アシックスの株主優待制度は、同社の製品をお得に購入できる特典として人気があります。スポーツブランドとして世界的に知られるアシックスですが、株主向けにも魅力的な割引制度を設けており、ランニングシューズやウェアを愛用している人にとっては非常に実用的です。ここでは、その内容や使い方、注意点までわかりやすく紹介していきます。
アシックスの株主優待の基本内容
アシックスでは、株主への感謝と自社商品の理解促進を目的として、優待割引チケットを発行しています。対象となるのは、毎年6月末と12月末の時点で100株以上を保有している株主です。
これにより、年2回、アシックス製品を優待価格で購入できる機会が与えられます。
チケットは、直営店とオンラインショップでそれぞれ使える「電子チケット」として配布されます。以前は紙の優待券でしたが、2024年から電子化され、スマートフォンで手軽に使えるようになりました。
優待の割引率と株数・保有期間による違い
アシックスの優待割引率は、保有株数や保有期間によって段階的に変わります。100株以上を保有していれば最低でも25%割引が受けられ、長期保有や多くの株を持っているほど割引率が上がる仕組みです。
- 100株以上・保有1年未満:25%割引
- 100株以上・保有1年以上:30%割引
- 1,200株以上・保有1年未満:30%割引
- 1,200株以上・保有3年以上:40%割引
つまり、長期で株を持ち続けることで最大40%オフという大きな特典が得られることになります。直営店用とECサイト用の電子チケットがそれぞれ10枚ずつ配布され、使い分けが可能です。
優待チケットが使える店舗とサイト
チケットは、アシックスの直営店舗と公式オンラインショップの両方で利用できます。
利用できる店舗の例としては、以下のようなものがあります。
- アシックスストア(ASICS Store)
- アシックスウォーキング、アシックスランウォーク
- アシックスキッズストア
- オニツカタイガーの直営店
- アシックス商事の直営店
また、オンラインでは以下のサイトが対象です。
- アシックス公式オンラインストア
- アシックスウォーキングオンラインストア
- アシックス商事オンラインストア
以前は対象外だったオニツカタイガーのEC利用も今後対応が検討されており、今後さらに使いやすくなる可能性があります。
株主優待チケットの使い方
使い方はとても簡単です。優待チケットは電子化されているため、スマートフォンからQRコードを表示して提示するだけで割引が適用されます。
店舗で利用する場合は、レジでQRコードを読み取ってもらうだけ。
オンラインストアで利用する場合は、アシックスの会員アカウントにログインし、購入画面で電子チケットを選択します。
ただし、オンラインでの利用には「アシックス商事オンラインストア」などの会員登録が必要です。すでにアカウントを持っている人は、ログインすればすぐに利用できます。
優待利用の条件と注意点
アシックスの優待制度は非常に魅力的ですが、いくつかの利用条件があります。
まず、割引が適用されるのは「定価販売の商品」に限られ、セール品やキャンペーン対象品には使えません。
また、利用上限も設定されています。
- 直営店では1枚につき購入金額1万円(税込)までが対象
- ECサイトでは1回の注文につき最大5万円(税込)までが対象
さらに、チケットの再発行や再利用はできません。返品やキャンセルを行った場合は、チケットが無効になる可能性があります。
電子チケットのため、スマートフォンを持っていない人にはやや不便に感じるかもしれませんが、その分、紛失リスクがなくなったというメリットもあります。
優待の発送時期と利用期間
優待チケットは、株主名簿が確定したあとに順次発送されます。
- 6月末時点で株主の人:8月中旬ごろに発送
- 12月末時点で株主の人:翌年3月下旬ごろに発送
発送されたチケットには有効期限が設定されています。一般的に発行から約半年ほどが使用期間の目安です。忘れずに使い切るようにしましょう。
電子化で便利になった新制度のポイント
2024年の制度改定で、アシックスは株主優待を全面的に電子チケット化しました。これにより、従来の紙券よりも利用がスムーズになり、紛失や転売の防止にもつながっています。
さらに、割引率の底上げも行われ、以前よりも優待の魅力がアップしました。直営店での最低割引率が20%から25%に引き上げられ、ECサイトでは最大40%まで拡大。株主にとっては、利便性もお得感も増した形です。
また、アシックス商事の取り扱い商品(カジュアルシューズやビジネスシューズなど)も優待対象となり、日常使いの商品にも適用範囲が広がっています。
長期保有によるメリットと企業の狙い
アシックスの優待制度は、単なる「株主向けの特典」ではなく、長期保有を促す仕組みでもあります。
1年以上の継続保有で割引率が上がるため、長く応援してくれる株主ほど恩恵を受けやすい構造になっています。
これは、株主を一時的な投資家としてではなく、ブランドのファン・サポーターとして大切にする姿勢の表れです。
アシックスが掲げる「健全な身体に健全な精神が宿る」という理念にも通じる考え方であり、企業と株主がともにブランドを支える関係性を築いているとも言えます。
実際の割引効果と利回りのイメージ
実際に優待を使うと、どのくらいお得なのでしょうか。
たとえば、定価15,000円のランニングシューズを25%オフで購入した場合、約11,250円で手に入ります。複数回使えば、年間で数万円単位の節約になることもあります。
株価や配当利回りと合わせて考えると、優待チケットを活用することで実質的な投資利回りは4〜5%程度に達することもあり、スポーツブランド株としては非常に魅力的な水準です。
特にランナーやスポーツ愛好家にとっては、単なる経済的なメリット以上に「好きなブランドをお得に応援できる」という満足感も大きいでしょう。
アシックスの株主優待を活用するポイント
優待を最大限に活かすためには、以下のようなポイントを意識するのがおすすめです。
- セール対象外の商品を狙って使う
- 有効期限を確認し、忘れずに利用する
- 長期保有して割引率を上げる
- オンラインと店舗を使い分けて効率よく活用する
これらを意識するだけで、優待の実質的な価値はぐっと高まります。
今後の展望とまとめ
アシックスの株主優待制度は、電子チケット化によって使いやすさが向上し、割引率も強化されました。
100株から利用できる手軽さと、長期保有でさらにお得になる仕組みが魅力です。
セール品には使えないなどの制限はありますが、ランニングシューズやウェアを定価で購入することが多い人にとっては非常に実用的。
アシックス製品を愛用している人なら、株主になることでブランドを支えながら、自分のライフスタイルにも還元できる仕組みといえます。
これからもアシックスは、株主とともにブランド価値を高め、スポーツを通じた健全な社会づくりを目指していくでしょう。
アシックスの株主優待制度は、その象徴ともいえる存在です。


