アシックス オーダーシューズと聞くと、プロ選手やチーム専用の特別なサービスと思う人も多いかもしれません。
しかし近年、アシックスは一般ユーザーでも手軽に利用できる「カスタムオーダー」や「スペシャルオーダー」サービスを拡充し、自分の足や好みに合わせて世界に一足だけのシューズを作れるようになっています。
この記事では、オーダーの仕組みから注文方法、対応モデル、注意点、そして今後の展望までを徹底的に解説します。
アシックスのオーダーとは?「カスタム」と「パーソナライズ」の違いを知る
アシックスのオーダーには大きく2種類の方向性があります。
ひとつは「カラー・パーツの組み合わせを自由に選ぶカスタムオーダー」、もうひとつは「足の形やサイズに合わせて作るパーソナライズ(足型対応型)」です。
前者のカスタムオーダーは、チームや個人でも利用しやすく、デザイン重視のオーダー。
例えば、ソールやアッパー、ロゴ、ラインの色を自由に組み合わせて、自分好みのカラーリングにできます。
後者のパーソナライズは、アシックスが近年力を入れている分野で、3Dスキャンによる足型測定をベースに、履き心地やサポート性を最適化するオーダー方式です。
この2つを組み合わせることで、見た目にも機能的にも「本当に自分に合う一足」を作ることが可能になります。
オーダーできるシューズカテゴリーと対象モデル
アシックスのオーダーシステムは競技種目ごとに異なります。
主な対象ジャンルは以下の通りです。
- ランニング/マラソン用
- 軽量レーシングモデルやトレーニングモデルが中心。現在は限定的な展開だが、今後は拡大予定。
- バレーボール/バスケットボール
- チーム単位でのカラー統一に人気。ネーム刺繍や番号入れにも対応。
- 野球・ソフトボール
- スパイクやトレーニングシューズのオーダーが可能。革素材やスタッド形状も選択できる。
- 陸上競技用スパイク
- 種目別にカスタム可能。スプリント・跳躍・投擲用など多様なベースモデルがある。
- ワーキング/安全靴シリーズ
- BOAシステム搭載モデルのカラーオーダーに対応する例もあり、現場職人の個性を反映できる。
特に人気なのが、バレーボールや野球の「スペシャルオーダー」モデル。
足幅(NARROW/STANDARD/EXTRA WIDE)を選べるため、既製品で合わなかった人にも好評です。
注文手順と納期の流れ
オーダーシューズを注文する際の流れは、基本的に次の通りです。
- デザインシミュレーターで作成
アシックスのオンラインツールで、カラーやパーツを自由に組み合わせ、完成イメージを作成します。
最後に発行される「シミュレーションID」を控えておきましょう。 - 取扱店舗または公式オーダーフォームで申込み
店頭やオンラインで、先ほどのIDを入力して注文。ネーム刺繍などのオプションを追加できます。 - メーカー確認・見積もり
店舗またはアシックス側で仕様を確認後、納期と金額が確定します。 - 正式発注・支払い
確認後、正式に発注。支払い完了後はキャンセル・変更ができないため注意が必要です。 - 生産・納品
納期はモデルによって異なりますが、約1~2か月が目安です。
混雑時期(春~夏)はやや長くなる傾向があります。
このように、手順自体はシンプル。
ただし発注後の変更は不可なので、サイズやカラー指定は慎重に確認しておきましょう。
刺繍・番号入れなどのカスタムオプション
アシックスのオーダーでは、見た目の個性を出せる「ネーム刺繍」「番号」「チームロゴ」の追加が人気です。
特にバレーボールや野球スパイクでは、以下のような指定が可能です。
- 刺繍位置:かかと・サイド・シュータンなど(モデルによって異なる)
- 文字種:アルファベット(大文字)、漢字、数字
- 文字数制限:アルファベット12文字/漢字6文字までが一般的
- 刺繍カラー:ブラック、ホワイト、レッド、ゴールドなど複数色から選択
- 両足同一仕様:左右で違う刺繍内容は不可の場合が多い
