スニーカー好きの間でじわじわと再注目を集めているモデル、アシックスPTG（GEL-PTG）。
「なんとなく見たことある」と感じる人も多いかもしれません。実はこのシューズ、1980年代の名作バスケットボールシューズ「FABRE POINTGETTER」をルーツに持つ、アシックスの中でも特別な存在なんです。
この記事では、そんなPTGの人気の理由をデザイン・履き心地・ブランド戦略などの観点からじっくり掘り下げていきます。
1980年代のDNAを受け継ぐアシックスPTGの原点
アシックスPTGの原型となった「FABRE POINTGETTER」は、1983年に登場した競技用バスケットボールシューズです。
当時はグリップ力とフィット感を重視した設計で、選手たちから高い評価を得ていました。その後、一度市場から姿を消しますが、2010年代半ばに「アシックスタイガー（ASICS TIGER）」としてライフスタイルラインが再構築されるタイミングで、PTGとして復刻。
つまりこのシューズは、「スポーツの歴史とストリートの現在」を繋ぐハイブリッドモデル。
80年代の空気感を残しつつ、現代の生活にフィットするよう設計が刷新されています。ノスタルジックなルックスの裏に、アシックスの長年の研究が息づいているのです。
クラシックデザインが愛される理由
PTGの人気を語る上で外せないのが、そのクラシックなデザイン。
白を基調としたアッパーにアシックスの象徴「タイガーストライプ」。余計な装飾を排したミニマルなフォルム。どこを取っても“王道スニーカー”と呼べる完成度があります。
しかし単なる懐古主義ではありません。
シューレースの太さを微妙に太くする、素材感を上質にするなど、細部に現代的なアップデートが施されています。結果として、レトロでありながら現代の街にも溶け込むデザインに仕上がっています。
ファッション面でも汎用性が高く、ジーンズやチノパンはもちろん、スラックスと合わせても違和感がありません。
ストリートからきれいめまで、あらゆるコーディネートに馴染む万能スニーカー。これがPTGが多くの人に愛される理由のひとつです。
シンプルなのに奥深い — 細部に宿る職人技
アシックスのシューズは「日本人の足に合う作り」として知られています。PTGも例外ではなく、クラシックな見た目の中に、丁寧なフィッティング設計が隠れています。
・アッパーの縫製は、1980年代のディテールを再現しつつ現代的な製法で強度を確保。
・アウトソールには当時のピボットサークル（回転時の滑りを抑える円形パターン）をそのまま残し、レトロな雰囲気と機能性を両立。
・素材も人工皮革やスエードなど、多彩なバリエーションを展開し、季節やスタイルに応じて選べる自由度を確保。
このような**「見た目以上に手が込んだ」作り込み**こそ、PTGの奥深さです。単なるリバイバルではなく、ひとつの完成された“今の靴”として再構築されているのです。
履き心地の秘密は「fuzeGEL」にあり
PTGの魅力はデザインだけにとどまりません。実際に履くと驚くのが、そのクッション性と安定感です。
ヒール部分にはアシックス独自の「fuzeGEL」を搭載。
これは軽量かつ衝撃吸収性に優れた素材で、歩行時の足への負担を大きく軽減してくれます。もともとバスケットシューズの構造をベースにしているため、接地面の安定性も高く、長時間の街歩きでも疲れにくい。
さらに中底やインソールの素材も現代仕様に変更され、足あたりが柔らかくなっています。特に甲や小指の圧迫を感じにくく、従来の「硬いクラシックスニーカー」のイメージを覆す快適さ。
レトロな外観とは裏腹に、履き心地は最新世代のスニーカーといっても過言ではありません。
バリエーションの豊富さが生む選択の楽しさ
GEL-PTGは、ローカット以外にもさまざまなバリエーションがあります。
代表的なのが、ハイカットモデルの「GEL-PTG MT」。よりオリジナルのバッシュに近いシルエットで、足首のホールド感が高く、ファッション性も抜群です。
