ランナーの間で話題沸騰中の「アシックス メタスピード パリ」。
2024年に登場したこの最新モデルは、パリ五輪を意識したネーミングと革新的な機能性で注目を集めています。従来のメタスピードシリーズからどのように進化したのか、そしてどんなランナーにおすすめなのかを、わかりやすく丁寧に解説していきます。
メタスピード パリとは？進化した“次世代レーシング”の象徴
「アシックス メタスピード パリ」は、アシックスがトップランナー向けに開発した厚底カーボンシューズ「メタスピード」シリーズの最新作です。
従来モデル「メタスピード スカイ＋」や「メタスピード エッジ＋」の流れを継ぎながら、フォーム素材や構造を一新。軽量化と反発性の両立をさらに高めた一足として誕生しました。
名称の“パリ”は、2024年のパリ五輪を意識したモデル名。
「世界最速を目指すランナーのために作られた靴」という開発コンセプトが背景にあります。
このシリーズの特徴は、「走法に合わせて選べる」2種類の展開です。
- METASPEED SKY PARIS（スカイ パリ）：ストライド型ランナー向け
- METASPEED EDGE PARIS（エッジ パリ）：ピッチ型ランナー向け
走り方の違いに合わせて最適化されており、単なる“厚底カーボン”ではなく、ランナー個々のフォームを生かすための設計がなされています。
FF TURBO PLUSでさらに軽く、さらに速く
今回の「アシックス メタスピード パリ」最大のトピックは、ミッドソールに採用された新素材「FF TURBO PLUS（エフエフ ターボ プラス）」です。
これは従来の「FF TURBO」よりも約8％軽く、反発性が8％以上向上したとされています。
軽量化と高反発性は、マラソンやロードレースでのパフォーマンスに直結します。
着地時のエネルギーを素早く反発に変え、推進力として前方へ導くこの素材は、「跳ねるような走り」を実現。
走行中の脚の疲労を抑えながら、より長くスピードを維持できます。
さらに、クッション性も約6％アップ。
厚底特有のふわっとした感触に加え、安定性も確保されています。
この“柔らかさと反発のバランス”こそ、パリ世代の真骨頂と言えるでしょう。
SKY PARISとEDGE PARISの違いを解説
アシックス メタスピード パリには、前述の通り「スカイ」と「エッジ」の2タイプがあります。
それぞれの特徴を理解しておくことで、自分に合ったモデルを選びやすくなります。
■ METASPEED SKY PARIS（ストライド型ランナー向け）
ストライド走法とは、一歩の歩幅を大きく伸ばしてスピードを出すタイプの走り方。
METASPEED SKY PARISはこのスタイルに合わせて、プレートを上部に配置し、フォーム全体の圧縮で強い反発を生み出す構造になっています。
蹴り出し時の推進力が非常に強く、まるで地面を弾くような感覚。
大きなストライドを保ちたいランナーや、スピード維持力を重視するフルマラソンランナーに最適です。
「一歩ごとの伸び」が欲しい人には、このモデルがフィットします。
■ METASPEED EDGE PARIS（ピッチ型ランナー向け）
ピッチ走法とは、足の回転数を高めてテンポ良く走るタイプ。
METASPEED EDGE PARISでは、カーボンプレートを前傾配置し、蹴り出し方向へのエネルギー伝達をスムーズにしています。
かかと着地でも安定しやすく、スピードの上げ下げにも対応しやすいのが特徴。
スムーズな転がり感があり、フルだけでなく10km〜ハーフマラソンでも扱いやすい万能型です。
どちらも高反発・軽量設計ですが、走法の違いで「走りのリズム」が変わります。
自分がどちらのタイプかを理解し、フィットするモデルを選ぶことがベストです。
ミッドソール設計と厚みのバランス
アシックス メタスピード パリのソール厚は、前足部で約34.5mm、かかと部で約39.5mm。
前後差は約5mmと比較的フラットな設計になっています。
この構造によって、着地時の安定感と蹴り出し時の推進性を両立。
特に厚底カーボン特有の“ぐらつき”を抑え、脚への負担を減らしています。
重量も27.0cmで約185g前後と非常に軽量。
長距離レース後半でも足取りが重くなりにくく、脚力を温存しながらペース維持を可能にします。
モーションラップアッパー2.0の快適性
アッパーには「モーションラップアッパー2.0」を採用。
従来よりも通気性が約8％向上し、長時間走っても蒸れにくい構造になりました。
さらに、木型（ラスト）の改良により、フィット感もアップ。
これまで一部で指摘されていた「つま先の窮屈さ」が改善され、足全体を自然に包み込む履き心地を実現しています。
この快適性が、アシックス メタスピード パリを“レース専用”ではなく“練習でも使えるシューズ”に進化させた要因の一つです。
安定感と柔軟性のバランスが取れており、長時間履いても違和感が少ない点は、多くのレビューで高く評価されています。
実際の使用感とレビュー傾向
実際にアシックス メタスピード パリを履いたランナーのレビューをまとめると、次のような傾向があります。
- 軽さと反発感が段違い
履いた瞬間に「軽い」と感じ、走り出すとすぐに反発力を体感できる。跳ねるような走り心地で自然とスピードが出る。 - 安定性が高く扱いやすい
特にMETASPEED EDGE PARISは、カーボンプレートの硬さが程よく、接地感が安定。ペースコントロールもしやすく、長距離レースでも安心。 - フィット感の改善
アッパー素材と形状の見直しにより、足全体にフィット。つま先の窮屈さや擦れが減り、履き心地が向上。 - 汎用性の高さ
レースだけでなくスピード練習やペース走にも使える万能性があり、「レース専用ではもったいない」と感じる人も多い。
これらの声からも、アシックス メタスピード パリは単なる進化版ではなく、「完成度の高い総合レーシングシューズ」に仕上がっていることがわかります。
どんなランナーにおすすめ？
アシックス メタスピード パリは、以下のようなランナーに特におすすめです。
- サブ3〜サブ4を目指す中〜上級ランナー
- レース用に“跳ねる感覚”を求める人
- 軽量で高反発な厚底を探している人
- カーボンシューズの扱いやすさを重視する人
- フィット感と安定性の両立を求める人
初心者が履いても扱いやすい設計ですが、フォームが安定していない場合は反発を十分に活かせないこともあります。
まずは短距離のスピード練習で慣らしてからレース投入するのが理想です。
購入時の注意点とサイズ感
アシックス メタスピード パリはサイズ感がややタイトめです。
幅が広い足型の方は、0.5cmアップを検討するのもおすすめ。
また、厚底のためソールの反発が強く、着地のバランスを取るのに慣れが必要な場合もあります。
カラーは限定モデルも多く、人気サイズは早期に完売する傾向があります。
発売直後やシーズン前には公式オンラインストアや正規取扱店の在庫をチェックしておくと安心です。
まとめ：アシックス メタスピード パリがもたらす新たな走り
アシックス メタスピード パリは、軽量化・反発性・クッション性の三拍子をそろえた次世代レーシングシューズです。
「FF TURBO PLUS」による圧倒的な反発力、モーションラップアッパー2.0の快適なフィット感、そして走法に合わせたMETASPEED SKY PARIS／METASPEED EDGE PARISの二本立て構成。
これまで以上にランナーの多様なニーズに応える完成度の高さが魅力です。
厚底カーボンシューズの中でも扱いやすく、レースから練習まで活躍できる万能モデルといえるでしょう。
フルマラソンやハーフ、スピード練習で「もう一歩速く走りたい」と感じているなら、
このアシックス メタスピード パリは、その一歩を後押ししてくれる相棒になるはずです。