追加料金がかからないショップもありますが、特別カラーや複数色刺繍などは有料オプションになる場合もあります。
また、著作権や商標を侵害する文字列(ブランド名・選手名など)は不可です。
足幅・サイズ選択の自由度とフィッティングの重要性
既製品では「2E(標準)」が多いアシックスですが、オーダーでは「ナロー(D〜E相当)」や「エクストラワイド(4E)」まで選べるケースがあります。
この足幅選択こそが、オーダーの最大の魅力のひとつ。
特にランナーや学生アスリートの中には、既製品で“横のフィット感”に悩む人も多く、オーダーならそのストレスを大幅に軽減できます。
また、アシックス直営店の「RUNNING LAB(ランニングラボ)」や一部店舗では、3Dスキャンによる足型測定も可能です。
このデータを参考にすれば、自分の足により合ったサイズ指定がしやすくなります。
パーソナライズの進化 ― 3Dスキャンとオンデマンド製造
2024年、アシックスはフランスで「ASICS Personalization Studio」を開設しました。
ここでは3Dスキャンした足型データをもとに、その場でカスタムインソールを製造する仕組みが導入されています。
この技術は、今後日本国内にも展開される予定で、将来的には「足型からシューズ全体を設計する」オーダーメイドに進化する可能性があります。
この動きは、単なるデザインカスタムを超えた「デジタル × 健康 × サステナブル」な方向性です。
アシックスのスポーツ工学研究所(ISS)が監修し、Dassault Systèmesとの技術協業によって、より精密で環境負荷の少ないオーダー製造体制が整いつつあります。
注文時の注意点とよくある質問
オーダーは魅力的ですが、トラブルを防ぐために以下のポイントは必ず押さえましょう。
- 注文後のキャンセル・変更は不可
生産工程に入るため、色やサイズを間違えると修正ができません。 - 納期は時期によって変動
春~夏のスポーツシーズンは注文が集中します。大会前などは余裕をもって依頼を。 - オンラインだけで完結しない場合もある
一部店舗は、店頭での確認や支払いが必要です。 - 既製モデルにない仕様は選べない
完全自由ではなく、あらかじめ設定された組み合わせの中から選択する形式です。
これらを理解しておけば、安心して理想の一足をオーダーできます。
どんな人にアシックス オーダーシューズがおすすめ?
- チームで統一デザインのシューズを作りたい人
- 足幅やフィット感にこだわりたいランナー・アスリート
- 好きなカラーリングで“自分専用の一足”を持ちたい人
- 既製品に満足できない・足型が合いにくい人
- 記念用やプレゼント用として特別感のある靴を作りたい人
特に学生アスリートや社会人スポーツチームからの人気が高く、ネーム入りの統一デザインは「チームモチベーションを上げる効果がある」とも言われています。
今後の展望 ― アシックスが描く「オーダーの未来」
アシックスは今後、パーソナライズ技術をさらに進化させ、足型データをもとに「一人ひとりの最適解」を導く方向へと舵を切っています。
3Dスキャンとデジタル設計、サステナブル素材を組み合わせたオンデマンド製造は、今後のシューズ業界全体のスタンダードになる可能性があります。
これまでの「見た目カスタム」から、「機能 × フィット × 環境配慮」へ。
アシックスのオーダーは、単なる個性表現にとどまらず、“履く人の身体に合わせて進化するプロダクト”へと変化しています。
アシックス オーダーシューズで自分だけの一足を
「アシックス オーダーシューズ」は、単に色を選ぶ楽しさだけではなく、自分の足と真剣に向き合うきっかけを与えてくれます。
理想のフィット感を求める人、チームの一体感を形にしたい人、特別な記念の一足を作りたい人——そのすべてに応えるのがアシックスのオーダーシステムです。
テクノロジーの進化とともに、近い将来、誰もが“完全オーダー”のシューズを当たり前に選ぶ時代がやってくるでしょう。
今こそ、自分だけの一足を作る第一歩を踏み出してみてください。


