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アシックス コルテッツの違いを比較!ナイキとの関係やデザインのルーツを徹底検証

スニーカー好きなら一度は耳にしたことがある「コルテッツ」。
多くの人はナイキの定番モデルを思い浮かべるだろう。しかし、実はこの「コルテッツ」という名の背景には、アシックス(旧・オニツカタイガー)との深い関係がある。今回は、両ブランドの歴史やデザインの違い、そして“なぜアシックス コルテッツ”という言葉が今も語られるのかを、じっくりと紐解いていこう。


コルテッツの誕生 ― アシックスが起点だった

1970年代初頭、アメリカのスポーツシーンで脚光を浴びたランニングシューズ「コルテッツ」。
だが、その始まりは日本のオニツカタイガー(現アシックス)にまでさかのぼる。

当時、オニツカタイガーはアメリカ市場に進出するため、現ナイキの創業者フィル・ナイトと陸上コーチのビル・バウワーマンが設立した「ブルーリボンスポーツ」と提携していた。
ナイトは日本の高品質なシューズに惚れ込み、オニツカの靴をアメリカで販売する代理店となった。

この協業の中で生まれたのが「Tiger Cortez(タイガー・コルテッツ)」だ。
長距離ランナー向けに開発されたそのモデルは、軽さ・耐久性・クッション性を兼ね備え、ランニングシューズの新時代を切り開いた存在だった。


ナイキとの決別と商標争い ― “Cortez”の名前はどちらのもの?

しかし、この蜜月関係は長くは続かなかった。
1971年、ブルーリボンスポーツ(BRS)はオニツカとの契約を解消し、自社ブランド「ナイキ」を立ち上げる。
その際に問題となったのが、“Cortez”というモデル名の所有権だった。

BRSがナイキとして独立した後も、オニツカタイガーは「Tiger Cortez」として販売を続けた。
一方、ナイキは独自にデザインを変更し「Nike Cortez」として発売。両ブランドが同名の商品を出すという異例の事態に発展する。
結果、法廷闘争の末に「Cortez」の商標はナイキに帰属。オニツカタイガーはやむなく「Onitsuka Tiger Corsair(コルセア)」と名前を変えて販売を継続した。

つまり、現在「コルテッツ」という名前を正式に使えるのはナイキのみであり、アシックス(オニツカタイガー)は歴史的なルーツを持ちながらも、その名を使用することはできなくなったのだ。


Nike Cortezの特徴 ― 軽く、スタイリッシュで、カルチャーの象徴へ

ナイキ コルテッツは1972年の登場以来、ランニングシューズとしての枠を超え、ファッションアイコンとして進化を遂げてきた。

主な特徴は以下の通り。

  • 厚めのミッドソールによるクッション性
  • シンプルで丸みのあるシルエット
  • サイドに大きく入ったスウッシュロゴ
  • ヘリンボーンパターンのアウトソールで優れたグリップ力

特に70年代当時は「どんな路面でも快適に走れる」とランナーから支持を得た。
その後、映画『フォレスト・ガンプ』や西海岸のストリートカルチャーで愛用され、ナイキの歴史を象徴する一足として定着していく。

レザーやナイロン、スエードなど素材違いの復刻モデルも数多く登場し、クラシックでありながら常に現代のファッションシーンに馴染む万能スニーカーとして人気を維持している。


Onitsuka Tiger Corsair ― 忘れられた“もうひとつのコルテッツ”

ナイキに「コルテッツ」の名を譲り渡した後も、オニツカタイガーは自社の哲学を受け継ぐシューズを作り続けた。
その代表格が「Onitsuka Tiger Corsair(オニツカタイガー コルセア)」だ。

見た目はコルテッツに非常に近い。
丸みを帯びたトゥ、二層構造のソール、そしてクラシカルなフォルム。
違いはサイドに走るストライプデザインだ。ナイキのスウッシュではなく、オニツカ伝統のクロスストライプが配されている。

