愛媛県今治市に誕生した「アシックス里山スタジアム」。名前の通り、スポーツブランド・アシックスがネーミングライツを取得したスタジアムです。
ただのサッカー場ではなく、“自然と人、地域が共に息づく場所”として注目されています。
この記事では、アクセス方法から施設の魅力、最新イベント情報まで、訪れる前に知っておきたいポイントをまるごと紹介します。
アシックス里山スタジアムとは?自然と調和した次世代のスタジアム
アシックス里山スタジアム(ASICS Satoyama Stadium)は、愛媛県今治市の「高橋ふれあいの丘」にあるサッカー専用スタジアム。
もともとは「今治里山スタジアム」として2023年にオープンし、2024年5月からアシックスが命名権を取得して現在の名称になりました。
収容人数は約5,300人。FC今治のホームスタジアムとして知られています。
ただし、この数字はあくまで現時点のもので、2026年には約8,900人規模へと拡張予定。地方都市のスタジアムとしては異例の成長計画を描いています。
コンセプトは「里山 × スポーツ × コミュニティ」。
観戦だけでなく、地域の人々が集まり、自然に触れ、日常の中で交流できる空間を目指しています。
スタジアム全体が“公園のような開かれた空間”として設計されており、試合のない日でも訪れたくなる場所です。
建築のこだわりとデザインの魅力
アシックス里山スタジアムの建築には、環境と調和する発想が随所に見られます。
メインスタンドは屋根付きで、観客席とピッチの距離はわずか約8メートル。選手の動きを間近に感じられる臨場感が魅力です。
構造は鉄骨造4階建て。VIPルームや報道エリア、ミーティングルームのほか、カフェやドッグラン、芝生広場など、多目的スペースが充実しています。
地域の福祉法人が一部の運営に関わるなど、「地域と共に育つスタジアム」という姿勢が根底にあります。
また、スタジアム周辺の植栽には地元の樹木が多く使われ、四季の変化を感じられるのも特徴。
海や山を見渡せる小高い丘の上にあり、瀬戸内海の風を感じながら観戦できるロケーションも人気の理由です。
行き方ガイド:アシックス里山スタジアムへのアクセス
アクセスの中心となるのはJR今治駅。ここからスタジアムまではタクシーで約10分。
バスを利用する場合は、「今治駅前」からイオンモール今治新都市行きに乗り、終点から徒歩10分ほどで到着します。
試合日には、イオンモール駐車場とスタジアムを結ぶ無料シャトルバスも運行。
駐車場は約830台分が用意されており、さらにイオンモールの駐車場も臨時で利用できます。
高速道路利用なら、「今治I.C.」から車で約5分。
松山空港からは車で約1時間半と、県外からのアクセスも意外とスムーズです。
また、地域型移動サービス「mobi(モビ)」を使えば、アプリで簡単に相乗り移動も可能。
観戦日だけでなく、普段の買い物や観光と組み合わせて利用する人も増えています。
日常の中で楽しむ「開かれたスタジアム」
アシックス里山スタジアムの最大の特徴は、試合がない日でも楽しめること。
スタジアムというより“里山公園”のような雰囲気で、地元の人々の憩いの場になっています。
広々とした芝生エリアではピクニックやランニングをする人も多く、愛犬と遊べるドッグランも人気。
敷地内のカフェ「里山サロン」では地元食材を使ったドリンクやスイーツが味わえます。
試合観戦の合間だけでなく、普段使いのカフェとして訪れる人も少なくありません。
さらに、地元の学校や企業がワークショップやマルシェを開催することもあり、
“スポーツ施設”の枠を超えて、地域イベントの発信拠点として機能しています。
最新トピック:TINY GARDEN FESTIVAL 2025 開催
2025年10月、アシックス里山スタジアムでは「TINY GARDEN FESTIVAL」が開催されました。
これはURBAN RESEARCHが企画するアウトドア&ライフスタイルフェスで、スタジアムの「里山ジャルダン」エリアを舞台に行われます。
当日は地元グルメや雑貨店の出店、アウトドア体験、縁日、盆踊りなど、まるで“里山の文化祭”のような雰囲気に。
夜はライトアップされた芝生広場で音楽やキャンプを楽しむ人々でにぎわいました。
マーケットエリアは無料で入場でき、家族連れやカップル、観光客など幅広い層が訪れました。
こうしたイベントが定期的に行われており、今後も季節ごとにフェスや地域催事が予定されています。
単に観戦するだけでなく、「自然・食・人」をテーマにした多様な楽しみ方があるのが、このスタジアムの新しい価値です。
地域に根ざすアシックスの理念とパートナーシップ
アシックスがこのスタジアムの命名権を取得した背景には、明確な理念があります。
それは創業時から掲げる「健全な身体に健全な精神があれかし(Anima Sana In Corpore Sano)」という精神。
スポーツを通じて地域の健康づくりを支援し、子どもから高齢者まで誰もが運動を楽しめる社会をつくることを目的としています。
アシックスはFC今治の公式サプライヤーとしてユニフォームを提供しているだけでなく、
健康チェックイベントやランニング教室など、地域住民に開かれた活動も実施しています。
この「アシックス里山スタジアム」という名前は、単なるブランド露出ではなく、
地域と共に“健康な暮らし”を育む拠点としての象徴なのです。
写真映えスポットとおすすめの過ごし方
スタジアムの周囲は、どこを切り取ってもフォトジェニック。
特に晴れた日には、瀬戸内海を背景にしたスタンドからの眺めが抜群です。
夕方にはオレンジ色に染まる空と芝生のコントラストが美しく、写真撮影に訪れる人も多いです。
また、海賊船をモチーフにした外観デザインや、里山をイメージした木材と鉄骨の調和など、建築的にも見どころが豊富。
観戦目的でなくても、散歩や撮影、カフェ巡りとして訪れる価値があります。
休日にふらっと立ち寄り、コーヒーを片手に芝生広場で過ごす。
そんな“スタジアムのある日常”を感じられるのが、この場所の大きな魅力です。
今後の展望と発展性
アシックス里山スタジアムは、すでに「地域共生型スタジアム」として全国的に注目されています。
今後は席数の増設や設備拡充が進み、コンサートや大型イベントの開催も視野に入っています。
また、スタジアム内外のスペースを使った教育・福祉・環境活動が拡大する見込みで、
“地方における新しいスポーツとまちづくりのモデル”として成長していくでしょう。
地元企業やNPO、行政との連携も進み、
単なるスポーツ施設ではなく、地域全体の交流ハブとしての役割を担っていくと考えられます。
アシックス里山スタジアムで感じる「人と自然のつながり」
アシックス里山スタジアムを訪れると、スポーツだけでなく、人と自然の共生というテーマを強く感じます。
競技の熱気、地域の笑顔、四季の風景。すべてが混ざり合い、“暮らしの中にあるスタジアム”として息づいています。
アクセスも良く、観戦・遊び・学び・憩いが一体となったこの場所は、
まさに「これからのスタジアムの理想形」と言えるでしょう。
次の週末、アシックス里山スタジアムで自然とスポーツの一体感を体験してみてください。
きっと、新しい「地域とのつながり方」に出会えるはずです。


