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アシックス タイガーがなくなったって本当?ブランド統合の背景と現在の展開を解説

最近、「アシックス タイガーってなくなったの?」という声を耳にすることがあります。
スニーカー好きなら、一度は目にしたことのある“ASICS TIGER”のロゴ。ところが、近年その姿を見かけなくなりました。
果たして本当に消えてしまったのでしょうか? 今回は、ブランド誕生から統合に至るまでの流れと、現在のアシックスグループ全体の展開を丁寧に解説します。


アシックス タイガーのルーツは「オニツカタイガー」にあった

そもそもアシックスの原点は、1949年創業の「オニツカ株式会社」が展開したブランド「オニツカタイガー」です。
バスケットボールシューズを皮切りに、独自の虎ストライプ(現在のアシックスライン)を象徴とするスポーツシューズを次々と開発。日本を代表するスポーツメーカーとしての礎を築きました。

その後、1977年にオニツカ株式会社が2社と合併し、新会社「アシックス株式会社」が誕生。
これを機にブランド体系が整理され、オニツカタイガーは一時的に休止。
アシックスとしての統一展開が始まり、「Tiger」の名前は一旦表舞台から姿を消すことになります。


一度は“消えた”ブランドが再び脚光を浴びた理由

2002年、アシックスは休眠していた「オニツカタイガー」を復刻させます。
これは単なる復活ではなく、“ライフスタイルブランド”としての再出発。
競技用シューズではなく、ファッション・カルチャーを意識したラインとして、国内外で人気を博しました。

その勢いを受け、2015年に新たな挑戦として誕生したのが「アシックス タイガー(ASICS TIGER)」です。
このブランドは、アシックスのスポーツテクノロジーを軸に、ストリートやファッションシーンに寄り添ったスニーカーを展開。
代表モデル「GEL-LYTE III」シリーズなど、1980〜90年代のデザインをベースにした“レトロ×機能性”の融合が特徴でした。


アシックス タイガーがなくなったと言われる理由

では、なぜ「アシックス タイガーがなくなった」と言われるようになったのでしょうか。
主な背景には、次のような流れがあります。

  • ブランド再編による統合
     2010年代後半、アシックスは全体のブランド戦略を見直しました。スポーツ用途の「ASICS」、ファッション用途の「Onitsuka Tiger」、そしてライフスタイル寄りの「ASICS TIGER」。この3つが並立する状況では、ブランドの棲み分けが難しかったのです。
     結果として、ライフスタイル領域を「オニツカタイガー」に一本化する方針が進み、アシックス タイガーのラインは徐々に整理されていきました。
  • 公式資料からの名称消失
     近年のアシックス公式サイトや統合報告書では、「ASICS」と「Onitsuka Tiger」の2ブランドのみが明確に記載されています。ASICS TIGERという表記は見られず、事実上、独立ブランドとしては終了したとみられています。
  • 販売現場での露出減少
     スニーカーショップやECサイトでも、ASICS TIGERタグの製品はほぼ見られなくなりました。消費者からすれば「最近見ない=なくなった」と感じるのは自然なことです。

つまり、「なくなった」というよりも、「ブランド体系の整理の中で統合された」と理解するのが正確です。


現在のアシックスブランド体系と役割分担

現在、アシックスグループのブランド構成は明確に二極化しています。

  • ASICS(アシックス)
     スポーツ機能を軸にしたパフォーマンスブランド。ランニング、トレーニング、バスケットボールなど、アスリート向けに高性能なシューズやウェアを展開。
     GELやFF BLASTなど、革新的なテクノロジーが搭載されたモデルが中心です。
  • Onitsuka Tiger(オニツカタイガー)
     “ヘリテージ×モダン”をテーマに、クラシックなシルエットを現代風にアップデート。
     近年は「NIPPON MADE」シリーズなどの高付加価値ラインや、海外ハイブランドとのコラボレーションが好評。
     デザイン・素材・生産にこだわり、日本ブランドとしてのアイデンティティを強めています。

そして「ASICS TIGER」が担っていた“ストリート寄りのファッション領域”は、実質的にオニツカタイガーに吸収されました。
アシックス本体はスポーツ性能で勝負、オニツカタイガーはファッションとカルチャーを軸に進化。
この明確な分担こそが、現在のアシックスグループの強みになっています。


アシックス タイガーの名前が消えた“本当の理由”

アシックス タイガーがなくなった最大の理由は、**「ブランドの重複を避け、全体最適化を図るため」**です。
3つのブランドが似たコンセプトで並ぶと、消費者にとって違いが分かりにくく、ブランドイメージが分散します。

特に2010年代後半からは、アシックスグループのグローバル戦略が大きく変化。
ファッションブランドとして海外で人気を集めていたオニツカタイガーを中核に据え、「ASICS TIGER」ではなく「Onitsuka Tiger」でライフスタイル需要をカバーする方針が定まりました。

さらに2025年には、国内のアシックス工場を「Onitsuka Innovative Factory」として再編。
オニツカタイガー専用の生産拠点とし、“日本製・高品質・クラフトマンシップ”を前面に出す体制を整えています。
これは、アシックスグループが今後ライフスタイル市場をオニツカブランドで一貫して展開していく方針の象徴です。


「なくなった」というより「進化した」ブランドの今

アシックス タイガーの消滅は、単なる撤退や失敗ではありません。
むしろ、アシックスグループがより明確なブランド戦略を築くための「再構築」でした。

  • スポーツ分野では「ASICS」がテクノロジーを極める。
  • ファッション分野では「Onitsuka Tiger」がデザインとカルチャーを担う。

この二本立ての体制によって、両ブランドはそれぞれの強みを発揮し、世界中で評価を高めています。
ASICS TIGERという名前は消えても、そこで築かれたストリート・カルチャーとの接点やスニーカー文化のDNAは、今もオニツカタイガーの中に息づいています。


アシックス タイガーがなくなった今、注目すべき新しい動き

もしあなたが「アシックス タイガーのようなスニーカー」を探しているなら、現在はオニツカタイガーのラインナップが最も近い存在です。
GSMGEL-LYTE IIIMEXICO 66など、往年のアシックス タイガーを思わせるデザインが多数登場しています。

また、オニツカタイガーは海外コレクションやパリファッションウィークへの参加など、ファッションブランドとしての地位を確立。
日本発ブランドとして、世界市場で存在感を増しています。

つまり、アシックス タイガーが消えたのではなく、“より洗練された形で受け継がれている”というのが実態です。


アシックス タイガーがなくなったって本当?――答えは「名前だけが消えた」

結論として、「アシックス タイガーがなくなった」というのは半分だけ正しい表現です。
ブランド名としてのASICS TIGERは、現在は使われていません。
しかし、その理念・デザイン・DNAは、確実にオニツカタイガーへと受け継がれています。

アシックスが得意とする機能性と、オニツカタイガーの持つクラフト感。
この2つが融合することで、日本のスポーツカルチャーは新たな段階へ進化しました。

アシックス タイガーという名前は過去のものになっても、その精神は今もアシックスとオニツカタイガーの両方の中で生き続けています。
だからこそ、「なくなった」ではなく、「形を変えて残っている」と言うのがいちばん正確なのです。

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