靴を選ぶとき、「サイズ」は気にしても「幅」までは意識していない人が多いかもしれません。
でも、実はこの“幅”こそが履き心地を大きく左右する要素。特にアシックスのように細かなサイズ設計を行うブランドでは、「3E」というワイズ（足囲）の違いがとても重要になります。
この記事では、「アシックス3Eとは何か？」をわかりやすく掘り下げながら、標準幅（2Eなど）との違いや、自分に合う靴を見つけるためのポイントを詳しく解説します。
3Eとは？足の幅を示す「ワイズ（足囲）」の基準
靴のサイズには「足の長さ（足長）」と「足の幅（足囲）」があります。
「25.5cm」という表記は足長の話ですが、同じ25.5cmでも人によって足の幅が違うため、快適さは大きく変わります。
この足の幅を示すのが「ワイズ（Width）」または「足囲（Foot girth）」です。
アルファベットで「A」「B」「C」「D」「E」「2E」「3E」「4E」と続き、Eの数が増えるほど幅が広くなります。
つまり「3E」とは、一般的な標準（2E）よりも少し広めの設計。
足の横幅が広い人や、甲が高い人に合わせた作りになっています。
アシックスでは「2E＝標準」「3E＝幅広」「4E＝かなり幅広」という位置づけが多くのモデルで採用されています。
標準幅（2E）との違いはどこにある？
「2Eと3Eって、そんなに違うの？」と思うかもしれません。
しかし、実際に履き比べてみると違いははっきり感じられます。
まず、2E（標準）は足の甲をしっかり包み込むようなフィット感。
ランニングやスポーツシーンでは足と靴の一体感を高め、安定した動きをサポートします。
一方、3Eは前足部（つま先の付け根あたり）に余裕があり、横方向に締めつけ感が少ないのが特徴です。
長時間歩く人や、立ち仕事が多い人、むくみやすい人にはこの“ゆとり”が快適に感じられるでしょう。
ただし、足が細めの人にとっては逆効果になることも。
ゆとりがありすぎると靴の中で足が動き、かかとが浮いたり、靴擦れの原因になることもあります。
つまり「広ければ快適」というわけではなく、自分の足に合った幅を選ぶことが大切です。
アシックスがワイズ展開を細かく分ける理由
アシックスが多くのモデルで2Eや3Eなどの展開を行うのは、日本人の足型に合わせた設計思想があるからです。
日本人の足は欧米人に比べて「甲が高く、幅が広い」傾向があるといわれます。
そのため、海外ブランドの靴では幅がきつく感じる人でも、アシックスの3Eなら自然にフィットするケースが多いのです。
さらにアシックスは、靴の内部構造「ラスト（木型）」を性別・用途・目的別に設計しています。
ランニングシューズとウォーキングシューズでは求められるフィット感が違うため、同じ「3E」でも実際の履き心地はモデルによって微妙に異なります。
たとえばウォーキングシューズなら「快適性重視のゆとり設計」、ランニングシューズなら「安定性と反発性のバランスを取ったワイド設計」という具合です。
3Eが合う人・合わない人の特徴
3Eが合う人
- 足幅が広い、または甲が高いと感じる人
- 長時間歩いたり立ち仕事が多く、むくみやすい人
- 通勤やウォーキングなどで“履き心地の余裕”を求める人
- 靴を履くといつも小指や親指の付け根が当たる人
3Eが合わない人
- 足が細めで、普段2Eでも余裕がある人
- 走る・トレーニングなど動きの多いシーンで使いたい人
- 靴の中で足がずれやすいと感じる人
幅が合っていない靴は、疲れやすさだけでなく、靴擦れや姿勢の崩れの原因にもなります。
足長と同じくらい、足囲を意識して選ぶことが快適な靴選びの第一歩です。
3Eの靴が持つ快適性とメリット
3Eの最大のメリットは「圧迫感のなさ」。
足の横幅や甲部分に余裕があるため、つま先の締めつけが軽減されます。
