2025年、ファッションとスポーツの垣根を軽やかに越えるコラボレーションが再び話題を集めています。それが「アシックス×セシリーバンセン」。日本のスポーツブランド・アシックスと、デンマークの人気デザイナー、セシリー・バンセンによる最新コレクションです。ランニングシューズの機能性と、クチュールのような繊細なデザインが見事に融合したこのシリーズは、世界中のスニーカーファンやファッション好きの注目を集めています。
この記事では、2025年に登場した新作モデルの特徴や背景、デザインの魅力、購入情報までを一挙に紹介します。
セシリーバンセンとは?北欧発の「日常に寄り添うクチュール」
まずは、このコラボを語るうえで欠かせないデザイナー、セシリー・バンセンについて。彼女はデンマーク・コペンハーゲンを拠点に活動するファッションデザイナーで、2015年に自身の名を冠したブランドをスタートさせました。
特徴的なのは、ふんわりとしたボリュームのあるシルエット、花を思わせる立体的なモチーフ、そして透明感のある素材使い。いわゆる「フェミニン」な世界観を持ちながらも、どこか構築的で、モダンな雰囲気を纏っています。彼女自身が提唱する「Everyday Couture(日常の中のクチュール)」というコンセプトは、まさに今回のアシックスとのコラボにも通じるもの。スポーツとファッション、実用と美を共存させる挑戦がここにあります。
アシックス×セシリーバンセンのコラボの歴史と2025年の位置づけ
アシックスとセシリーバンセンの初コラボは2023年。アップサイクル素材を使ったランニングシューズが話題になり、世界的に高い評価を受けました。以降もシーズンごとにコラボモデルを発表し、スニーカーの枠を超えた「ファッションアイテム」としての地位を築いています。
そして2025年。この年は両者のコラボレーションにおいて特別な意味を持ちます。アシックスが新たに立ち上げた「Signature Series(シグネチャーシリーズ)」の第一弾として、セシリーバンセンが再び登場。テクノロジーと美の融合をさらに進化させたコレクションとなりました。
GEL-CUMULUS 16 SSCB ― 透け感と花柄が織りなす日常のエレガンス
2025年6月に発売された「GEL-CUMULUS 16 SSCB」は、今回のコラボの幕開けを飾るモデルです。
アッパーには半透明のメッシュ素材を使用し、その上に繊細な花柄のプリントが重なります。シューズのレース部分はトグル式で、花の形をした留め具がアクセント。セシリーらしいディテールが、ランニングシューズに優雅な印象を与えています。
カラー展開はグレー、アイボリー、ブラックなど。どれも柔らかく、どんな服にも合わせやすいニュートラルなトーンです。アシックスのGELテクノロジーによるクッション性はそのままに、ファッションとしての美しさが際立つ一足。まさに「Everyday Couture」を体現しています。
GEL-KAYANO 20 コラボ ― 構築美とフェミニンの融合
2025年5月に登場したもう一つの注目作が「GEL-KAYANO 20 Cecilie Bahnsen」。2013年に誕生した人気ランニングモデルをベースに、クチュール的な美学を取り入れた再構築モデルです。
カラーは「Vanilla/Pure Silver」と「Olive Canvas」の2色。リネン調の素材にメタリックな花柄を重ねたり、シアーメッシュの上に立体的なステッチを走らせたりと、素材の質感でコントラストを演出しています。履き口にはメリージェーンを思わせるベルトデザインが加わり、クラシックでありながらも機能的。
ソールにはアシックス独自のGELクッションとTRUSSTICシステムを搭載。安定性と柔軟性を両立し、デザイン性だけでなく実際の履き心地も一級品です。「構造と柔らかさ」「テクニカルとフェミニン」──そんな二面性がこのモデルの最大の魅力です。
“Everyday Couture”という哲学が息づくデザイン
このコラボ全体に通底するのは、「Everyday Couture」というコンセプト。日常的に履けるスニーカーでありながら、まるでドレスのように美しい。そんな両立を目指したのがセシリーバンセンの哲学です。
