ランニングをもっと気軽に楽しみたい。そんな人にとって、「アシックス ダイナブラスト5」はまさにちょうどいい存在だ。シリーズを重ねるごとに進化してきたダイナブラストは、第5世代でついに“ノヴァブラスト5”の完成度に到達したと言われている。ここでは、クッション性と反発性のバランスという観点から、その魅力を深く掘り下げていこう。
ダイナブラスト5とは？シリーズの立ち位置を整理
アシックスの「ブラスト」系シリーズには、上位のノヴァブラスト5、中間的なアシックス ダイナブラスト5、そして軽快なマジック系シューズがある。その中でもダイナブラストは、「手頃な価格」「しっかりしたクッション」「日常使いにも向く快適さ」で人気を集めてきた。
第5世代となる「アシックス ダイナブラスト5」は、これまで以上にアップデートされた。特に大きなポイントは、上位モデルと同じミッドソール素材「FF BLAST PLUS」を採用していること。この素材は、アシックス独自の軽量・高反発フォームで、柔らかさと弾みを両立している。価格を抑えつつ、上位モデルの履き心地を再現したという点が注目だ。
ミッドソールに見る進化：柔らかさと反発力の共存
ランニングシューズの命とも言えるミッドソール。ここが進化したことで、アシックス ダイナブラスト5の走行感は明らかに変わった。
FF BLAST PLUSは、従来のFF BLASTよりも約15％軽く、着地時の衝撃をよりスムーズに吸収する。そしてそのエネルギーを、蹴り出し時の推進力へ効率的に変換してくれる。柔らかすぎて沈むこともなく、弾みすぎて不安定になることもない。いわば“ゴムボールのような反発”と“マシュマロのようなクッション”の中間を狙った絶妙なバランスだ。
実際、走行テストでも「かかと着地の衝撃が柔らかく吸収され、前足部で自然に弾む」と評価されている。スピードを出すというより、軽快にリズムを刻むような走りが気持ちいいタイプだ。
アッパーの履き心地とフィット感
足を包み込むアッパー部分には、柔らかく通気性の高いジャカードメッシュが使われている。長時間のジョグやウォーキングでもムレにくく、足当たりが優しい。
フィット感も、前作より向上している。シュータン（ベロ）部分が厚すぎず薄すぎず、足の甲をしっかりホールド。さらに、靴紐のテンションが均一に伝わりやすく、締め付けのムラが少ない。
ただし、前足部はややタイトな作りだ。幅広や甲高の人はワンサイズ上げるか、試着して確認した方がいいだろう。ダイナブラストシリーズは基本的にスタンダード幅のみで、ワイド展開が少ない点は注意しておきたい。
ソールの構造と走行安定性
アウトソール（靴底）は、アシックス独自の「トランポリン構造」を継承している。ソール中央にくぼみを持たせることで、着地時に圧力を逃がしながらも上下の弾性変形を促進し、よりスムーズな蹴り出しにつなげる仕組みだ。
さらに、耐久性の高いAHAR+ラバーが要所に配置されているため、摩耗にも強い。トレーニングや通勤ランなど、週に数回の使用であれば長く履ける安心感がある。
接地の安定感も良好。過度なねじれを抑える構造になっており、ジョギング初心者でもブレにくい。高反発ソール特有の“跳ねすぎて不安定”という感覚がなく、自然に脚を前へ運べる。
実際の走行感：軽さと弾みのバランス
履いてまず感じるのは「軽さ」だ。メンズで片足約260g前後、レディースで220g前後と、クッション厚のわりに軽量。最初の一歩から足離れがよく、長く走っても疲れにくい。
着地では柔らかく沈み、そこからスッと押し上げるような反発が返ってくる。地面を強く蹴らなくても自然に前へ進む感覚があり、ジョギングを「ラクに楽しく」続けたい人にぴったりだ。
一方、レース用のスピードシューズのような爆発的な推進力はない。テンポ走やスピード練習よりも、普段のジョグやLSD（ロングスローディスタンス）に向いている。
他モデルとの違い：ノヴァブラストとの比較
よく比較されるのが、同じFF BLAST PLUSを搭載する「ノヴァブラスト5」だ。両者の最大の違いは、ソール厚と反発の強さ。
ノヴァブラストはより分厚く、高反発・高推進力を求めるランナー向け。一方のアシックス ダイナブラスト5は、スタックハイトをやや抑え、地面を感じやすい安定志向のチューニングだ。
そのため、ノヴァブラストが“跳ねて進む”タイプなら、ダイナブラストは“弾みながら走る”タイプといえる。足腰への負担が少なく、日常のトレーニングやウォーキングにも使いやすい。価格も1万円台前半と手頃で、初めてのランニングシューズとしてもおすすめだ。
クッション性と反発性のバランスが生む万能感
このシューズの最大の特徴は、やはり「クッション性と反発性のバランス」だ。
柔らかいだけでも、反発が強すぎても走りづらい。アシックス ダイナブラスト5はその中間を巧みに突いている。特にジョギング中盤から後半にかけて、脚が疲れてくるとそのありがたみが実感できる。
クッションが足の衝撃を吸収してくれる一方で、反発が“もう一歩踏み出す力”をくれる。疲労を抑えながらも軽快に走り続けられるのは、この絶妙な設計バランスのおかげだ。
デザインと日常使いのしやすさ
機能だけでなく、見た目もスタイリッシュ。最近のアシックスはファッション性にも力を入れており、アシックス ダイナブラスト5も例外ではない。ベーシックなブラック、グレーのほか、爽やかなブルーやベージュなど、普段着にも合わせやすいカラーバリエーションが用意されている。
ソールの厚みがほどよく、いかにも“ランニングシューズ”という印象を与えないのもポイント。街歩きや通勤など、デイリーユースにも違和感がない。
向いているランナー像
・初めてランニングを始めたい人
・通勤ランや健康維持のために走る人
・スピードよりも快適さや疲労軽減を重視する人
・ノヴァブラストなどの上位モデルが少し柔らかすぎたと感じた人
こうした層にとって、アシックス ダイナブラスト5は「使いやすくて失敗しない選択肢」だ。価格も手頃なので、複数足のローテーション用にも向いている。
まとめ：アシックス ダイナブラスト5は“走るのが楽しくなる”一足
アシックス ダイナブラスト5は、ランニングをもっと気軽に、もっと快適に楽しむためのシューズだ。FF BLAST PLUSによる高いクッション性と程よい反発性。軽量で安定した走行感。さらに普段履きとしても使えるデザイン性。
派手な機能やスピード性能こそないが、「疲れにくく、自然に前へ進む」感覚を味わえるバランス型の一足だ。初心者から中級者まで、幅広いランナーの日常に寄り添う存在と言えるだろう。
もしあなたが「どのランニングシューズを選べばいいか迷っている」と感じているなら、まずはアシックス ダイナブラスト5を履いてみてほしい。その軽快な弾みと柔らかさが、ランニングの楽しさを再発見させてくれるはずだ。
アシックス ダイナブラスト5の魅力を体感しよう
クッション性と反発性のバランスが絶妙なアシックス ダイナブラスト5。走ることを義務ではなく「気持ちいい習慣」に変えてくれる一足として、ぜひチェックしてみてほしい。
