アシックスが展開するバレーボールシューズの中でも、軽量性と安定感を両立したモデルとして人気を集めているのが「アシックス V SWIFT FF 3(ブイスウィフト FF 3)」です。この記事では、その実際の性能や履き心地、どんなプレーヤーに向いているのかを、レビューと技術情報を交えて詳しく解説していきます。
軽量性と安定性の両立を目指したモデル設計
アシックス V SWIFT FF 3 は、「より素早い動きを求めるプレーヤーへ」をコンセプトに開発されたオールラウンドタイプのバレーボールシューズです。アシックスのフラッグシップモデル「SKY ELITE FF 3」や「METARISE 2」がジャンプ性能に特化しているのに対し、V SWIFTシリーズはフットワークの軽さと安定感のバランスを重視しています。
ミッドソールには軽量クッション素材「FLYTEFOAM(フライトフォーム)」を採用。これはアシックス独自のフォーム材で、従来よりも約55%軽量化されながらも反発性と耐久性を両立しているのが特徴です。
この素材が、素早いステップや切り返し時の軽快な足運びを支えつつ、ジャンプ後の着地衝撃を適度に吸収してくれます。
中足部には「TWISTRUSS(ツイストラス)」と呼ばれる安定構造を内蔵。足のねじれを防ぎ、素早い方向転換時のブレを抑制します。これにより、スパイクレシーブやディグのような低い姿勢での動きでも安定感が得られる仕様となっています。
フィット感と屈曲性がもたらす俊敏な動き
アッパー素材は、従来モデルよりもさらに薄く設計されており、足へのフィット感が格段に向上しています。足とシューズが一体化するような感覚があり、反応の遅れを最小限に抑えます。
特に屈曲性に優れており、前方向へのステップやつま先での細かい動きがスムーズ。リベロやセッターなど、細かいフットワークを多用するプレーヤーから「軽い」「すぐに動ける」と高い評価を得ています。
通気性も向上しており、アッパーの通気孔とメッシュ構造によって長時間の試合でも蒸れにくいのが魅力です。
実際のレビューで見る長所と短所
長所
- 軽量で動きやすい:前作よりも軽量化されており、素早い横移動や切り返しに適しています。
- 屈曲性が高くステップが滑らか:つま先の動きがスムーズで、反応速度が向上。
- 足と一体化するようなフィット感:アッパーの薄さにより、ダイレクトな操作感を実現。
- 反発力とクッション性のバランスが良い:踏み込みの反発が感じられ、着地時も安定。
- オールラウンドで使いやすい:攻守どちらのプレーにも対応可能。
短所
- アッパーが薄く、剛性感に欠けると感じる人も:しっかりしたホールド感を好む人にはやや物足りない場合がある。
- クッション性は標準的:極端に柔らかい履き心地を求める人には向かない。
- 幅広足の人はサイズ選びに注意:標準ラストのため、フィットしにくいケースもある。
これらの点を踏まえると、「軽さと動きやすさを優先したい」プレーヤーに特に向いているモデルといえるでしょう。
他モデルとの比較で見えるV SWIFT FF 3の立ち位置
アシックスのバレーボールラインアップの中で、アシックス V SWIFT FF 3 は中間的なポジションに位置します。
上位モデルである「SKY ELITE FF 3」や「METARISE 2」は、ジャンプ時の爆発的な反発力や空中安定性を重視した設計。一方で、V SWIFT FF 3 は守備・攻撃・レシーブなど、すべての動きに対応できる万能モデルです。
また、後継機である「V SWIFT FF 4」ではさらなる軽量化が進み、前足部までTWISTRUSS構造を延長することで反応速度が向上しています。しかし、そのぶん足へのサポート感はやや軽くなる傾向にあり、V SWIFT FF 3の方が安定感を重視したバランス設計といえます。
したがって、「軽さと安定感のどちらも譲れない」「守備も攻撃もこなしたい」というプレーヤーにとって、V SWIFT FF 3 は非常に扱いやすいポジションにあります。