コルセアは「オニツカ的コルテッツ」とも呼べる存在であり、ナイキに商標を渡した後も、自社デザインへの誇りを失わずに再構築した“もうひとつの答え”だった。


アシックスとナイキの決定的な違い ― 哲学の方向性

コルテッツを生んだ両ブランドは、その後まったく異なる進化を遂げた。
ナイキが“ビジュアルとマーケティング”で世界を席巻したのに対し、アシックスは“機能と科学”でアスリートの足を支え続けている。

ナイキのアプローチ

  • ファッション性・カルチャー性を重視
  • コラボレーションや限定モデルで話題を生む
  • ビジュアルブランドとしてのインパクトを強調

アシックスのアプローチ

  • 人体工学に基づく機能開発(GELやFlyteFoamなど)
  • スポーツ医学・動作分析に裏打ちされた設計
  • ランナーのフォームや疲労軽減を科学的に追求

この違いはコルテッツ誕生以前から存在していた。
つまり、ナイキが「物語とビジョン」でブランドを作り上げたのに対し、アシックスは「研究とデータ」で信頼を築いた。
その両者が交わった一瞬が、まさに“Tiger Cortez”という歴史的モデルだったのだ。


なぜ「アシックス コルテッツ」という言葉が今も使われるのか

近年、「アシックス コルテッツ」という検索ワードを見かけることがある。
実際には存在しないモデルであるにもかかわらず、この呼び名が語られるのには理由がある。

  1. 起源がアシックスにあるため
    ― “コルテッツの原型は日本発”という事実が再評価されている。
  2. ヴィンテージスニーカー人気の高まり
    Onitsuka TigerやAsics Tigerなど、クラシックモデルへの関心が再燃。
  3. 文化的ルーツへの興味
    ― スニーカーの歴史を掘り下げる愛好家たちが、コルテッツを“日米融合の象徴”として捉えている。

つまり、「アシックス コルテッツ」とは単なる誤称ではなく、“コルテッツのDNAを受け継いだアシックス的スピリット”を表す象徴的な言葉として残っているのだ。


現代に受け継がれるデザインのルーツ

もし今、コルテッツの面影を探すなら、それはアシックスやオニツカタイガーの現行モデルの中にも見つけられる。
MEXICO 66」や「GSM」「Lawnship」など、丸みを帯びたフォルムや薄底ソール、ミニマルなデザインは、どこか70年代のコルテッツを思わせる。

特に「MEXICO 66」は、1968年メキシコ五輪モデルを原型とするブランドの象徴的存在であり、“クラシックを今に生かす”という点でコルテッツの精神と通じる。
つまり、アシックスは名前こそ失っても、その魂と設計思想は脈々と継承しているのだ。


スニーカー史に残る“日本とアメリカの交差点”

コルテッツの物語は、単なる商標の話では終わらない。
それは、戦後の日本の職人技術と、アメリカのビジネスセンスが交わった瞬間に生まれた文化の象徴でもある。

ナイキが世界的ブランドへと成長するきっかけを作ったのが、オニツカタイガーの技術だった。
そして、アシックスは今もなお、「科学的なシューズづくり」という信念のもと、静かに世界中のランナーを支えている。

両者の歴史を知ることは、単なるスニーカー知識を超えた“ものづくりの哲学”を理解することでもある。


まとめ:アシックス コルテッツの違いを知ることは、スニーカーの原点を知ること

「アシックス コルテッツ」という言葉は、今では存在しない幻のモデル名かもしれない。
だが、その背後には、アシックス(オニツカタイガー)とナイキの出発点が確かに刻まれている。

アシックスが築いた技術と理念が、Nike Cortezの誕生につながり、
そのナイキが世界を変えたスニーカーブランドへと成長した。

つまり、“アシックス コルテッツの違い”を知ることは、日米のスニーカー史そのものを理解することでもある。
時代を超えて語り継がれるこの物語を通じて、あなたも一足の靴に込められた情熱と文化の深さを感じてほしい。

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