さらに、防水仕様の「GEL-PTG GTX」など機能特化型モデルも登場。雨の日も履けるスニーカーとして人気を集めています。
素材違い・カラー違い・コラボ限定なども豊富で、シンプルながら奥の深いコレクション性を持っています。
こうした**“選ぶ楽しさ”**も、PTGを支持する大きな理由のひとつです。
ファッションとの相性が抜群な理由
アシックスPTGは、派手さよりも“品のある存在感”で魅せるスニーカーです。
ミニマルなデザインだからこそ、服装を選びません。トレンドのワイドパンツにも、スリムなデニムにもマッチします。特に、白ベースのモデルは清潔感があり、シーンを選ばない万能カラー。
最近では「レトロ・ミニマル・クラシック」といったキーワードがファッションの主流になっており、PTGの持つ要素がまさに時代にフィットしています。
スニーカーでありながら大人っぽく履ける。そんな“落ち着きのある一足”として、男女問わず人気を集めているのです。
アシックスが描く「スポーツからライフスタイルへ」
アシックスはこれまで、競技用シューズメーカーとしてのイメージが強いブランドでした。
しかし、PTGのようなモデルを通じて、ライフスタイル領域へのシフトを明確に打ち出しています。
「スポーツの技術を、日常に落とし込む」
このコンセプトのもと、デザインだけでなく機能性や快適性を追求し、ストリートやファッションの分野にも存在感を広げています。
特にPTGは、アシックスの“過去と未来をつなぐ象徴的モデル”。
クラシックを大切にしながらも、新しい価値を創り出すブランドの方向性を示す一足といえるでしょう。
実際のレビューに見るリアルな評価
レビューサイトや購入者の声を見ていくと、PTGの評価は総じて高いです。
・「クッションが柔らかく、歩いていて疲れにくい」
・「シンプルで服を選ばない。通勤にも履ける」
・「昔のポイントゲッターを思い出して懐かしい」
一方で、「ややタイト」「サイズ感が小さい」と感じる声もあり、購入時はワンサイズ上を検討する人もいます。
それでも総じて「快適」「長く履ける」「飽きがこない」といったポジティブな感想が多く、愛用者のリピート率が高いのも特徴です。
今、再び注目を集める理由
アシックスPTGが再び注目されている背景には、いくつかの時代的要因があります。
- レトロトレンドの再燃
70〜90年代のスニーカー文化が再評価される中で、PTGのような“原点回帰系”のモデルが再び脚光を浴びている。 - 快適性を求める日常靴需要の増加
コロナ禍以降、通勤や休日の外出でも「歩きやすく疲れにくい靴」を求める人が増えた。PTGはそのニーズにぴったり。 - ブランド再定義とサステナビリティへの対応
リサイクル素材や環境配慮型素材を採用したモデルも登場し、現代の価値観にもマッチしている。
これらの要素が重なり、PTGは“今履くべきクラシックスニーカー”として注目度を高めているのです。
まとめ：アシックスPTGが愛され続ける本当の理由
アシックスPTGは、単なる復刻モデルではありません。
それは、過去の名作を未来へと繋げる再解釈のプロダクトです。
・1980年代の名機FABRE POINTGETTERの遺伝子
・レトロでありながら現代的なデザイン
・fuzeGELによるクッション性と快適な履き心地
・多彩なバリエーションとファッション対応力
・ブランドが目指す「スポーツからライフスタイルへ」の象徴
これらすべてが噛み合い、PTGはアシックスの中でも独自の存在感を放っています。
流行に左右されず、長く愛用できる定番スニーカーを探しているなら、アシックスPTGは間違いなく候補に入る一足です。
アシックスPTGの人気の理由を改めて考える
クラシックな外見の裏に最新の快適性を備え、ストリートでも上品に映える。
アシックスPTGは、“履く人のライフスタイルに自然に寄り添うスニーカー”です。
トレンドが移り変わっても、自分らしく歩き続けたい人にこそ似合う。
そんな普遍的な魅力こそが、今なおPTGが支持され続ける最大の理由だと言えるでしょう。
