「アシックス タイガーって、何がそんなに人気なの？」
そんな疑問を持った方も多いのではないでしょうか。
街で見かけることも増えたオニツカタイガー（ASICS Tiger）は、ただのスニーカーブランドではありません。
その背景には、70年以上続く歴史と、日本ならではの丁寧なものづくりが息づいています。
この記事では、アシックス タイガーの誕生から人気モデルまで、その魅力をじっくり掘り下げていきます。
戦後の日本から生まれた「アシックス タイガー」の原点
アシックス タイガーの起源は、1949年に神戸で創業した「鬼塚株式会社」。
創業者の鬼塚喜八郎は、戦後の混乱期に「若者たちをスポーツで元気にしたい」という想いから、運動靴づくりを始めました。
当時の日本では、本格的なスポーツシューズがほとんど存在せず、鬼塚はゼロから設計をスタート。
最初に手がけたのはバスケットボールシューズでした。最初の試作はうまくいかず、滑りやすい草履のような靴だったといいますが、そこから試行錯誤を重ね、改良を続けました。
やがて、ランニングやマラソン、レスリング、バレーなど、さまざまな競技用シューズを開発。
1950年代には全国500店舗に展開し、「日本のスポーツシューズといえばオニツカ」と言われるまでに成長します。
アシックスへの進化とブランドの再生
1977年、鬼塚株式会社は他のメーカーと合併し、「ASICS（アシックス）」として新たなスタートを切ります。
ブランド名の由来はラテン語の“Anima Sana in Corpore Sano（健全な身体に健全な精神を）”。
鬼塚が大切にしていた理念が、社名そのものに込められています。
アシックスはその後、テクノロジーを追求するスポーツブランドとして世界的に成長。
一方、オニツカタイガーの名は一時期、表舞台から姿を消します。
しかし2002年、アシックスはこの「オニツカタイガー」をライフスタイルブランドとして復活させました。
往年の名作を現代風にリデザインし、日常使いできるスニーカーとして再び注目を集めるようになったのです。
日本発ブランドとしての信頼感と職人の技
アシックス タイガーの魅力の根底にあるのは、「日本人の足に合う靴づくり」。
創業当時から蓄積された足型データや素材の研究が、現在のモデルにも生かされています。
特に“Made in Japan”の高級ライン「NIPPON MADE（ニッポンメイド）」は、鳥取や大阪の工房で職人が一足ずつ仕上げる特別なシリーズ。
素材選びから縫製、染色まで手仕事で行われ、履き心地や耐久性はもちろん、経年変化の美しさも魅力です。
「流行よりも長く愛せる靴を履きたい」
そんな人たちに支持される理由がここにあります。
シンプルで飽きのこないデザインが愛される理由
アシックス タイガーのスニーカーは、無駄を削ぎ落としたミニマルなデザインが特徴。
流行に左右されず、どんな服装にも自然に溶け込むのが魅力です。
特に代表的なストライプ（Tiger Stripes）のデザインは、一目でオニツカタイガーとわかる象徴的な存在。
スーツスタイルにも合わせやすく、男女問わず人気があります。
派手さよりも「清潔感」や「上品さ」を大切にしたデザインは、海外でも高く評価され、ヨーロッパやアジア圏を中心に人気が広がっています。
履き心地と実用性の高さも大きな魅力
ファッション性だけでなく、履き心地の良さもアシックス タイガーの大きな強み。
もともとスポーツシューズとして開発されたノウハウが、ライフスタイルモデルにも活かされています。
ソールにはクッション性の高い素材を使用し、長時間歩いても疲れにくい設計。
スエードやレザーなどの上質素材を用いることで、柔らかさと耐久性を両立しています。
通勤・通学はもちろん、旅行や街歩きにもぴったり。
「おしゃれなのに歩きやすい」──そのバランスこそ、アシックス タイガーが長く愛される理由です。
定番モデルで知るアシックス タイガーの世界
MEXICO 66
1966年に誕生し、オニツカタイガーを象徴するモデル。
細身のシルエットと滑らかなレザー、そしてサイドのストライプが印象的です。
映画で使用されたことから世界的に人気が高まり、今も定番中の定番として君臨しています。
軽量で履きやすく、どんなスタイルにもマッチする万能スニーカーです。
GEL-LYTE V
1990年代のランニングシューズをベースにしたモデル。
ベロとアッパーを一体化させた“モノソック構造”により、足全体を包み込むようなフィット感を実現。
クッション性と安定感が高く、街歩きや長時間の移動でも快適に履けると評判です。
GEL-LYTE III
1990年に登場したモデルで、分割された“スプリットタン”が特徴。
足の甲への圧迫を減らし、脱ぎ履きがスムーズになる設計です。
程よいボリューム感とクラシックなデザインが、90年代ファッションのリバイバルとともに再注目されています。
ファッションと機能、2つの顔を持つブランド
アシックス タイガーの面白さは、スポーツの遺産とファッションの融合にあります。
競技用シューズとして培われた技術と、現代のファッション感覚が交差する場所。
だからこそ、スニーカーマニアからモード好きまで、幅広い層に愛されているのです。
「スポーツの魂を宿したファッションスニーカー」
この言葉が、アシックス タイガーをもっともよく表しています。
なぜ今、アシックス タイガーが再び注目されているのか
ここ数年、スニーカーブームが落ち着き、「長く履ける良い靴」を求める人が増えています。
派手な厚底や奇抜なデザインではなく、シンプルで上質な靴が見直される時代。
そんな中で、アシックス タイガーのスニーカーは「日本らしい丁寧さ」「履き心地の良さ」「時代を超えるデザイン性」で再び脚光を浴びています。
さらに、NIPPON MADEなどの高品質ラインが国内外で話題を集めており、“メイドインジャパンの再評価” という流れにもぴったり合致しています。
アシックス タイガーを選ぶという価値
ファッションとしての見た目はもちろん、日常を支える履き心地の良さ。
そして、70年以上続くブランドの歴史と理念。
アシックス タイガーの魅力は、流行を超えた「本物の普遍性」にあります。
履くたびに感じる安心感、そして日本らしい誠実なものづくり。
次にスニーカーを選ぶときは、ぜひその背景にも目を向けてみてください。
一足の中に詰まった物語が、きっとあなたの足元を特別なものにしてくれるはずです。
アシックス タイガーの魅力を再発見しよう
アシックス タイガーは、単なるファッションアイテムではなく、
「日本人の足に寄り添い、長く愛される靴」を作り続けてきたブランドです。
歴史、デザイン、品質、そして履き心地。
そのすべてが、アシックス タイガーというブランドの魅力を形づくっています。
これからも時代に合わせて進化を続けるアシックス タイガー。
あなたも一度、その足元の心地よさを体験してみませんか。
