スニーカー好きなら一度は耳にしたことがある「イギリス発のスニーカー」。
アメリカや日本に比べると少し落ち着いた印象を持つかもしれませんが、実はイギリスには、クラシックな美学と革新的なデザインが見事に融合したブランドが数多く存在します。
この記事では、そんなイギリス発スニーカーブランドの魅力を、歴史・特徴・代表モデルとともにじっくり解説していきます。
イギリススニーカーの魅力は「伝統×革新」
イギリスのスニーカーには、他国のブランドにはない“独特の気品”があります。
もともと革靴文化が根付いている国だけに、靴づくりの技術や素材へのこだわりが非常に高い。さらに、ミニマルで上品なデザインセンスが加わることで、トレンドに左右されない“長く履ける一足”が生まれています。
多くのブランドが100年以上の歴史を持ち、熟練の職人技を現代のスタイルに落とし込む姿勢も特徴的です。つまり、イギリスのスニーカーは「クラシックでありながら、常に進化している」。そんな矛盾を美しくまとめた存在と言えるでしょう。
Reebok(リーボック)|世界で愛される英国の革新者
1895年に誕生したリーボックは、イギリスを代表するスポーツブランド。
スポーツパフォーマンスの追求から始まり、今ではストリートファッションの定番としても確固たる地位を築いています。
特に象徴的なのが「インスタポンプフューリー」。
シューレースを廃し、空気の圧でフィット感を調整する“ポンプシステム”を搭載したこのモデルは、90年代のスニーカーブームを牽引しました。
未来的なデザインでありながら、どこかレトロな雰囲気を持つそのバランス感が、まさにリーボックらしさです。
一方で、テニスシューズがルーツの「CLUB C」シリーズも根強い人気。
クリーンなホワイトレザーに控えめなロゴというシンプルなデザインは、どんなコーデにも馴染みます。スポーツでも日常でも活躍する万能な一足です。
Gola(ゴーラ)|100年以上愛される英国のロングセラーブランド
1905年創業のゴーラは、イギリス最古級のスニーカーブランドの一つ。
フットボールやラグビーのシューズづくりからスタートし、今ではレトロスポーツスタイルの代名詞として知られています。
看板モデルは「Harrier」。
細身のシルエットに、サイドのラインが印象的なクラシックデザインです。スエード素材の上質な質感と、ヴィンテージライクなカラーリングが特徴。
履き込むほどに風合いが増し、まるで“育てるスニーカー”のような魅力があります。
また、近年は「Made in England」コレクションとして、英国製の限定ラインも展開。伝統的な製法を守りつつ、現代的な配色や軽量ソールを採用するなど、進化を止めないブランドとして注目されています。
Fred Perry(フレッドペリー)|上品さとスポーティの絶妙な融合
フレッドペリーといえば月桂樹のロゴ入りポロシャツが有名ですが、実はスニーカーラインも秀逸。
テニスプレーヤーのフレッド・ペリー本人が創設したブランドらしく、スポーティでありながら品格を感じさせるデザインが特徴です。
定番モデルの「B721 Leather」は、上質なレザーを使用し、どんな服装にも合うミニマルな仕上がり。ロゴ刺繍のさりげなさが英国らしい洗練を感じさせます。
一方「B4 Suede」などスエード素材のモデルは、季節感のあるスタイルづくりにも最適です。
フレッドペリーのスニーカーは、いわば「革靴感覚で履けるスニーカー」。
通勤にも使えるほど落ち着いていて、それでいて軽快さもある。大人の足元にふさわしい一足です。
Walsh(ウォルシュ)|職人が生み出す“Made in England”の誇り
イングランド北西部ボルトンで生まれたウォルシュは、今もなお英国製を貫く数少ないスニーカーブランド。
創業者ノーマン・ウォルシュは、かつてリーボックの製造にも関わっていた職人で、品質へのこだわりは折り紙付きです。
代表作「ENSIGN」や「TORNADO-T」は、軽量でクッション性が高く、スポーツシーンでも活躍できる実力派。
さらに、英国らしい配色やクラシックな形状がファッションとしても人気です。
どこか懐かしく、それでいて現代的。そんな絶妙なバランスがウォルシュの魅力です。
Admiral(アドミラル)|ミリタリールーツを持つ英国カジュアル
1914年、英国海軍のユニフォームサプライヤーとして誕生したアドミラル。
その後、サッカーを中心にスポーツブランドとして成長し、現在ではスニーカーやウェアを展開しています。
アドミラルのスニーカーは、すっきりとしたフォルムと軽快な履き心地が特徴。
代表モデル「ALBIE」や「NOAH」は、どちらもシンセティックレザーを使用し、上品さと耐久性を両立しています。
クラシックな印象を保ちながら、現代的なシルエットに仕上げているのが魅力です。
イギリスのスポーツカルチャーをルーツに持ちながら、ファッションブランドとしても存在感を放つアドミラル。
普段使いにもぴったりな“英国カジュアル”を体現しています。
現代の英国ブランドにも注目したい
伝統ブランドだけでなく、近年のイギリスでは新しいスニーカーブランドも次々と登場しています。
たとえば、ロンドン発の「Stepney Workers Club」は、クラフト感のあるキャンバススニーカーで人気急上昇中。
「Good News」はサステナブル素材を採用し、環境意識とデザイン性を両立しています。
「Duke + Dexter」や「A-Cold-Wall*」のようなモード系ブランドも、スニーカーを通して英国的な新しいスタイルを発信中です。
これらの新鋭ブランドは、伝統をリスペクトしながらも、現代的なテイストを加えることで新しい層のファンを獲得しています。
“クラシックの次”を探している人にこそ試してほしい存在です。
イギリススニーカーが愛される理由
イギリス発スニーカーが世界で評価される理由は、デザインだけではありません。
長年培われた職人の技術、素材へのこだわり、そして「飽きのこない美しさ」が根底にあるからです。
ファッションとしての側面も強く、スーツスタイルにも合わせられる品の良さを備えているのも特徴。
アメリカのスニーカーが“カジュアルの王道”だとすれば、イギリスのスニーカーは“上品な日常”を演出するアイテムと言えるでしょう。
スニーカー イギリス|クラシックと革新を足元から楽しもう
イギリス発のスニーカーブランドには、歴史に裏打ちされた確かな品質と、現代の感性を取り入れた革新性があります。
リーボックのようなグローバルブランドから、ウォルシュやゴーラのようなローカルブランドまで、その魅力は実に多彩。
どのブランドにも共通するのは「長く履ける一足をつくる」という哲学です。
ファッションのトレンドが変わっても、上質なスニーカーはいつの時代も価値を失いません。
あなたもぜひ、イギリスのスニーカーを通して“伝統と革新の融合”を足元から体感してみてください。


