スニーカー好きなら一度は耳にしたことがある「アディダス4D」。見た目にもインパクトのある格子状のミッドソールが特徴で、「未来の履き心地」とも言われています。でも、実際に履いてみるとどうなのか。この記事では、アディダス4Dの履き心地を中心に、その仕組みや使い心地、どんな人におすすめかを徹底的に紹介します。
3Dプリント技術が生んだ「4Dミッドソール」の正体
アディダス4Dシリーズの最大の特徴は、3Dプリンターで作られたミッドソール。格子状のラティス構造が、見た目だけでなく機能面でも重要な役割を果たしています。
この構造は、アディダスが約18年分のアスリートデータを解析し、500万パターン以上の設計から導き出した最適な形。素材には光硬化性樹脂とポリウレタンを組み合わせ、衝撃を前方への推進力に変えるように設計されています。
従来の発泡フォーム(EVAやBOOSTなど)は「沈んで戻る」縦方向の動きが中心でしたが、4Dでは「沈んで前へ押し出す」という横方向の動きをプラス。まさに、“構造そのものがクッションと反発を生む”という考え方です。
履いた瞬間に感じるのは「硬いのに柔らかい」不思議な感覚
初めてアディダス4Dを履いたとき、多くの人が「予想より硬い」と感じるはずです。
ただし、それは悪い意味ではありません。柔らかく沈み込むタイプのスニーカーとは異なり、4Dは“構造が足を支えながら動きを前へ導く”タイプ。最初はしっかりとした硬さを感じつつも、歩き出すと自然に前へ進むような推進感があります。
一歩踏み出すたびに、格子状のミッドソールがわずかに変形して荷重を分散。その後、圧縮された構造が元に戻るとき、前方への反発を生み出します。これが、履いてみて初めてわかる“未来的なクッション性”の正体です。
長時間履いても疲れにくい理由
アディダス4Dは、単に新しい構造を採用しているだけではありません。実際に長時間履いて歩いても疲れにくいという声が多いのも特徴です。
その理由は、ミッドソールの「衝撃吸収と推進のバランス」。沈み込みすぎず、過度に反発しすぎない設計によって、足裏にかかる負担をうまく分散しています。
また、ソール全体で荷重を受け止める構造になっているため、特定の部位(踵や前足部)だけに圧が集中しないのもポイント。これにより、通勤や街歩き、ジョギングなど長時間の使用でも快適さが続きます。
さらに、アッパーにはプライムニット素材を採用したモデルが多く、靴下のように足を包み込むフィット感。これが格子状ソールとの相乗効果で、自然な体重移動をサポートしてくれます。
他のスニーカーと比べてどんな違いがある?
アディダスには「BOOST」や「ライトストライク」など、人気のクッション素材が数多くあります。それらと4Dを比べてみると、履き心地の方向性がはっきり違うことに気づきます。
- BOOST: 柔らかく沈み込むタイプ。履いた瞬間のふわっとした感触が魅力。
- ライトストライク: 軽量で弾むような反発力。スピードランナー向け。
- 4D: 構造そのものが推進力を生む。着地から蹴り出しまでの流れがスムーズ。
つまり、4Dは“柔らかさよりも前進感”を重視するスニーカー。着地の衝撃をエネルギーとして利用し、自然に次の一歩を促す仕組みになっています。そのため、走るというより「滑るように前へ進む」感覚が強く、ウォーキングや長時間の移動に最適です。
実際のユーザーが感じたリアルな履き心地
レビューやSNSでの感想を集めると、共通して挙げられるのが次のような声です。
- 「履いてすぐは硬めだけど、歩き出すと自然に前へ転がる感覚がある」
- 「格子状のソールが衝撃を吸収してくれるので、足の裏が痛くならない」
- 「見た目以上に安定感があって、長時間歩いても疲れない」
- 「ランニングよりも街履き・ジョグ向き。重さは少しあるけど、その分安定している」
一方で、「通気性がやや劣る」「重めに感じる」という意見も見られます。特に夏場の使用やスピードランナーには不向きと感じる人も。ただし、その分しっかりした着地感があるため、安定性を求めるユーザーには好評です。
デザイン性とファッション性の高さも魅力
アディダス4Dは、テクノロジーシューズでありながら、ファッション性が非常に高いのも特徴。
格子状のミッドソールが未来的で、足元にインパクトを与えます。特に「トリプルブラック」や「ミントグリーン」などのカラーリングは、街でも存在感抜群。ファッションスニーカーとして愛用している人も少なくありません。
また、近年のモデルではアッパーが進化し、より軽く通気性のあるメッシュ素材を採用。カジュアルにもスポーティにも合わせやすく、日常のスタイリングに自然に溶け込みます。
「見た目で選んでも後悔しない機能性スニーカー」と言えるでしょう。
アディダス4Dが向いている人・向いていない人
実際の履き心地や特性を踏まえると、アディダス4Dが“合う人”“合わない人”ははっきりしています。
向いている人
- 長時間歩くことが多い
- 足の安定感やサポート性を重視する
- 靴のテクノロジーやデザイン性にもこだわりたい
- 衝撃吸収よりも「スムーズな前進感」を求める
向いていない人
- 軽さを最優先したい
- 柔らかく沈み込むクッションが好き
- 夏場など高温環境で履く機会が多い
このように、好みや使用シーンによって評価が分かれやすいモデルですが、日常の快適さを重視するなら試す価値は十分あります。
代表的なモデルとそれぞれの特徴
アディダス4Dシリーズにはいくつかのモデルがあります。中でも代表的な3種を簡単に紹介します。
- アディダス4DFWD
ランニング向けに設計された最新モデル。衝撃を前方推進力に変える技術を採用し、より滑らかな着地から蹴り出しへ導く。 - ウルトラ4D
人気モデル「ウルトラブースト」と4D技術を融合。柔軟性と安定性のバランスが取れており、ファッションスニーカーとしても人気。 - フューチャークラフト4D
4D技術の原点。プロトタイプに近い構造で、デザイン性が高く、コレクターからも支持されている。
それぞれに個性があり、用途に合わせて選ぶとより快適な履き心地を体験できます。
実際に履いてわかった「未来的な履き心地」
筆者が最も印象に残ったのは、「硬いのに前へ進む」感覚でした。
普通のスニーカーでは着地した瞬間に沈み込み、次に地面を蹴り返すイメージですが、4Dは沈んだ瞬間に“押し出される”感じがある。歩くたびに前へ滑らかに進み、脚の疲れ方も違うのがわかります。
また、歩行中の姿勢が自然と整うような印象もあり、長時間の外出でも足の裏や膝への負担が少なく感じました。
「単なるスニーカー」ではなく、「足の動きをサポートしてくれるツール」としての完成度が高いモデルです。
アディダス4Dの履き心地を体感してほしい理由
アディダス4Dは、単に新しい素材を使ったスニーカーではなく、データとテクノロジーが融合した“構造的な快適さ”を実現しています。
着地の衝撃を吸収して前方へ変える仕組みは、従来のクッションとは一線を画すもの。履けばわかる、独特の推進感と安定感があります。
「未来的な履き心地」という言葉は決して大げさではありません。最初の一歩で感じる違和感が、やがて心地よさに変わる。その体験こそが、アディダス4Dの最大の魅力です。
スニーカーに“次の時代の履き心地”を求めるなら、アディダス4Dは間違いなく試す価値のある一足でしょう。


