陸上競技を始めたばかりの人にとって、「最初のスパイク選び」はなかなか難しいもの。どの種目にも使いやすくて、足に優しく、しかも価格も手頃なモデルが欲しい――そんな声に応えるように登場したのが、アシックスの定番「エフォート」シリーズだ。
その最新作となる**アシックス エフォート13**は、初心者から中級者までを幅広くカバーする万能モデルとして注目されている。ここでは、前作との違いや実際の使用感、口コミから見えるリアルな評価までを徹底的に掘り下げていく。
エフォート13はどんなスパイク?基本情報を整理
アシックス エフォート13(EFFORT 13)は、短距離から中距離、ハードル、跳躍種目まで幅広く対応するオールラウンドタイプの陸上スパイクだ。
対応種目は100m〜1500m、走幅跳や棒高跳にも使えるため、部活などでまだ専門種目を決めていない選手にもぴったり。
トラックもオールウェザーと土トラックの両方に対応。ピンを取り替えればどちらの環境でも使えるため、練習場所が限られていても困らないのが魅力だ。
アッパーは合成繊維と人工皮革を組み合わせ、通気性とホールド性を両立。ソールには耐久性の高い素材が使われており、部活での毎日の練習にも十分耐えられる仕様となっている。
価格帯は7,000〜10,000円前後と手頃。性能とコスパのバランスが取れた、まさに「はじめてのスパイク」としての立ち位置を確立している。
前作からの進化点──ARCHWRAPで安定性が大幅アップ
アシックス エフォート13で注目すべき進化は、ARCHWRAP(アーチラップ)構造の採用だ。
これは中足部の土踏まずを支えるように配置されたサポートパーツで、靴ひもを締めるとアーチ部分がしっかりと包み込まれる仕組みになっている。
これにより、走行中にアーチが落ち込みにくくなり、長時間の練習でも足の疲労が軽減されやすくなった。
陸上初心者の場合、足の筋力がまだ発達しておらず、接地のたびにアーチが崩れやすい傾向がある。そのため、ARCHWRAPのようなサポート機能は非常にありがたい存在だ。
前作アシックス エフォート12ではこの構造がなかったため、安定感やフィット感の点で大きな進化と言える。
軽さと屈曲性のバランスが絶妙
スパイク選びでは「硬さ」と「しなやかさ」のバランスが重要になる。アシックス エフォート13は、プレートの剛性を高めすぎず、初心者でも扱いやすい自然な屈曲性を実現している。
特に前足部はしなやかに曲がる構造で、スタートから蹴り出しまでの動作がスムーズ。かかと部分には耐摩耗性の高いAHARPLUS素材を採用しており、練習量が多くても削れにくい。
この組み合わせにより、「軽いけど安定感がある」という理想的な履き心地を提供している。
幅広い種目・環境に対応できる汎用性の高さ
アシックス エフォート13の最大の魅力は、対応範囲の広さだ。
短距離のスプリントから800m・1500mの中距離、さらには跳躍やハードルまで、ひとつのスパイクでこなせる柔軟性を持っている。
また、土トラックと全天候型トラックの両方に対応している点も見逃せない。
学校によって練習環境が異なる部活生にとって、「どこでも使える」というのは非常に実用的だ。
専用スパイクを複数揃える必要がないため、コスパの面でも優秀といえる。
実際の口コミ・レビューから見えるリアルな評価
ポジティブな声
多くのユーザーが評価しているのは、安定感と軽さのバランスだ。
「初心者向けなのにしっかり走れる」「軽くてフィット感が良い」といった感想が多い。
スタートの踏み込みでもピンがしっかり地面を捉え、安心して加速できるという声も目立つ。
さらに、「初めてのスパイクとしてちょうどいい」という意見も多数。
どの種目をやるか決めていない段階でも使える万能性と、1万円以下で買える手頃さが支持されている。
改善点・注意点
一方で、「サイズがややタイト」「幅が狭めに感じる」という口コミも見られる。
アシックス エフォート13は“STANDARDラスト”のため、幅広の足型の人には少し窮屈に感じる可能性がある。
また、専門種目に特化した上位モデルと比べると、反発力やスピード性能では一歩劣るとの指摘もある。
これはむしろ、アシックス エフォート13が「万能型」として設計されているからこその特徴。
汎用性を重視する反面、極限のパフォーマンスを求める競技者には物足りない部分があるのは自然なことだ。
耐久性・コスパ・練習用としての実力
部活生の多くが悩むのは、「練習と試合のどちらで使うか」。
アシックス エフォート13は練習用スパイクとしても優秀で、ソールの耐摩耗性が高く、毎日履いても劣化しにくい。
かかとの補強素材も強化されているため、練習用に1足持っておくと安心だ。
一方で、軽量性と安定感の両立により、試合でも十分使用できるレベル。
特に中学生や高校1年生のような成長段階の選手には、スペシャリスト向けモデルよりも安全で扱いやすい選択肢になる。
エフォート13が向いている人・向かない人
向いている人
- これから陸上を始める初心者
- 部活で種目がまだ決まっていない選手
- 練習用や兼用スパイクを探している人
- 価格と性能のバランスを重視する人
向かない人
- 足幅が広く、ゆったりしたラストを求める人
- 専門種目で高反発・高剛性を求める上級者
- 大会用に特化した軽量スパイクを探している人
アシックス エフォート13はあくまで「はじめてのスパイク」「練習用」「汎用性重視」という立ち位置だ。
そのため、専門的なスピード競技に挑む上級者には、上位モデル(例:ジェットスプリントやサイバーブレードシリーズなど)の方が適している。
前作との違いと買い替えの価値
前モデルのアシックス エフォート12と比べると、アシックス エフォート13はアッパー構造とサポート性能が大幅に改良された。
ARCHWRAPの導入によって、足のフィット感と安定性が格段にアップ。
さらにプレート剛性のバランスが最適化され、初心者でも扱いやすい自然な走りができるようになった。
また、素材面では軽量化と耐久性の強化が両立しており、全体的に「完成度の高い進化」と言える。
前作を使用している人でも、履き心地や安定性を求めるなら買い替えの価値は十分にある。
まとめ:アシックスエフォート13は“最初の一足”に最適な万能スパイク
アシックス エフォート13は、初心者や部活生のニーズを的確に捉えた「万能型スパイク」だ。
多種目対応、兼用トラック設計、ARCHWRAPによるサポート、軽さと安定感の両立――これらの特長が組み合わさり、履いた瞬間に安心感を与えてくれる。
もちろん、上級者が試合用に使うには物足りない場面もあるが、「最初のスパイク」「練習でも試合でも使える一本」という目的で選ぶなら間違いのない選択肢だ。
長く愛される理由は、こうしたバランスの良さにある。
陸上を始めたばかりのあなたにとって、アシックス エフォート13はきっと心強い相棒になるだろう。
最初の一歩を踏み出すなら、この一足から始めてみてほしい。


