愛媛県今治市に誕生した「アシックス里山スタジアム」は、単なるサッカー場ではありません。
自然と共に生きる「里山」の思想をベースに、スポーツ・地域・ライフスタイルをつなぐ新しいタイプのスタジアムです。
この記事では、施設情報からアクセス、イベント、今後の展望までをわかりやすく解説します。
アシックススタジアムとは?今治に生まれた“里山型スタジアム”の魅力
アシックススタジアム(正式名称:アシックス里山スタジアム)は、2023年に愛媛県今治市に誕生したサッカー専用スタジアム。
Jリーグ・FC今治の本拠地として建設され、2024年にアシックスが命名権を取得したことで現在の名称となりました。
「里山」という言葉には、人と自然、地域社会の共生という意味が込められています。
このスタジアムもその名の通り、地域の人々が集まり、自然の中で心地よく過ごせる“暮らしの拠点”として設計されています。
建築デザインは、今治の歴史にゆかりのある“村上水軍”をイメージした海賊船モチーフ。
スタンドとピッチの距離は約8メートルと近く、選手のプレーを間近で感じられる臨場感も魅力のひとつです。
施設概要と特徴:サッカーだけじゃない複合空間
アシックススタジアムの敷地面積は約5.7ヘクタール。
サッカー専用のピッチだけでなく、地域に開かれた多様な施設が併設されています。
- クラブハウス・会議室:運営会社の事務所や貸会議室を備え、地域イベントや企業研修にも利用可能。
- 芝生広場(里山プラザ):IMABARIのモニュメントが立つ広場で、子どもが遊んだり、ピクニックを楽しめる空間。
- 屋外イベントスペース(TINY GARDEN FESTIVAL):ワークショップやマルシェ、フードフェスなどが定期的に開催される。
- ドッグラン:ペット連れでも楽しめる開放的なスペース。
- 里山ファーム:地元の学校や住民と共に野菜や花を育てる教育・体験型農園。
- VIPルーム・ラウンジ:特別観覧席やメディアルームを備え、大会運営にも対応。
- 授乳室・おむつ替え・ベビーカー置き場:ファミリー層にやさしい設計で、子連れでも安心して訪問できる。
これらの施設は、試合がない日も開放されており、日常的に利用できるのが特徴です。
「試合のある日だけ人が集まる場所」ではなく、「365日、誰もが訪れられる場所」を目指しています。
命名権とアシックスの理念が重なる理由
2024年、アシックスはこのスタジアムの命名権を取得しました。
契約期間は2024年5月から2029年1月まで。これは単なるスポンサー契約ではなく、ブランド理念との共鳴によるものです。
アシックスが掲げる「Sound Mind, Sound Body(健全な身体に健全な精神が宿る)」という哲学は、まさにこの里山スタジアムの思想と重なります。
自然と人、スポーツと暮らしが調和するこの場所は、アシックスが提案する“ライフスタイル型スポーツ文化”の象徴ともいえる存在です。
地元では「アシさと(Ashisato)」の愛称で親しまれ、ブランドの新しい顔としても注目を集めています。
アクセス方法と駐車場情報:行きやすさもポイント
スタジアムは今治市高橋ふれあいの丘にあり、アクセス手段は複数あります。
公共交通機関を利用する場合
- JR予讃線「今治駅」からタクシーで約10分。
- バス(イオンモール今治新都市行き)で約15分+徒歩10分。
- 地域の相乗りモビリティサービス「mobi」を利用することも可能です。
車で行く場合
- 今治ICから約5分で到着。
- 一般駐車場も用意されていますが、台数に限りがあるため乗り合わせ推奨です。
サッカー観戦時やイベント開催時は混雑が予想されるため、時間に余裕をもって出発すると安心です。
スタジアム周辺は道幅が広く、ドライバーにも優しいレイアウトになっています。
イベント・アクティビティ:365日楽しめる“地域の拠点”
アシックススタジアムは、試合以外のイベントがとても充実しています。
なかでも話題を呼んでいるのが、アウトドアブランド「URBAN RESEARCH」が主催する“TINY GARDEN FESTIVAL”。
スタジアムの芝生やゴール裏をキャンプサイトとして開放し、マーケット・音楽・ワークショップ・地元食材のフードブースなどを展開。
ペット同伴や夜のライトアップも楽しめる、まさに“暮らしと自然の融合イベント”です。
このほかにも、地元小学生のサッカー教室、マルシェ、ヨガイベント、季節の花植え体験など、多彩な企画が年間を通して行われています。
地域の人たちが日常的に集う「コミュニティスタジアム」として機能しているのです。
家族やペットにも優しい設計
アシックススタジアムの特徴のひとつが、“誰でも快適に過ごせる設計”です。
授乳室やおむつ替え台、ベビーカー置き場はもちろん、通路も広く段差が少ないため、子連れや高齢者にも安心。
スタンド席の傾斜も穏やかで、視界が開ける構造になっています。
さらに、ペット連れの来場者も多く、ドッグランだけでなく芝生エリアでの散歩も可能。
ペットと一緒に観戦やイベントを楽しむスタジアムは全国的にも珍しく、“アシックスらしい新しいスタイル”として人気を集めています。
スタジアム拡張計画と今後の展望
現在、アシックススタジアムでは拡張工事が計画されています。
2025年シーズン終了後から工事を開始し、2026年夏には約8,900席規模へと拡大予定です。
これにより、将来的なJ2・J1昇格や大規模イベントにも対応できるようになります。
さらに、今後は地域観光や地元企業との連携イベント、ASICSブランドの体験型イベントなども企画中。
「スポーツ × 地域 × ライフスタイル」を体現する拠点としての進化が期待されています。
実際に訪れる前に知っておきたいポイント
訪問前に覚えておくと便利なポイントをまとめます。
- 駐車場は早めの到着が安心。週末は混雑するため、公共交通やシェア移動も検討を。
- 芝生広場やイベントスペースは無料開放の日も多い。公式サイトで最新情報をチェック。
- ペット連れはリード必須。マナーを守って利用を。
- スタジアム周辺にはカフェや土産店もあり、観光と合わせて楽しめる。
- 季節ごとに異なるイベントが開催されるため、リピーターにもおすすめ。
まとめ:アシックススタジアムがつくる“未来の地域拠点”
アシックススタジアムは、スポーツ施設でありながら、地域の暮らしと文化を結ぶ場所として誕生しました。
ここには「観戦する」「遊ぶ」「集う」「学ぶ」という多様な体験が詰まっています。
ASICSが掲げる“健全な心と体”の哲学は、靴やウェアだけでなく、このスタジアムという空間にも息づいています。
人と自然、地域とスポーツが一体となる新しいスタジアムの形――それが、アシックス里山スタジアムです。
今後の拡張やイベント展開にも注目しながら、ぜひ一度その空気を体感してみてください。