その結果、長時間歩いても足の指が痛くなりにくく、血行も妨げにくいのです。
また、アシックスではクッション素材やアッパーの伸縮性など、細部の設計でも快適性を高めています。
3Eモデルは単に“広いだけ”ではなく、足全体を自然に包み込む形状を目指して設計されています。
たとえば「かかとをしっかり支えるヒールカウンター」と「前足部の余裕」の両立など、機能面のバランスも考慮されています。
そのため、長距離通勤やウォーキング、立ち仕事のような“毎日履く”シーンで特に実感しやすい快適さがあります。
3Eを選ぶときに注意したいポイント
同じ「3E」でも、モデルやカテゴリーによって実際の幅感は違います。
たとえば、ランニング用の3Eは“安定性重視でややタイトめ”、ウォーキング用の3Eは“リラックス重視で広め”というように設計が異なります。
また、足の形は年齢や生活習慣でも変わります。
体重の増減や筋力の衰えによってアーチが下がると、足の幅が広がることもあります。
一度測ったサイズを過信せず、半年〜1年に一度は計測し直すのがおすすめです。
アシックスの直営店では、3D足形計測サービスを行っている店舗もあり、足長・足囲・アーチの高さまで詳細に測定できます。
こうしたデータを活用することで、3Eが本当に自分に合うかを客観的に判断できます。
3Eモデルを快適に履くためのコツ
せっかく3Eを選んでも、履き方を間違えると効果が半減します。
以下のポイントを意識してみましょう。
- 靴下の厚さを想定して試着する
- 紐は「つま先から順に少しずつ締める」ことでフィット感を調整
- 午後や夕方など、足がむくみやすい時間帯に試し履きする
- 両足で立った状態で、つま先に5〜10mmの余裕があるか確認する
このちょっとした工夫で、足に合った快適なフィットを得られます。
3Eモデルに多いおすすめカテゴリー
アシックスの3Eモデルは、特に以下のカテゴリーで豊富に展開されています。
- ウォーキングシューズ（Pedala、GELシリーズ）
柔らかいクッションとワイドラストで、通勤・街歩きにも最適。 - ランニングシューズ（GEL-CONTEND、GTシリーズなど）
前足部の圧迫を減らしつつ、安定感を重視した設計。 - 安全靴（ウィンジョブシリーズ）
足の保護と動きやすさを両立し、幅広でもしっかりフィット。 - キッズ・スクスクシリーズ
成長期の足に合わせたワイドタイプも展開し、ゆとりある設計。
モデルによっては「2E」「3E」「4E」が選べるものもあるため、自分の足囲に合わせて最適な幅を選ぶことができます。
自分の足囲を測ってみよう
自分が3Eなのか、2Eなのかを知るには、実際に足囲を測るのが一番確実です。
メジャーを使い、親指と小指の付け根の骨をぐるっと一周させて測定します。
その長さ（mm）をもとに、サイズ表で確認すると自分のワイズがわかります。
もし測定が難しい場合は、アシックス直営店やスポーツショップでスタッフに測ってもらうのもおすすめです。
特に左右で足の大きさが違う人も多いため、両足を測って確認するのが理想です。
まとめ：アシックス3Eとは、あなたの足に寄り添う“幅広設計”の選択肢
「アシックス3Eとは何か？」という問いに対して、一言でいえば“標準より少し広めの設計”です。
足の横幅が広い人や、長時間歩く人にとって、3Eはまさに頼れる快適仕様。
つま先の圧迫を和らげ、足全体に自然な余裕を持たせてくれます。
ただし、すべての人に万能ではありません。
細身の足には合わない場合もあるため、実際に履いて確かめることが大切です。
足のサイズと幅を知り、自分の体に合った一足を選ぶことが、快適で健康的な歩行につながります。
アシックスの3Eモデルは、単なる“幅広”ではなく、“あなたの足を楽にするための精密設計”。
ぜひ次の靴選びでは、足の長さだけでなく「幅」にも目を向けてみてください。