技術的特徴を深掘り:反発と安定を両立する構造
アシックス V SWIFT FF 3 の「反発性」と「安定性」を支えるのは、アシックス独自の3つの技術です。
- FLYTEFOAM ミッドソール
軽量でありながら優れた反発性を発揮。ジャンプの踏み込みや着地時に足をしっかりサポートします。 - TWISTRUSS 中足部構造
ねじれを抑え、安定した方向転換をサポート。スパイク後の着地や守備への切り替えもスムーズ。 - AHARPLUS アウトソール
耐摩耗性の高いゴム素材を採用し、体育館フロアでのグリップ力を長く維持します。
これらの要素が合わさることで、軽快な動きと安定した足元を両立しているのです。
実際のプレーヤー評価と使用感
プレーヤーからの口コミをまとめると、以下のような傾向が見られます。
- 「軽くて跳ねる感覚がある」
- 「レシーブやブロック時の動き出しが速くなった」
- 「長時間の練習でも足が疲れにくい」
- 「幅が少し狭めなので、ワンサイズ上げた方がちょうどいい」
一方で、「もう少しクッション性が欲しい」「柔らかい履き心地が好みの人には固く感じる」という声も少数見られます。
全体的には高評価が多く、特に学生や社会人プレーヤーの間で“万能型シューズ”として選ばれています。
プレースタイル別おすすめポイント
- リベロ・セッター
素早い反応と軽快な動きを重視するポジションに最適。足さばきの良さがプレーの正確性を高めます。 - スパイカー
反発性のあるFLYTEFOAMがジャンプの踏み切りをサポートし、滞空時間を感じさせるほどの軽さ。 - オールラウンダー
攻守どちらもこなすプレーヤーには、バランスの取れた設計がフィット。練習から試合まで幅広く活躍。
このように、V SWIFT FF 3 は特定のプレースタイルに偏らず、チーム内でのさまざまな役割をカバーできる点が魅力です。
デザインとカラー展開
アシックス V SWIFT FF 3 は性能だけでなく、デザイン性の高さでも評価されています。アシックスらしいラインを残しつつ、現代的なミニマルデザインを採用。
ホワイト×ゴールドやブラック×シルバーなど、ユニフォームやチームカラーに合わせやすい配色が揃っています。
男女兼用モデルとして展開されており、ジュニアプレーヤー向けのサイズレンジも豊富です。
購入時の注意点とサイズ選び
サイズ感は「標準」または「ややタイト」とされており、幅広足のプレーヤーは0.5cm〜1.0cmアップして選ぶと快適です。
また、靴下の厚さや中敷きを変えることで微調整も可能です。
初めて購入する場合は、アシックス直営店やスポーツ専門店で試着して、自分の足型に合うか確認するのがおすすめです。
総評:アシックスV SWIFT FF 3は万能型バレーボールシューズの完成形
アシックス V SWIFT FF 3 は、「軽さ」「安定感」「反発力」を高次元でまとめ上げたバレーボールシューズです。
特定の動作に特化するのではなく、試合全体を通してバランスよくプレーしたい人に向けて設計されています。
特にリベロやセッターなど俊敏な動きを求めるポジションのプレーヤー、あるいは一足で練習から試合までこなしたいオールラウンダーにとって理想的な選択肢です。
軽量性を活かして素早く動きたい、でも着地時の安定も欲しい。そんな相反するニーズを見事に融合したのが、V SWIFT FF 3 といえるでしょう。
まとめ:アシックスV SWIFT FF 3の性能レビューを終えて
アシックス V SWIFT FF 3 は、軽量ながらしっかりした安定感を持ち、素早いフットワークと反発性を両立したオールラウンドモデルです。
FLYTEFOAMやTWISTRUSSといったアシックス独自のテクノロジーが、俊敏な動きと足の保護をバランスよく支えます。
どんなポジションでも使いやすく、長時間の練習にも耐える設計。これからバレーボールシューズを新調するなら、まず試してみる価値のある一足です。


