に新しい一足を探すなら、デザインや価格だけでなく、その靴がどんな素材で、どんな想いで作られたのかを少し意識してみてください。
きっと、あなたの足元が少しだけ未来志向に見えるはずです。
エコ素材スニーカーで、地球と一緒に歩こう
エコ素材スニーカーは、ファッションの新しい常識になりつつあります。
お気に入りの一足を見つけることは、自分のスタイルを楽しむことでもあり、同時に未来への投資でもあります。
これからの時代、「おしゃれ」と「サステナブル」は両立するのが当たり前。
あなたの次のスニーカー選びは、ぜひエコ素材スニーカーから始めてみてください。