アシックスのランニングシューズは、もともと快適性と機能性を追求した設計が特徴。その上に、セシリーが得意とするシアー素材やフラワーモチーフを重ねることで、アスレチックとロマンティックの融合が生まれています。軽やかで構築的、スポーティでありながらエレガント。まさに現代のファッションスニーカーの理想形です。
購入方法と発売情報 ― 抽選や限定販売に注目
2025年のコレクションはどれも限定生産。発売時期ごとにオンラインストアや特定店舗での販売が行われ、抽選方式が採用されるケースも多く見られます。
GEL-KAYANO 20 は5月16日にアシックス原宿や公式オンラインで発売。GEL-CUMULUS 16 SSCB は6月27日にリリースされ、同日にはセシリーバンセン公式サイトやスニーカー専門店でも取り扱われました。販売数は限られており、「一人一足まで」といった制限が設けられることもあります。
そのため、購入を考えている人は事前の情報収集が必須です。アシックスの公式ニュースレターや、セシリーバンセンのSNSアカウントをチェックしておくと最新情報を逃さずに済みます。
なぜこのコラボが注目されるのか
アシックス×セシリーバンセンのコラボが注目を浴びる理由は、単に話題性があるからではありません。それは、現代のスニーカーカルチャーの変化を象徴しているからです。
かつてスニーカーはスポーツやストリートの文脈で語られることが多いものでした。しかし近年、ファッションブランドやデザイナーとのコラボが増え、「スニーカー=ファッションの一部」という考え方が定着。特に女性デザイナーが手がけるスニーカーは、フェミニンな表現と機能性を兼ね備えた新しい価値観を提示しています。
セシリーバンセンのデザインは、そうした潮流の最前線にあります。アシックスの技術力と融合することで、性別やスタイルを問わず楽しめる“ジェンダーレスな美しさ”を実現。ファッションとしてのスニーカーを真に進化させたと言えるでしょう。
ファッションとしての価値と履き心地の両立
アシックスのシューズは、言うまでもなく機能面で信頼性が高いブランドです。長年ランナーを支えてきたクッション性、安定感、耐久性は折り紙つき。その設計が、セシリーバンセンの美学と出会うことで、デザイン性と実用性の両立が実現しました。
例えば、長時間の外出や旅行でも疲れにくい構造。かかとの安定性と柔らかな履き心地は、スニーカーとしての本質を保ちながらも、ファッションとして楽しめる完成度を誇ります。
また、素材の選び方にもこだわりが感じられます。リサイクル素材の活用や、透明感のある軽やかな生地など、環境と美意識の両立を意識した設計は現代的。単なるコラボスニーカーではなく、「未来のスタンダード」を感じさせる完成度です。
今後の展開と期待される次のモデル
2025年のコレクションは、アシックスの「Signature Series」のスタートを象徴するものであり、今後も続編が期待されています。GEL-TERRAIN や GEL-NYC、GEL-QUANTUM など、過去にベースとして採用されたモデルの新バージョンも予想されます。
また、スニーカーにとどまらず、セシリーバンセンの世界観を反映したアパレルラインの展開もあり得ます。ランニングやストリートだけでなく、日常のスタイルを豊かにするアイテムとして、アシックス×セシリーバンセンの可能性はまだまだ広がりそうです。
アシックス×セシリーバンセン2025年コレクションの魅力を徹底解説!注目スニーカーまとめ
最後にもう一度、今回のコレクションの意義をまとめましょう。
アシックス×セシリーバンセンの2025年モデルは、スポーツとファッションの融合を新たな段階へと導きました。GEL-CUMULUS 16 SSCB の軽やかさ、GEL-KAYANO 20 の構築美、どちらも日常に取り入れられる「アートのような機能美」を体現しています。
このコラボが教えてくれるのは、「履くことそのものが表現になる」ということ。スポーツブランドの技術と、デザイナーの感性が手を取り合うことで、スニーカーは単なる靴ではなく、ライフスタイルそのものを彩る存在へと進化しました。
2025年、アシックス×セシリーバンセンのスニーカーは、私たちの足元に新しい風を吹き込む――その確信を感じるコレクションです。


