ランニングシューズの中でも、カーボンプレート搭載モデルとして人気を集めている「アシックス マジック スピード 3」。
この記事では、前作との違いや進化したポイント、そしてどんなランナーにおすすめなのかを、実際の使用感や特徴を交えて詳しく解説していきます。
アシックス マジック スピード 3とは？基本スペックをチェック
アシックスが展開する「MAGIC SPEED」シリーズは、スピードランナー向けのカーボンプレート搭載モデル。
マジックスピード3（以下、MS3）は、2023年秋に登場した最新作で、価格は約16,500円（税込）。上位モデルである「メタスピード」シリーズのテクノロジーを踏襲しながらも、普段の練習からレースまで幅広く使える実用的な一足として人気を集めています。
ミッドソールには「FF BLAST PLUS」という高反発フォームをフルレングスで採用。
さらに、足裏全体にカーボンプレートを内蔵することで、蹴り出し時の推進力を高めています。
アッパーには軽量で通気性の高い「モーションラップアッパー」を採用し、足との一体感と安定性を向上。
アウトソールには「ASICSGRIP」が使われ、濡れた路面でも優れたグリップ力を発揮します。
重さは前作より軽く、25.5cmで約15gの軽量化。
ヒール高31mm、ドロップ7mmという設計で、クッション性とスピードのバランスが絶妙です。
前作マジック スピード 2からの主な進化点
MS3は、単なるマイナーチェンジではなく、設計思想から見直された「実質フルモデルチェンジ」に近い進化を遂げています。
まず大きな違いは、ミッドソール構造の刷新。
前作では2層構造のフォームを組み合わせていましたが、今作は「FF BLAST PLUS」を全面採用。これにより、クッション性と反発力が飛躍的に向上しています。着地の衝撃を柔らかく吸収しつつ、次の一歩をスムーズに押し出す感覚が得られます。
また、アッパー素材の変更も注目ポイント。
従来のエンジニアードメッシュから、より軽量な「モーションラップアッパー」に変更。足全体を包み込むようなフィット感で、長時間走ってもズレにくく、通気性も抜群です。
さらに、アウトソールの接地面積を広げた設計もポイント。
着地時の安定性が高まり、特に踵着地のランナーや中級者にとって安心感のある履き心地となっています。滑りにくさや耐久性も前作より向上しており、雨天時のトレーニングにも適しています。
実際の履き心地と走行フィーリング
履いた瞬間に感じるのは、前作よりも「柔らかく、安定している」という印象です。
カーボンプレート搭載シューズ特有の“跳ねるような感覚”はしっかり残しつつも、扱いやすくクセのないバランスに仕上がっています。
走り出すと、ミッドソールの反発力がしっかりと推進力に変わり、自然に前へと脚が出る感覚。
特にペース走やテンポ走では、フォームが安定しやすく、無理にスピードを出さなくても自然にペースが上がります。
前作で感じた「プレートの硬さ」「反発の強さによる脚の疲労感」が緩和され、より“普段使いしやすいカーボンシューズ”へと進化した印象です。
アシックス特有の足形に合ったフィット感も健在。
ただし、横幅はややタイトめで、ナイキのレーシングシューズよりは広いものの、幅広の足型の人は0.5cmアップを検討してもよいでしょう。
マジックスピード3が向いているランナーのタイプ
マジックスピード3は、トップアスリート専用というよりも、**中級ランナーが扱いやすい“万能カーボンモデル”**です。
特に次のようなランナーにおすすめです。
- 初めてカーボンプレート入りシューズを履いてみたい人
- サブ4〜サブ3.5を目指す中級者ランナー
- ペース走やテンポ走など、スピード練習を日常的に行う人
- レース本番と練習の兼用シューズを1足で済ませたい人
- 厚底すぎるシューズが苦手で、安定感を重視したい人
トップモデルのような爆発的な反発力はないものの、脚力に頼らずスムーズにスピードを維持できる点が魅力。
また、価格面でも手が届きやすく、カーボンシューズ入門として最適です。
実際の評価と口コミから見るリアルな印象
多くのランナーから「コスパ最強」「扱いやすいカーボン」といった高評価が寄せられています。
価格が2万円を超えるモデルが多い中で、16,000円台でこの性能を実現している点が特に支持されています。
また、雨の日でも滑りにくい「ASICSGRIP」のグリップ力は安心感があり、路面コンディションを選ばず使える点も好評。
トレーニングからレースまで、1足で幅広く対応できるという声が多く見られます。
一方で、「反発力は上位モデルに比べると控えめ」「爆発的な推進力を期待すると物足りない」といった意見もあります。
ただ、これは裏を返せば“安定して走りやすい”という意味でもあり、用途を明確にすればデメリットにはなりません。
他モデルとの位置づけと使い分け方
アシックスのランニングラインで見ると、マジックスピード3は「メタスピード」シリーズと「ライトレーサー」の中間に位置します。
上位のメタスピードはトップランナー向けで反発力が強い一方、ライトレーサーはより汎用的。
マジックスピード3はその中間で、「スピードと安定性」「反発と扱いやすさ」のバランスを取った設計です。
練習用途で考えるなら、
このように使い分けると、パフォーマンスと疲労軽減のバランスが取りやすくなります。
サイズ感と選び方のポイント
サイズは普段履きのランニングシューズとほぼ同等で問題ない場合が多いですが、幅がやや狭めに感じる人もいます。
試着できる場合は、実際に履いて走ってみて踵のホールド感と前足部の余裕を確認するのがベストです。
ソックスの厚みも影響するため、レース用の薄手ソックスで試すのがおすすめです。
総評：マジックスピード3は「初めてのカーボン」に最適な一足
マジックスピード3は、カーボンシューズの持つ推進力を感じながらも、扱いやすく脚への負担が少ない設計。
前作からの進化により、安定性・クッション性・軽量性が見事にバランスしています。
高価なトップモデルに手を出す前に、「まずカーボンを試してみたい」「練習からレースまで1足で済ませたい」そんなランナーにぴったり。
価格・性能・履き心地のバランスが取れた“万能型カーボンシューズ”として、2025年現在も高い人気を誇るモデルです。
アシックスマジックスピード3の進化を体感しよう
アシックス マジック スピード 3は、スピードと安定性を両立した次世代のカーボンプレートシューズ。
初めてカーボンシューズに挑戦する人にも、日常のトレーニングを格上げしたい人にも、自信を持っておすすめできる一足です。
軽やかなクッションと自然な反発を味わいながら、自分の走りをアップデートしてみませんか。
