陸上競技の中でも、走り幅跳びはスピードとパワー、そして技術が一体となる奥深い種目です。助走でスピードを乗せ、わずかな踏切の一瞬で力を地面に伝え、空中でバランスを保ちながら距離を伸ばす。そのすべての動作を支えるのが「スパイクシューズ」です。
特にアシックス(ASICS)の幅跳びスパイクは、日本人の足型や動作特性に合わせて開発されており、多くの選手が愛用しています。今回は、アシックスの最新モデルを中心に、跳躍力を最大限に引き出すおすすめスパイクを5つ紹介します。
幅跳びスパイクの基本構造と特徴
幅跳び用スパイクは、短距離用とは異なる独自の設計がされています。最大の特徴は、踏切で地面を「面」でとらえるためのフラットソール構造と、踏み切り時の安定性を高める剛性プレート。
助走ではスピードを乗せ、最後の一歩でしっかり地面を押し込むために、ソールの反発力や安定性が重要になります。
また、幅跳びスパイクは足のホールド性にもこだわりがあります。アシックスでは、中足部を包み込むように固定する「DYNAWRAP(ダイナラップ)」構造などを採用し、助走中のブレを抑制。足がスパイク内部で動かないことで、力を余すことなく踏切へと伝えることができます。
アシックスが跳躍スパイクで支持される理由
アシックスは長年、陸上競技の研究を重ねてきたブランドです。特に跳躍種目では、トップ選手の動きを解析し、助走から踏切、空中姿勢までの動作に合わせてスパイクを設計しています。
アシックスの跳躍スパイクが支持される理由は以下の3点です。
- 日本人の足型に合わせたフィット感
海外ブランドに比べてワイズ(足幅)の選択肢が広く、甲が高めの足型にもフィットしやすい設計です。 - フラットソール設計による踏切の安定性
つま先の反り上がりを抑えたフラット構造により、地面をしっかり押し込む感覚を得やすく、踏切時のバランスを保ちやすい。 - 耐久性と反発力のバランス
軽量性と反発性を両立しつつ、耐久性にも配慮した素材構成で、練習から大会まで安心して使用できます。
おすすめ①:ASICS LONG JUMP PRO 3(ロングジャンプ プロ3)
アシックスの跳躍用スパイクの中でも、もっとも代表的なのが「ASICS LONG JUMP PRO 3」です。走り幅跳びと棒高跳びの両方に対応する設計で、フラットソール構造を採用。助走から踏切まで、力をしっかりと地面に伝えられるモデルです。
中足部にはDYNAWRAPベルトを搭載し、足のズレを防ぎながら一体感のあるホールド感を実現。踏切時の安定感はもちろん、助走の加速にも優れています。
上級者はもちろん、中級者でも踏切技術が安定していれば十分に扱える万能モデルです。
おすすめ②:ASICS HIGH JUMP PRO 3(ハイジャンプ プロ3)
本来は走高跳用として開発されたモデルですが、踏切の安定性と反発力が非常に高く、走幅跳びの選手にも人気があります。
踏切足への負担を軽減するため、ソール剛性を高めながらも適度なクッション性を確保。助走の勢いをそのまま踏切に変換する感覚が得られます。
足首まわりのサポート性も高く、踏切角度を安定させたい選手に向いています。特に、スピード系よりも“力強い踏切”を重視する選手におすすめです。
おすすめ③:ASICS EFFORT 13(エフォート13)
初めて跳躍用スパイクを選ぶなら、アシックスの「ASICS EFFORT 13」が最有力。軽量で履き心地が柔らかく、初心者や学生にも扱いやすいモデルです。
グリップ力も十分で、部活動などで初めて跳躍スパイクを履く人に最適。価格も手頃で、練習用にも使いやすい一足です。
ただし、上級者が大会で使用するには反発力がやや控えめ。競技志向が強い人は「ASICS LONG JUMP PRO 3」系へのステップアップを考えると良いでしょう。
おすすめ④:ASICS JETSPRINT 3(ジェットスプリント3)
スプリント用スパイクとして開発されたモデルですが、助走のスピードを重視するジャンパーに愛用者が多いのが「ASICS JETSPRINT 3」。
短距離選手向けの超軽量設計で、スピードを最大化するための前傾姿勢が取りやすい構造になっています。
助走区間でスピードを重視し、踏切で一気に力を爆発させたいタイプの選手にマッチ。反面、踏切時の安定性は専用跳躍スパイクに劣るため、助走コントロールに自信がある中上級者向けです。
おすすめ⑤:ASICS CYBERBLADE 16(サイバーブレード16)
トラック全般に対応できる万能スパイクとして人気のモデル。
本来は短距離~中距離向けですが、助走と踏切の両立を求める選手に選ばれることもあります。反発性が高く、ソール剛性もしっかりしているため、練習用やサブスパイクとしても優秀です。
「本格的な跳躍スパイクまでは不要だが、踏切を安定させたい」「1足で複数種目をこなしたい」という学生や汎用志向の選手にぴったり。
幅跳びスパイクの選び方ポイント
1. 助走路の種類に合わせる
ほとんどの幅跳びスパイクはオールウェザー専用です。土トラックや古いタータンでは滑りやすくなる場合があるため、練習環境に合わせて選びましょう。
2. 技術レベルとの相性
フラットソール設計のスパイクは、助走スピードと踏切の安定性を両立できますが、踏切角度の調整が必要です。初心者は安定性重視、中級者以上は反発重視で選ぶのがコツです。
3. フィット感を最優先に
足のホールドが甘いと、助走中に足がブレて力が逃げてしまいます。アシックスのように足型に合わせたモデルを選ぶことで、安定した踏切動作を支えられます。
4. 練習用と本番用を分ける
練習では耐久性と扱いやすさを、本番では軽さと反発力を重視。2足使い分ける選手も多くいます。
アシックス幅跳びスパイクで跳躍力を引き出そう
幅跳びで距離を伸ばすには、技術と筋力だけでなく、スパイクの性能を最大限に引き出すことが欠かせません。
アシックスの幅跳びスパイクは、助走の安定性、踏切時の反発、足のホールド感のすべてを高水準で備えています。自分のスタイルやレベルに合わせた一足を選べば、跳躍フォームが安定し、自己ベスト更新につながる可能性も高まるでしょう。
これから幅跳びスパイクを購入するなら、紹介した「ASICS LONG JUMP PRO 3」「ASICS HIGH JUMP PRO 3」「ASICS EFFORT 13」「ASICS JETSPRINT 3」「ASICS CYBERBLADE 16」を中心に検討してみてください。
しっかりフィットする一足とともに、あなたの跳躍がさらに高く、遠くへと伸びていくはずです。


